2011年06月07日(火) 00時01分00秒
soulsearchinの投稿
◎ユリ・マサ・ライヴ~自由度の高いライヴ:Juju、トータス松本さん飛び入り
テーマ:ライヴ評・レポート
◎ユリ・マサ・ライヴ~自由度の高いライヴ: Juju、トータス松本さん飛び入り
【Yuri-Masa Live】
自由度。
どちらも、「ソウル・サーチン・イヴェント」でも活躍していただいているギターのマサとヴォーカルのユリ二人だけのユニットその名も「ユリマサ」のライヴ。初回は2008年に阿佐ヶ谷の小さなライヴハウス、ミックス、2回目が2009年に広島、続いて2010年に四谷メビウス、そして4回目がブルース・アレイで2011年4月、それ以来約2ヶ月ぶり、通算5回目になるライヴ。
僕は今回初めて観戦。一言で言えば、まさにタック&パティーをより黒くした感じの二人組みで、タック&パティーよりグルーヴ感というか、黒さが思い切り全面に出る。たとえば、セカンドの「ウォーターフォール」での後半のギター・ソロ部分など、マサ・ギターの本領発揮、底力見せつけで相当すごかった。これのラップ部分をユリがやったのもおもしろかった。よく口がまわるなあ、と感心。後半コーラスを観客が歌ったのには驚いた。
今回は、ツイッターなどでファンからリクエストを募り、それらを何曲か歌った。
おもしろい選曲はジョーの「オール・ザ・シングス」。これは元々男目線の曲だが、それを女性のユリが大胆にも歌う。その歌詞、I got a jones in my bones for you について、ユリもマサも直接的な解説を避けた。調べたら、この場合のjones in my bonesは骨の底からの熱望、切望、それが転じて、君への情欲がもうがまんできない、と言った直接的な意味のスラングらしい。
マサがブルージーなギターを弾かせると、相当なもの。特に印象に残ったのは、「ルート66」。アコースティック・ギターでここまで黒さを演出できるのは、すごい。彼は、あちこちのソロで、その場での思いつきでいろいろなキャッチーな曲のリフを織り交ぜるのが実にうまい。で、さっき弾いたのなんだっけ、と尋ねても、本人も忘れてるほど、その場でアドリブ的に弾いてしまうらしい。アコギだとなかなかグルーヴは出ないものだが、マサの手、指にかかるとこれがすごいことになる。グルーヴは、楽器が生み出すのではなく、それを弾くミュージシャンが生み出すものということを改めて感じさせられた。
サプライズで、アンコール1曲目でジュジュが登場。「ユーヴ・ガット・ア・フレンド」をユリと、その場で歌う場所を決めデュエットで。「ちょっと杯数、飲んじゃってますが…」(笑)といいながら、しっかりジュジュ節を聴かせた。ちょうど、最新シングルでこの曲を歌っていたこともあって、ぶっつけ本番でも二人とも軽く歌えてしまう。当たり前だが、どちらもうまい。
左からマサ、ジュジュ、ユリ
さらに、アンコール2曲目では、現在ユリがコーラスを務めているア・カペラ・ユニットのボス、トータス松本さんが、無理やり呼び出され、最初は若干躊躇していた感じだったが、マサのギターに乗せられた感じで、即興でブルーズ調の曲を歌った。歌詞もメロディーもその場で、ぱっと思いついたことをマイクに乗せる。いやあ、こういうのはほんと素晴らしい。「たまたま休みで~、ユリのライヴにやってきたあ~~。まさかまさか、オレが歌うとは~~。今、ニッポンは大変、大変~~」 ひとたびステージにあがり、スイッチがオンになれば、もう猪突猛進。それまでの会場の気温を彼一人で3度は上げた感じだ。
ライヴ後、マサさんに、ほぼ全曲アコースティック・ギターなのはなぜか、エレキは使わないのか、と尋ねると、エレキは「ストーミー・マンデイ・ブルーズ」1曲で使ったが、基本的にエレキだと、「鋭角的なサウンドにならない、アコースティックのほうが、よりリッチな感じになると思って、アコースティックでやっている」との答え。なるほど。
「二人だから、かなり自由にできますよ。ソロ部分は(同じ曲でも)毎回、違ってきます」とマサが言う。下記セットリストで、セット1の1,3,5,6、セット2の4が二人でやる初めての曲だという。その意味で、自由度の高いライヴといえそうだ。
二人だけで、これだけの世界が作れるというのも、たいしたもの。また次回を楽しみに。
■ 関連記事(一部)
2011年03月12日(土)
マサ小浜3回目のライヴ~「レッド・マサ・スペシャル」、アツシ飛び入りも
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10827190545.html
2010年07月09日(金)
マサ小浜、初ソロ・ライヴ~ソウルとファンクとスムース・ジャズと
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10584972682.html
2010年08月21日(土)
ユリ・ライヴ@代官山ループ
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10625111213.html
2009年10月15日(木)
シンガー、ユリ@ブルース・アレイ
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10364864050.html
2008年08月05日(火)
ユリ、ブルース・アレー単独ソロ名義で初登場
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10123734321.html
August 10, 2007
Yuri’s First Her Own Live:
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20070810.html
前回ライヴ評。ここに過去関連記事一覧。
■メンバー
ユリ Yuri (Vocal)
マサ小浜 Masa Kohama (Guitar)
飛び入り
ジュジュ Juju
トータス松本 Tortoise Matsumoto
■セットリスト:ユリマサ、ブルースアレイ、6月5日2011年
Setlist : Yuri Masa @ Blues Alley Meguro, June 5, 2011
[ ] denotes original artists
Set 1
01. At Your Best [Aaliyah]
02. Brother Sister [Brand New Heavies]
03. Rain [SWV]
04. Medley: Voices Inside (Everything Is Everything) [Donny Hathaway] – Higher Ground [Stevie Wonder]
05. When Can I See You [Babyface]
06. AI Medley: Summer Breeze – Life
07. Stormy Monday Blues or ("Call It Stormy Monday (But Tuesday Is Just As Bad)") [T-Bone Walker]
08. Unpretty [TLC]
Set 2
Show started 19:43
01. Lover’s Rock [Sade]
02. The Sound Of Carnival [Kubota Toshinobu]
03. All The Things (Your Man Won't Do) [Joe]
04. Through The Fire [Chaka Khan]
05. Route 66 [Nat King Cole]
06. Waterfalls [TLC]
07. If [Yuri- original]
08. Stop, Look, Listen To Your Heart [Stylistics]
09. Never Too Much [Luther Vandross]
Enc. You’ve Got A Friend [Donny Hathaway, James Taylor] (+Juju)
Enc. Blues Jam/ Tortoise Matsumoto (+Tortoise Matsumoto)
Show ended 21:06
(2011年6月5日日曜、目黒ブルースアレイ、ユリマサ・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>YuriMasa
2011-75
【Yuri-Masa Live】
自由度。
どちらも、「ソウル・サーチン・イヴェント」でも活躍していただいているギターのマサとヴォーカルのユリ二人だけのユニットその名も「ユリマサ」のライヴ。初回は2008年に阿佐ヶ谷の小さなライヴハウス、ミックス、2回目が2009年に広島、続いて2010年に四谷メビウス、そして4回目がブルース・アレイで2011年4月、それ以来約2ヶ月ぶり、通算5回目になるライヴ。
僕は今回初めて観戦。一言で言えば、まさにタック&パティーをより黒くした感じの二人組みで、タック&パティーよりグルーヴ感というか、黒さが思い切り全面に出る。たとえば、セカンドの「ウォーターフォール」での後半のギター・ソロ部分など、マサ・ギターの本領発揮、底力見せつけで相当すごかった。これのラップ部分をユリがやったのもおもしろかった。よく口がまわるなあ、と感心。後半コーラスを観客が歌ったのには驚いた。
今回は、ツイッターなどでファンからリクエストを募り、それらを何曲か歌った。
おもしろい選曲はジョーの「オール・ザ・シングス」。これは元々男目線の曲だが、それを女性のユリが大胆にも歌う。その歌詞、I got a jones in my bones for you について、ユリもマサも直接的な解説を避けた。調べたら、この場合のjones in my bonesは骨の底からの熱望、切望、それが転じて、君への情欲がもうがまんできない、と言った直接的な意味のスラングらしい。
マサがブルージーなギターを弾かせると、相当なもの。特に印象に残ったのは、「ルート66」。アコースティック・ギターでここまで黒さを演出できるのは、すごい。彼は、あちこちのソロで、その場での思いつきでいろいろなキャッチーな曲のリフを織り交ぜるのが実にうまい。で、さっき弾いたのなんだっけ、と尋ねても、本人も忘れてるほど、その場でアドリブ的に弾いてしまうらしい。アコギだとなかなかグルーヴは出ないものだが、マサの手、指にかかるとこれがすごいことになる。グルーヴは、楽器が生み出すのではなく、それを弾くミュージシャンが生み出すものということを改めて感じさせられた。
サプライズで、アンコール1曲目でジュジュが登場。「ユーヴ・ガット・ア・フレンド」をユリと、その場で歌う場所を決めデュエットで。「ちょっと杯数、飲んじゃってますが…」(笑)といいながら、しっかりジュジュ節を聴かせた。ちょうど、最新シングルでこの曲を歌っていたこともあって、ぶっつけ本番でも二人とも軽く歌えてしまう。当たり前だが、どちらもうまい。
左からマサ、ジュジュ、ユリ
さらに、アンコール2曲目では、現在ユリがコーラスを務めているア・カペラ・ユニットのボス、トータス松本さんが、無理やり呼び出され、最初は若干躊躇していた感じだったが、マサのギターに乗せられた感じで、即興でブルーズ調の曲を歌った。歌詞もメロディーもその場で、ぱっと思いついたことをマイクに乗せる。いやあ、こういうのはほんと素晴らしい。「たまたま休みで~、ユリのライヴにやってきたあ~~。まさかまさか、オレが歌うとは~~。今、ニッポンは大変、大変~~」 ひとたびステージにあがり、スイッチがオンになれば、もう猪突猛進。それまでの会場の気温を彼一人で3度は上げた感じだ。
ライヴ後、マサさんに、ほぼ全曲アコースティック・ギターなのはなぜか、エレキは使わないのか、と尋ねると、エレキは「ストーミー・マンデイ・ブルーズ」1曲で使ったが、基本的にエレキだと、「鋭角的なサウンドにならない、アコースティックのほうが、よりリッチな感じになると思って、アコースティックでやっている」との答え。なるほど。
「二人だから、かなり自由にできますよ。ソロ部分は(同じ曲でも)毎回、違ってきます」とマサが言う。下記セットリストで、セット1の1,3,5,6、セット2の4が二人でやる初めての曲だという。その意味で、自由度の高いライヴといえそうだ。
二人だけで、これだけの世界が作れるというのも、たいしたもの。また次回を楽しみに。
■ 関連記事(一部)
2011年03月12日(土)
マサ小浜3回目のライヴ~「レッド・マサ・スペシャル」、アツシ飛び入りも
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10827190545.html
2010年07月09日(金)
マサ小浜、初ソロ・ライヴ~ソウルとファンクとスムース・ジャズと
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10584972682.html
2010年08月21日(土)
ユリ・ライヴ@代官山ループ
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10625111213.html
2009年10月15日(木)
シンガー、ユリ@ブルース・アレイ
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10364864050.html
2008年08月05日(火)
ユリ、ブルース・アレー単独ソロ名義で初登場
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10123734321.html
August 10, 2007
Yuri’s First Her Own Live:
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20070810.html
前回ライヴ評。ここに過去関連記事一覧。
■メンバー
ユリ Yuri (Vocal)
マサ小浜 Masa Kohama (Guitar)
飛び入り
ジュジュ Juju
トータス松本 Tortoise Matsumoto
■セットリスト:ユリマサ、ブルースアレイ、6月5日2011年
Setlist : Yuri Masa @ Blues Alley Meguro, June 5, 2011
[ ] denotes original artists
Set 1
01. At Your Best [Aaliyah]
02. Brother Sister [Brand New Heavies]
03. Rain [SWV]
04. Medley: Voices Inside (Everything Is Everything) [Donny Hathaway] – Higher Ground [Stevie Wonder]
05. When Can I See You [Babyface]
06. AI Medley: Summer Breeze – Life
07. Stormy Monday Blues or ("Call It Stormy Monday (But Tuesday Is Just As Bad)") [T-Bone Walker]
08. Unpretty [TLC]
Set 2
Show started 19:43
01. Lover’s Rock [Sade]
02. The Sound Of Carnival [Kubota Toshinobu]
03. All The Things (Your Man Won't Do) [Joe]
04. Through The Fire [Chaka Khan]
05. Route 66 [Nat King Cole]
06. Waterfalls [TLC]
07. If [Yuri- original]
08. Stop, Look, Listen To Your Heart [Stylistics]
09. Never Too Much [Luther Vandross]
Enc. You’ve Got A Friend [Donny Hathaway, James Taylor] (+Juju)
Enc. Blues Jam/ Tortoise Matsumoto (+Tortoise Matsumoto)
Show ended 21:06
(2011年6月5日日曜、目黒ブルースアレイ、ユリマサ・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>YuriMasa
2011-75