2011年05月25日(水) 00時01分00秒 soulsearchinの投稿

◎ タック&パティー(パート1):復興は始まったばかりというメッセージを語る

テーマ:ライヴ評・レポート
◎タック&パティー(パート1):復興は始まったばかりというメッセージを語る

【Tuck & Patti Send Message To Japan: You Are Not Alone】

自由課題。

パティーがゆっくりと話し始めると、そのはっきりした発音をしっかり聞き取ることができる。彼女がこの時期、「You are not alone(あなたがたは、一人ではありません)」とゆっくり語るとき、それは重みを持ったメッセージとして伝わる。しっかりとしたメッセージを持ち、選ばれた言葉によってきっちり心を込めて語る人の言葉は胸にくる。日本の政治家に今もっとも必要とされることでもある。最後おなじみの「タイム・アフター・タイム」のイントロで、パティーがいつになく長めのナレーションをいれたときのことだった。

パティーは銀色のドレス、タックは銀色のスーツ。ステージにはおしゃれな花束にピンスポットが当たっている。タックはほぼ直立不動でひたすらにギターを爪弾く。そして、パティーはそれにあわせて歌う。この二人だけが作り出す世界が会場を愛にあふれる音楽で覆いつくす。本当に世界で彼らだけ、ワン・アンド・オンリーのタック&パティーの音空間。

この日2曲目で長いイントロからスティーヴィーの「アナザー・スター」が歌われたのは驚いた。なかなかめったに聴けない1曲。ブルーノートのセットリストも、ファーストとセカンドでかなり違う。それを見てもわかるように、彼らは事前にまったくセットリストを決めていない。タックでさえも、次の曲を知らない。次の曲を決めるのは、ステージのパティーだ。

ではどうやって次の曲を演奏するのか。タックによれば、「パティーが曲名を耳打ちすることもあるし、いきなり歌い出すこともある。そういうときは、最初の単語で曲名がわかるので、それを弾きだす。でも、『ラヴ』なんて単語で始まる楽曲は12曲以上あるから、どれだかわからなくなって、パニックになることもあるけどね。(笑) すぐ立て直すよ」と言う。

この日もセットリストが少しわからないところがあったので、セットリストを教えてください、と尋ねたら、「事前にはない。でも、すぐに書き出せるわよ」とパティー。僕のメモと照らし合わせて、完成した。

面白かったのは、5曲目の「イン・ザ・ネーム・オブ・ラヴ」。これがわからなかったが、ケニー・ランキンの曲だそう。なんとまだレコーディングしていないが、火曜日のコットンクラブでのステージから何度か試しにやってみた、という。今週初めて歌ってみた曲だという。いずれ、固まったら、レコーディングするかもしれないそうだ。

レパートリーは、たぶん2-300曲はあるという。「パティーの歌詞の記憶力は素晴らしいよ。僕は長い間やってない曲だと、わからないところがあったりするけど、改めて聴いて、メロディーが頭の中で鳴れば大丈夫だ」とタック。

インストゥルメンタルの「マノンナッシュ」という曲は20年以上やっていなかったが、知り合いにやったらどうだと言われ、CDを聞いて今回、試しに久しぶりにやったとステージで言っていた。

「タイム・アフター・タイム」はナレーションから歌を歌い切るまで16分以上の超大作になっていた。

アンコールで歌われた「ドリーム」の最後では、なんと「夢はかなう」と日本語も混ぜて歌った。2-3年前からやっている。

彼らのステージも二度と同じステージはない。たった二人で繰り広げる世界は白いキャンヴァスに何でも描ける究極の自由課題だ。

(この項、つづく。明日は、「タイム・アフター・タイム」の誕生秘話と訳詞をご紹介します)

■ ユーチューブ映像

ケニー・ランキンの「イン・ザ・ネーム・オブ・ラヴ」(シングルヴァージョン)



http://youtu.be/UBeN2cie_3Y

アルバム・ヴァージョン


http://youtu.be/tzXTUk4TfSg

タック&パティーの18番、「タイム・アフター・タイム」



http://youtu.be/UZC8J5oX1pg

■ 過去記事

2010年05月09日(日)
タック&パティー:愛の常設店
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10529460212.html

2008年06月27日(金)
タック&パティー・ライヴ~愛に包まれて
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20080627.html

January 09, 2006
Tuck & Patti Control Time & Space
http://blog.soulsearchin.com/archives/000756.html

2003/05/14 (Wed)
The Moment of Truth: Tuck & Patti Sung for Me
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200305/diary20030514.html

【1994年11月28日・青山ラス・チカス】
タック&パティー・ライヴ『感動のリサイクル・マシン』
http://www.soulsearchin.com//entertainment/music/live/tuck19941128.html

■ タック&パティー ベスト

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■ メンバー
Tuck Andress (Guitar)
Patti Cathcart (Vocal)

セットリスト
Setlist : Tuck & Patti

Show started 20:52
01. Foggy Day [Gershwin]
02. Another Star [Stevie Wonder]
03. Ready To Love
04. One For All
05. In The Name Of Love [Kenny Rankin]
06. Love Is The Key
07. Manonash (instrumental, Tuck Guitar Solo)
08. Europe (instrumental, Tuck Guitar Solo)
09. Castles Made Of Sand [Jimi Hendrix]
10. Time After Time [Cyndi Lauper]
11. Dream
Show ended 22:25

(2011年5月24日日曜、ブルーノート東京、タック&パティー・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Tuck & Patti

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