2011年04月20日(水) 20時30分00秒
soulsearchinの投稿
★△『プラネットC(癌惑星)を歩いて』 ナイル・ロジャーズ著 第93回(2011年4月20日)
テーマ:Walking On Planet C
★△『プラネットC(癌惑星)を歩いて』 ナイル・ロジャーズ著 吉岡正晴訳
第93回(2011年4月20日)
【Walking on Planet C by Nile Rodgers 】
闘病記。
2011年1月に癌手術を行ったナイル・ロジャーズ。彼が以来毎日その癌闘病記を書いています。題して「ウォーキング・オン・プラネットC~プラネットCを歩いて(癌惑星を歩いて)」。ソウル・サーチン・ブログでは、ナイル本人の了承を得て、日本語に翻訳し、写真なども同じものを掲載しています。1回目以降、全エントリーが次のファイルにあります。
http://ameblo.jp/soulsearchin/theme-10032211060.html
原文の更新は20日日本時間午後5時50分。
【Walking on Planet C by Nile Rodgers 】
第93回 ホテルにて
#93 In The Hotel
Written on Tuesday, 19 April 2011 15:44 by Nile Rodgers (New York Time)
(Japan Standard Time, 20 April 2011 04:44)(uploaded 17:50)
Translated by Yoshioka Masaharu, The Soul Searcher
http://nilerodgers.com/blog/planet-c-blog-roll/320-walking-on-planet-c-in-the-hotel#disqus_thread
起きたときベッドでどんな顔をしているか
日本での最後のショーの朝、起きたときベッドでどんな顔をしているか自分で見てみたいと思った。目覚ましが鳴る時刻にあわせてカメラをセッティングし、自分を撮影してみた。読者のあなたはこの顔を見てどう思われるだろうか?(年老いた見苦しい男へのジョークは最小限にとどめておいてほしい)
今日、大阪は寒かった。そこでいつもの治療のためのウォーキングはホテル内で行った。
日本に来て以来、「癌惑星を歩いている」多くの仲間と会った。(癌に侵されて人生を送っている人たちだ) いつ死神(ミスター・デス)とラストダンスを踊るのかなど、誰にもわからないものだ。だが、癌の犠牲者は、人生に対する考え方を変えた人々だ。僕たち患者は、様々な方法で癌と闘う。しかし、「癌特有のクレイジーな思い、考え方」は、みな共通だ。
僕はとりあえず癌消滅と言われているが、ブログには書ききれないほどの無数の術後症状に悩まされている。その症状が重くなくても、少し具合が悪くなったりするだけで、いつでもその「癌特有のクレイジーな思い」が頭をよぎってしまう。
エクソサイズに向かうために部屋を出るとき、僕は「スキヤキ(上を向いて歩こう)」を歌った。僕たちは、この曲を日本の震災犠牲者のために捧げて毎晩歌っている。
左・「スキヤキ」、右・被災地で活躍する人々
僕は世界中のあらゆる分野の素晴らしいアーティストを知っている。
エクソサイズをしていると、新しい友人平野綾がテレビに出ているのを見た。彼女はすばらしい声優で歌手だ。誰かが、最近彼女に対して辛らつな批判と脅しがあったと教えてくれた。多くの人が手を取りあって、日本を強い国に復興しようとしているときに、そういう話を聞くと悲しくなる。
左・平野綾と僕、右・ドナルド・トランプとクリスティーナ・オクセンバーグとイタリアでディナー
1979年、同じようなことが僕の身にも起きた。脅しと辛らつな批判がいわゆる「ディスコはもう終わったDisco Sucks」ムーヴメント(訳注1)の中で、シックの存在を抹殺した。
ショービジネスの世界にひとたび足を踏み入れると、アーティストの人生は批判にさらされることになる。アーティストは、自分たちが人々の気持ちをよくしているという良いニュースを聞きたがるものだが、一方でファンには、悪いと思ったらそのことを言う権利もある。
たぶん、僕は綾の状況を完全には理解していないと思うが、しかし、アーティストというものは、いつも人々をエンタテインしようとするものだ。そして、僕たち(アーティスト)の家族的な生活は相当犠牲を強いられている。この仕事ゆえに、僕たちはほとんどの人生をホテルの中で過ごしているのだ。
(訳注1)「ディスコ・サックス・ムーヴメント」。レコード業界が、1978年、映画『サタデイ・ナイト・フィーヴァー』の大ヒットが終わると、それがひとつのピークになったかのように、それまでのディスコ大ブームに飽きて、急に「ディスコは古い、ディスコは終わった」といった風潮になった。その結果、ディスコ・ヒットを放っていたアーティストに対していきなり逆風が吹き、レコードが売れなくなってしまった、そのような動き全般を「ディスコ・サックス・ムーヴメント」(直訳的には、ディスコ、くそくらえ)と呼ぶ。1979年後半からその動きが顕著化した。シックは、当時ディスコ・アーティストとして捉えられていたために、その逆風をもろに受けて、レコードが売れなくなった。
左・ホテル・ライフ、右・デイヴィッド・ボウイ
左・エリック・ベネイと、右・エリック・クラプトン
左・マーク・ロンソンとQティップスのRZA、右・スラッシュと
左・左からトミー・フィルフィガー、トニー・ベネット、僕、右・「ディスコは終わった」ムーヴメント
Walking on Planet C>93>In The Hotel
第93回(2011年4月20日)
【Walking on Planet C by Nile Rodgers 】
闘病記。
2011年1月に癌手術を行ったナイル・ロジャーズ。彼が以来毎日その癌闘病記を書いています。題して「ウォーキング・オン・プラネットC~プラネットCを歩いて(癌惑星を歩いて)」。ソウル・サーチン・ブログでは、ナイル本人の了承を得て、日本語に翻訳し、写真なども同じものを掲載しています。1回目以降、全エントリーが次のファイルにあります。
http://ameblo.jp/soulsearchin/theme-10032211060.html
原文の更新は20日日本時間午後5時50分。
【Walking on Planet C by Nile Rodgers 】
第93回 ホテルにて
#93 In The Hotel
Written on Tuesday, 19 April 2011 15:44 by Nile Rodgers (New York Time)
(Japan Standard Time, 20 April 2011 04:44)(uploaded 17:50)
Translated by Yoshioka Masaharu, The Soul Searcher
http://nilerodgers.com/blog/planet-c-blog-roll/320-walking-on-planet-c-in-the-hotel#disqus_thread
起きたときベッドでどんな顔をしているか
日本での最後のショーの朝、起きたときベッドでどんな顔をしているか自分で見てみたいと思った。目覚ましが鳴る時刻にあわせてカメラをセッティングし、自分を撮影してみた。読者のあなたはこの顔を見てどう思われるだろうか?(年老いた見苦しい男へのジョークは最小限にとどめておいてほしい)
今日、大阪は寒かった。そこでいつもの治療のためのウォーキングはホテル内で行った。
日本に来て以来、「癌惑星を歩いている」多くの仲間と会った。(癌に侵されて人生を送っている人たちだ) いつ死神(ミスター・デス)とラストダンスを踊るのかなど、誰にもわからないものだ。だが、癌の犠牲者は、人生に対する考え方を変えた人々だ。僕たち患者は、様々な方法で癌と闘う。しかし、「癌特有のクレイジーな思い、考え方」は、みな共通だ。
僕はとりあえず癌消滅と言われているが、ブログには書ききれないほどの無数の術後症状に悩まされている。その症状が重くなくても、少し具合が悪くなったりするだけで、いつでもその「癌特有のクレイジーな思い」が頭をよぎってしまう。
エクソサイズに向かうために部屋を出るとき、僕は「スキヤキ(上を向いて歩こう)」を歌った。僕たちは、この曲を日本の震災犠牲者のために捧げて毎晩歌っている。
左・「スキヤキ」、右・被災地で活躍する人々
僕は世界中のあらゆる分野の素晴らしいアーティストを知っている。
エクソサイズをしていると、新しい友人平野綾がテレビに出ているのを見た。彼女はすばらしい声優で歌手だ。誰かが、最近彼女に対して辛らつな批判と脅しがあったと教えてくれた。多くの人が手を取りあって、日本を強い国に復興しようとしているときに、そういう話を聞くと悲しくなる。
左・平野綾と僕、右・ドナルド・トランプとクリスティーナ・オクセンバーグとイタリアでディナー
1979年、同じようなことが僕の身にも起きた。脅しと辛らつな批判がいわゆる「ディスコはもう終わったDisco Sucks」ムーヴメント(訳注1)の中で、シックの存在を抹殺した。
ショービジネスの世界にひとたび足を踏み入れると、アーティストの人生は批判にさらされることになる。アーティストは、自分たちが人々の気持ちをよくしているという良いニュースを聞きたがるものだが、一方でファンには、悪いと思ったらそのことを言う権利もある。
たぶん、僕は綾の状況を完全には理解していないと思うが、しかし、アーティストというものは、いつも人々をエンタテインしようとするものだ。そして、僕たち(アーティスト)の家族的な生活は相当犠牲を強いられている。この仕事ゆえに、僕たちはほとんどの人生をホテルの中で過ごしているのだ。
(訳注1)「ディスコ・サックス・ムーヴメント」。レコード業界が、1978年、映画『サタデイ・ナイト・フィーヴァー』の大ヒットが終わると、それがひとつのピークになったかのように、それまでのディスコ大ブームに飽きて、急に「ディスコは古い、ディスコは終わった」といった風潮になった。その結果、ディスコ・ヒットを放っていたアーティストに対していきなり逆風が吹き、レコードが売れなくなってしまった、そのような動き全般を「ディスコ・サックス・ムーヴメント」(直訳的には、ディスコ、くそくらえ)と呼ぶ。1979年後半からその動きが顕著化した。シックは、当時ディスコ・アーティストとして捉えられていたために、その逆風をもろに受けて、レコードが売れなくなった。
左・ホテル・ライフ、右・デイヴィッド・ボウイ
左・エリック・ベネイと、右・エリック・クラプトン
左・マーク・ロンソンとQティップスのRZA、右・スラッシュと
左・左からトミー・フィルフィガー、トニー・ベネット、僕、右・「ディスコは終わった」ムーヴメント
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