2011年04月19日(火) 00時01分00秒 soulsearchinの投稿

★ ナイル・ロジャーズ『ソウル・ブレンズ』に登場 (パート1)

テーマ:アーティスト関連
★ ナイル・ロジャーズ『ソウル・ブレンズ』に登場 (パート1)

【Nile Rodgers Talks On Soul Blends ; Chat With Same Cool People】

2度目。

来日中のナイル・ロジャーズが、2011年4月17日、『ソウル・ブレンズ』(インターFM、関東地区)http://radiko.jp/player/player.html#INT (日曜午後1時~3時)に、ゲストで登場してくれた。午後1時20分から約70分スタジオにどっしりと座り、いろいろな話をしてくれた。ナイルが同番組に登場したのは、2004年5月16日以来2度目。

ナイルがやってくるというので、彼におみやげを用意。ひとつは、「神風」と「必勝」というハチマキ、そしてもうひとつは「本日の主役」とタスキだ。これをかけて、ラジオにでてもらった。「必勝」は彼の癌闘病に勝つように、また、その癌を打ち破る「神風」が吹くように、という祈りをかけて。これは、Divine Wind(神の風)と「should win, must win」と説明した。

$吉岡正晴のソウル・サーチン
本日の主役 (Today's starring role)

マーヴィンにも、「日本一の司会者」というタスキをプレゼントした。けっこう、マーヴィンにも受けていた。

さて、リスナーからの質問も含めいくつかのやりとりをご紹介しよう。当日、生放送では半分も訳しきれていなかったので、これで概要がおわかりになると思う。

マーヴィン。「簡単なバイオを紹介してください」

ナイル。「ハイスクールを出てすぐ、セサミ・ストリートのバンドをやって、それからアポロ・シアターでのハウスバンドをやった。セサミ・ストリートのプロデューサーの夫がアポロのマネージャーだったからだ。それから元パートナーのバーナード・エドワーズと一緒に、ニューヨーク・シティーというグループのバックバンドをやった。ちゃんとしたお金を貰えたのはこれが初めてだった。「アイム・ドゥーイン・ファイン・ナウ」というヒットが出た。このヒットが出たおかげで、世界中を旅することができた。その頃、いろいろなミュージシャン、アーティストに出会った。たとえば、ロクシー・ミュージック、彼らからは本当に大きなアイデアを得た。ジェフ・ベック、デイヴィッド・ボウイなどなど。まさに(自分の音楽)世界が広がったんだ。旅から戻って、僕たちはシックを結成したというわけだ」

ナイル。「レコード契約を取る前に1年ほどかかった。注目されたのは、『ダンス・ダンス・ダンス』なんだけど、最初に録音したのは『エヴリバディー・ダンス』だった。ここでやっているのは、みんな友人たちだ。当時『ヤング・アメリカンズ』でデイヴィッド・ボウイのコーラスをやっていたルーサー・ヴァンドロスなどだ。僕たちは、あらゆるプロの連中を集めて、お互い、なんとかそれぞれががんばって協力し助け合って、最初の契約やヒットを出そうとしていた。『ダンス・ダンス・ダンス』は、アメリカのダンス・チャートでナンバーワンになった。たぶん、ポップでもトップ5、トップR&Bにもなっただろう。それから、次に僕たちはシックのリード・シンガー、ノーマ・ジーン・ライトのレコードを作った。そのころアトランティック・レコードは、僕たちにローリング・ストーンズやベット・ミドラーをプロデュースさせようとした。だけど、その頃まだ一度もスーパースターと一緒に仕事をしたことがなかった。今までは、僕らの仲間内の作品だけを作ってきた。そこで、僕たちはそんなオファーの中からシスター・スレッジを選んだ。僕たちは説明した。僕らは誰でもプロデュースできる。だが、無名のアーティストを選びたい。ちょっとエゴステカルかもしれないけれど、僕たちのソングライターとしての能力はかなりあると思っていた。いい曲を書き、いいアイデアを生み出せる。シスター・スレッジのコンセプトは、僕たちが生み出したものだった。僕らは彼女たちにレコーディングの日まで会ったことがなかった。彼女たちの過去曲も聴いたことはなかった。彼女たちがスタジオに入ってきた瞬間もまだ、僕たちは『ウィ・アー・ファミリー』の歌詞を書いていたほどなんだ。(笑)」

マーヴィン。「今まで誰があなたに影響を与えたか」

ナイル。「今まで一緒に仕事をしてきたアーティストすべてだ。僕たちはとてもラッキーで、シック・キャンプ以外で初めててがけたスーパースターがダイアナ・ロスだった。ダイアナから、ボウイから、マドンナ、デュラン・デュラン。みんな僕にとってのインスピレーションだよ」

CMをはさんで、リスナーからの質問。

チーちゃん。「持っているギターの数は? ギター用の家をお持ちなんでしょう」 

「イエス、ギター・ハウスがある。数は2-300かな。正確にはわからない。ときどき、誰かに上げたりしてしまうんだ。ときどき、あまりに多すぎてやになってしまうんだ。(笑) ギターはすべて素晴らしく、それは弾かれなければならないからだ。ときどきそのギター・ハウスに行って、何時間もギターを弾きまくったりするんだ。いくつかはチャリティーなんかに寄付したりする」

マーヴィン。「そういうギターには、たとえば、スーザンとかベティーと言った名前はあるんですか(笑)」

ナイル。「ははは。スーザンもベティーもいるけど(笑)、ある一本のギターに『ヒットメイカー』と名づけている。1973年に買ったもので、いくらで買ったかはわからない。実はキャッシュを払ってないんだよ。というのは、僕が当時持っていたジャズ・ギターとそれを交換したからなんだ。しかも、相手はギターのほかにさらに300ドルをつけてくれた。たぶん、そのジャズ・ギターは相当高価なものだったんだろうね。そうやって手に入れた『ヒットメイカー』は、そうだな、わからないけど、3ビリオン・ダラー(30億ドル=莫大な)の売り上げに結びついたことになる」

吉岡。「ダンス・ダンス・ダンス」の中で、「ヤワザ・ヤワザ・ヤワザ」という掛け声がありますが、これはどこからでてきたのですか」


相当昔のナイルとバーナード。1977年ごろ。

ナイル。「1929年、大恐慌が起こったときに、お金を集めるためにチャリティーのダンス・マラソンが行われた。ダンサーたちは、何日も昼夜ぶっ通しで踊り続け、しまいには眠ってしまう。そんなダンス競争の最中にMC(司会者)が、地元のコマーシャルとして、『ヤウザ・ヤウザ・ヤウザ』ってやってたんだけど、それが眠りそうなダンサーたちを起こす掛け声にもなったんだ。(マーヴィンが真似る) そう、その通り。彼らがメガフォンを使って大きな声でやっていた。(ウェイク・アップ・ウェイク・アップ、起きろ、起きろ、といった意味にもなった) 基本的には、(会社の)CMみたいなものだよ」

(訳注、また、この「ヤウザ」はアメリカ・ブラックのスラングで、「イエス」の意味で使われるという。「イエス・イエス・イエス」という感じだ。1920年代にDJでジャズ・ヴィオリニストでラジオDJでもあったベン・ベニーが使い始めた言葉)

ナイル。「これを使うときもそうだったんだけど、みんなにシックのコンセプトを理解して欲しいと思った。僕たちのサウンドはモダンなダンス・ミュージックだけど、オールド・ファッションな部分も携えているんだ。この音楽はカウント・ベイシー、デューク・エリントンなど昔の巨匠たちの音楽をベースにしている。彼らは後にカウントとかデュークだけでみんなに知られるようになる。僕たちが生まれる前からのブラック・マスターたちへの僕たちからのトリビュートの意味合いがあるんだ。歌詞もそうしたところを反映してるよ」

「ウィ・アー・ファミリー」基金について。



ナイル。「このウィ・アー・ファミリー基金は、2001年の911事件の後に始めた基金だ。あの日、貿易センタービルに突っ込んだ最初の飛行機に、なんと僕の友人が3人乗っていた。一人は以前僕の写真家だった女性で、(レコード会社の)ワーナーの重要な人物も2人乗っていた。それ以後、あの時期モスリム風の連中に冷たい視線が集まるようになった。実際僕もこうやってバンダナをしたりして、それ風に見えることだってあったからね。この基金を始めたのは、人々を癒すためだった。多くの人に言われたのが、『ウィ・アー・ファミリー』をリリースして、その売り上げを寄付したらどうだ、ということだった。そこで、この曲の幅を広げるべくいろいろやった。僕は『セサミ・ストリート』から自分のキャリアを始めていたので、子供たちにも参加して欲しいと思った。そこで、子供ヴァージョンを録音した。そのあたりから、この組織が回り始めたんだよ」

ナイル。「世界中の子供たちが参加してくれたり、スパイク・リーがすばらしいビデオを作ってくれたりしている。最初にこの『ウィ・アー・ファミリー』を作るときは、まだ彼女たち(シスター・スレッジ)には会ってなかった。レコード会社の人間と話をしたときのちょっとしたメモだけを頼りに彼女たちがどうあるべきか、そんなことを想像しながら曲を作った。彼(レコード会社の人間)によれば、彼女たちと僕たち(レコード会社)はファミリーみたいなもので、彼女たちはメンバー全員で一緒に(レコード会社のある)ビルにやってきて、絆が強い、みたいなことを言っていた。そこでそれを元に、曲を作ったんだ。そして、今ではナショナル・アンセム(国歌、賛歌)のようになった」

吉岡。リスナーから。「この厳しい時期に日本に来ていただいてありがとうございます。ここ、日本に来ると、この地で亡くなったバーナード・エドワーズのスピリットや魂を感じることはありますか」

ナイル。「もちろんだ。今回来日するにあたって、あらゆる友人たちが、(日本に)行くな、行くな、と言っていた。大変なことがたくさん起こってるぞ、と言っていた。テレビのニュースなどでも、地震のこと、津波のこと、放射能のことなど膨大なニュースが流れていた。そんなニュースを見ていると、まるで北海道がなくなってしまったのではないかと思わせられたほどだ(笑)。そこで日本の北部に住んでいる友人に連絡してみると、その友人は癌になった僕のことを心配してくれた。彼らは自分たちのことを心配しなければならないのに、僕のことを心配してくれてとても感激した。だけども、彼らも僕に日本に来て、いいスピリットといいファンクを見せて欲しいとも言った。僕はいつもこの時期に日本にやってくる。それはバーナードのためだ。今年は彼が亡くなってちょうど15周年になる。そんなときに、日本に来ないなんて僕にとってはありえない、ということだ。たとえ、バンドのメンバーが日本に来ることを恐れて誰も来なかったとしても、僕は一人で来て、ステージに立って、『ウィー・アー・ファミリー』(節をつけて)って歌っていったよ。ステージでも言ったことだけど、ニューオーリンズの葬儀では、最初はみな悲しんでいるけど、最後には、みんなパーティーになっている。そんな感じだな」

『エヴリバディ・ダンス』のアルバムの話を少し。マドンナやデイヴィッド・ボウイの事務所に連絡して、ぜひ、楽曲の使用を許諾してくれと頼んだ話など。「バーナードの15周年だから、ぜひお願いします」と頼んだとナイルは説明した。

(つづく)

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◎ ギター・コンテストと謝辞

【Guitar Contest & Shout Out】

感謝。

4月17日のライヴでは、ユーチューブで予選を通過したギター奏者たちの「ル・フリーク・ギター・コンテスト」が行われ、5人と昨年の優勝者が演奏を披露、タイラギ・ラギ・ヒロタカさんが優勝した。

この日のギター・コンテストのMCケイ・グラントさんが、ベイFMのDJ,
伊津野亮さん、JウェイヴのDJ、ジョン・カビラさんらを紹介した。

また、恒例フォト・セッションの後、ナイルはこんなことを言ってくれた。

「ちょっとシャウト・アウトしておきたいんだ。My boy, ソウル・サーチャーはどこかにいるかな。素晴らしいライターで、レギュラージョブの傍ら、彼は毎日僕のブログを日本語に翻訳してくれている。ニューヨークタイムの朝5時のブログをね。Thank you Masa, I appreciate that」

わざわざシャウト・アウトしてくれて、ありがとう、ナイル。Thank you for shout out, Nile.

■メンバー

ナイル・ロジャーズ(ギター、ヴォーカル)Nile Rodgers(g,vo)
キンバリー・デイヴィス-ジョーンズ(ヴォーカル)Kimberly Davis-Jones(vo)
フォラミ(ヴォーカル) Folami(vo)
ビル・ホロマン(サックス)Bill Holloman(sax)
スティーヴ・ヤンコウスキ(トランペット)Steve Jankowski(tp)
リッチ・ヒルトン(キーボード)Rich Hilton(key)
セラン・ラーナー(キーボード)Selan Lerner(key)
ジェリー・バーンズ(ベース)Jerry Barnes(b)
ラルフ・ロール(ドラムス)Ralph Rolle(ds) AKA David Bowie of Chic Organization

■ セットリスト ブルーノート
Setlist : Nile Rodgers & Chic @Bluenote Tokyo, April 17,2011

show started 19:05
01. Hangin’
02. Everybody Dance
03. Dance, Dance, Dance (Yowsah, Yowsah, Yowsah)
04. Sukiyaki (Kim) ~ I Want Your Love (a riff of I Want To Take You Higher)
05. Medley: (5-8) I'm Coming Out (Folami)
06. Upside Down
07. He's the Greatest Dancer
08. We Are Family
09. Soup For One ~ Lady ~ Soup For One
10. Like A Virgin (Folami)
11. Let's Dance (Ralph Rolle on vocal)
12. Thinking Of You
>Guitar Contest
13. Chic Cheer
14. My Forbidden Lover ~ a riff of “Crazy In Love”(Beyonce)
15. Le Freak
>Photo Session
16. Goodtimes ~ Rapper's Delight ~ Goodtimes
Enc. Hangin
show ended 20:50

(2011年4月17日日曜、ブルーノート東京、ナイル・ロジャーズ&シック・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Rodger, Nile & Chic Organization
2011-

コメント

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1 ■感謝デス!!

吉岡先生!
ボクの名前がソウルサーチンに出てくるなんて
感無量です。
いつも素敵な笑顔を有り難う御座います。

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