2011年03月27日(日) 00時01分00秒 soulsearchinの投稿

★△ナイル・ロジャーズ・ブログ 第62回(3月20日)~第66回(3月24日)

テーマ:Walking On Planet C
★△プラネットC(癌惑星)を歩いて ナイル・ロジャーズ著 

【Walking on Planet C by Nile Rodgers 】

『プラネットC(癌惑星)を歩いて』 ナイル・ロジャーズ著 吉岡正晴訳

闘病記。

ナイル・ロジャーズの癌闘病記、「ウォーキング・オン・プラネットC~プラネットCを歩いて」、2011年3月20日~3月24日分、写真・キャプション、ユーチューブ、訳注付き。

前回までのブログ、写真、ユーチューブ映像などはソウルサーチンの本サイト、ブログhttp://ameblo.jp/soulsearchin/ をごらんください

このブログは、ナイル本人の了承を得て、日本語に翻訳し、写真なども同じものを掲載しています。第1回から http://ameblo.jp/soulsearchin/theme-10032211060.html のファイルにアーカイブが所蔵されています

【Walking on Planet C by Nile Rodgers 】

第62回 日本と僕の復活
#62 Better Than Before

Written on Sunday, 20 March 2011 03:50 by Nile Rodgers
(Japan Standard Time, 20 March 2011 16:50)
Translated by Yoshioka Masaharu, The Soul Searcher
http://nilerodgers.com/blog/planet-c-blog-roll/288-walking-on-planet-c-better-than-before

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ストレッチは嫌いな運動だが、今朝は大爆笑

ストレッチは嫌いな運動にもかかわらず、今朝は笑いが止まらなかった。ちょうどバーナードのインタヴューを見終えて、大爆笑したのだ。

バーナードがグループの解散と再結成について語っていた。彼は、僕たちが別居期間中も常に二人の間には愛があり、再結成したとき、「まるで(その間)何もなかったように、笑い始めた」と言っている。これはそれでも「世紀の過小評価」だ。そんなものではない。僕たちは(そのとき笑い始めたのではなく)四六時中爆笑していた。何でそんなに笑ってばかりいたのかはわからないのだが。

癌と診断されて以来、根治手術をし、今、癌が消滅し、僕は今まで以上に人生を満喫し、愛に感謝し、笑っている。

日本の友人が今日、こんなメーセージを送ってくれた。彼女は僕が襲われたこの事件でどれほど落ち込んでいるかを知っているからだ。「740年前から、日本にはこんな叡智に富んだ言い伝えがあります。『大悪起これば大善きたるー』」(悪いことが起こったら、その後にいいことがある、という言い伝え)(註1)

バーナードと僕が会わなくなったとき、本当に最悪だと感じた。(大悪) だが、また縁りを戻したとき、以前にも増して良い感じになった。(大善) そう、日本も以前よりも絶対に良くなるだろう。

(註1)この原文の前には「大事には小瑞なし(大きなことが起きる前には小さな前触れは起きない)」とある。これが転じて、「大きないいことの前には小さな前触れはない」とも読める。

++++

第63回 あのオールド・スクールの感覚よ、もう一度
#63 That Old-School Feeling Again

Written on Monday, 21 March 2011 03:50 by Nile Rodgers
(Japan Standard Time, 21 March 2011 16:50)
Translated by Yoshioka Masaharu, The Soul Searcher
http://nilerodgers.com/blog/planet-c-blog-roll/289-walking-on-planet-c-that-old-school-feeling-again

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ウォーキングにでるとき歌っていたのは「アイ・ウォナ・ダンス」

朝のウォーキングに出るときル・クリブ・スタジオ(註1)で歌っていたのは「アイ・ウォナ・ダンス」だった。これはシック・オーガニゼーションとクール&ザ・ギャングが一緒に録音した新曲だ。

僕たちは一緒に曲を書き、プロデュースした。これは本当の意味でのコラボレーションで、レコーディング中はあのオールド・スクール(「昔懐かしい」と、音楽スタイルとしての「オールド・スクール」をかけている)な感覚が蘇った。

僕はいわゆるメインストリーム(主流、メジャーな)の音楽業界からずっとドロップアウトしている。もはや今の業界には何も興奮するところがないからだ。かつて夢に描いたことは自分でもほとんどすべて実現してしまった。

癌を生き延びてから人生観が変わった。死の淵を彷徨(さまよ)ったとき、自身が愛してきた多くのものを思い浮かべた。そして、たとえ、それが1回限りだとしても、あのオールド・スクールの感覚でレコードを作りたいと思った。

僕はこれまでに一度も、成功というものを自分が売ったレコードの枚数で評価したことはなかった。僕は、その作品作りから学べるものによって評価している。作品作りとはつねに、僕がスタジオで感じたものをいかに一般に伝えられるか、それを見極める実験とも言える。

ナイル・ロジャーズの『エヴリバディー・ダンス!』のアルバムに収められている作品群はすでに大成功を収めたものばかりだ。そこに実験的なボーナス・トラック「アイ・ウォナ・ダンス」が収録されているが、それはここに収められている他の曲が醸し出す「あのオールド・スクールの感覚よ、もう一度」と同じ感触を与えてくれる。

(註1)ナイルがコネチカット州に持っている自宅スタジオ。

4月に日本で先行発売されるエヴリバディ・ダンス!
のジャケットとインナー・デザイン (アマゾンで予約可↓)

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第64回 人生は素晴らしく、予期できない
#64 Life Is Beautiful and Unpredictable

Written on Tuesday, 22 March 2011 03:50 by Nile Rodgers
(Japan Standard Time, 22 March 2011 16:50)
Translated by Yoshioka Masaharu, The Soul Searcher
http://nilerodgers.com/blog/planet-c-blog-roll/290-walking-on-planet-c-life-is-beautiful-and-unpredictable

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人生とは素晴らしきもの、そして、予期できぬもの

人生とは素晴らしきもの、そして、予期できぬもの。

まさに初めて春満開になった一日だった。だが、雪が降った。信じられない。僕はウォーキングを終えたが、外に出て、今シーズン最後の雪を楽しむべく、もう一度外に出てみた。

まるで童心に返ってか、あるいは、癌から生き延びたから、それともその両方の理由で、はしゃいでいるのか。たぶん両方だと思う!

人生で多くのことをやってきた。そしてこれからもまだたくさんやりたいことがある。まさに、人生とは素晴らしきもの、そして、予期できぬものだ。

癌告知以来、右手の筋力が失われることに最大の恐怖を感じていた。今、ほぼそれは100パーセントまで戻り、東京で逝去したバーナード・エドワーズの15周年を記念するコンサートに日々近づいている。

日本に行きたい、プレイをしたい、歌いたい、「アイ・ウォナ・ダンス(踊りたい)」。

人生とは素晴らしきもの、そして、予期できぬもの。

4月に日本で先行発売されるエヴリバディ・ダンス!
のジャケットとインナー・デザイン(アマゾンで予約可↓)

エヴリバディ・ダンス!吉岡正晴のソウル・サーチン-wopc-48_04cover_c.jpg 

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ナイル・ロジャーズ著 第65回(3月23日)

【Walking on Planet C by Nile Rodgers 】

第65回 たまには過去を訪れて
#65 A Nice Place to Visit

Written on Wednesday, 23 March 2011 03:50 by Nile Rodgers
(Japan Standard Time, 23 March 2011 16:50)
Translated by Yoshioka Masaharu, The Soul Searcher
http://nilerodgers.com/blog/planet-c-blog-roll/291-walking-on-planet-c-a-nice-place-to-visit

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僕は昔のあの頃がどれほど楽しかったに思いを寄せた

朝のウォーミング・アップをしている間、僕は昔のあの頃がどれほど楽しかったに思いを寄せた。僕の人生は、ライヴ・ミュージック(生演奏の音楽)に囲まれていた。それは本当に「グッド・タイムス(いい時代)」だった。ある程度、今もそうであればと思う。ただ僕は過去にしがみつこうというのではない。過去を、振り返って訪ねてみるのもいいものだと、言っているのだ。

2010年10月27日、悪性の癌と診断されて以来、もうあまり長くはライヴ・ミュージックをプレイできないだろうと思った。だが、僕には優秀な医師団がいて、強力な幸運が味方につき、素晴らしい友達がいた。その結果、今日、僕は依然しっかりと生きてこの物語を語っている。

かつてのあの頃、どれほどパーティー三昧をしても、僕自身から僕を救ってくれたのは、音楽に対する純粋な気持ち、音楽への愛だった。まったく何もないところから、まとまったコンセプトを作り上げていくクリエイティヴな作業ほど、やりがいのあるものはそう多くはない。

僕はこの「アイ・ウォナ・ダンス」をクール&ザ・ギャングとともに出来たことをとても誇りに思っている。クールたちは、僕がティーンエイジャーだった頃から音楽的に意識してきた伝説的グループだからだ。だが、僕は過去にしがみつこうとしているわけではない。ただ、過去を振り返り、ときには訪ねてみるのもいいものだと言いたいのだ。

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シック&クール&ザ・ギャング「アイ・ウォナ・ダンス」 フル・ヴァージョン発表!!
オリジナルのサイトのビデオをごらんください

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左・ロバート・クール・ベル(クール&ザ・ギャング=以下K&Gベース)、右・ナイル・ロジャーズ(シック)

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左・ジョージ:ブラウン(ドラムス、キーボード、K&G)、右・リッチ・ヒルトン(キーボード、シック)

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左・ラルフ・ロール(ドラムス、シック)、右・カリース・ベル(サックス、ヴォーカル、K&G)

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左・デニス・トーマス(サックス、K&G)、右・ミリサ・ヒミネス(ヴォーカル、シック)

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左・ビル・ホロマン(サックス、シック)、右・キム・デイヴィス(ヴォーカル、シック)

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ナイル・ロジャーズ著 第66回(3月24日)

【Walking on Planet C by Nile Rodgers 】

第66回 可能な限り最高の人生
#66 The Best Life Possible

Written on Thursday, 24 March 2011 03:50 by Nile Rodgers
(Japan Standard Time, 24 March 2011 16:50)
Translated by Yoshioka Masaharu, The Soul Searcher
http://nilerodgers.com/blog/planet-c-blog-roll/292-walking-on-planet-c-the-best-life-possible#disqus_thread

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わかった。そうか、僕は間違っていたんだ。今朝、また雪が降った。だが言い訳をすれば、こうも言ったはずだ。「人生とは予期できぬもの」。

僕は自分が癌に侵されるとは決して予期できなかった。そして先週、検査で癌消滅の結果がでることも予期できなかった。

癌が「再発しない限りは癌消滅」だということは十分わかっている。癌消滅を維持するために、最大限努力はするが、それ以上に大事なのは「可能な限り最高の人生」を送るべく最大限努力することだ。僕にはそれしかなす術はないからだ。僕の身に起こったこと、周辺に起こったことを僕は直接的にはコントロールできない。僕がコントロールできるのは、そのことが起きたときに僕が対処することだけだ。

15年前、東京でバーナード・エドワーズが亡くなったとき、僕は「可能な限り最高の人生」を謳歌していた。僕が盟友であるベース奏者を失い、死がバーナードと僕を分かち、彼がギター奏者を失った後も、日本の人々はシック・オーガニゼーションを存続させる力を与えてくれた。僕たちが「ヒトミ・ナンバー1」あるいは、「ヒット・ミー(Hit Me)」と呼ぶ日本の特別なファンは、はるばるアメリカまで来てバーナードの全葬儀に参列してくれた。彼は今や、シック・オーガニゼーションの一員である。

僕はこれからもずっとバーナード・エドワーズ、トニー・トンプソン、ルーサー・ヴァンドロス、シック・オーガニゼーション、そして、日本の人々に感謝を捧げ、恩義を感じ続ける。彼らはみな、僕が「可能な限り最高の人生」を送るための意欲を授けてくれるのだ。

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上左・バーナード、上右・トニー・トンプソン、下ルーサー・ヴァンドロス

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