2010年12月31日(金) 00時01分00秒
soulsearchinの投稿
◎デニス・エドワーズ・テンプテーションズ~半世紀かけて培われる「形式美」
テーマ:ライヴ評・レポート
◎デニス・エドワーズ・テンプテーションズ~半世紀かけて培われる「形式美」
【Beauty Of Form Isn’t Only Skin Deep: Temptation’s Review】
形式美。
アル・マッケイにせよ、このデニス・エドワーズのテンプテーションズにせよ、長くひとつのことをやり続けているアーティストというのは、長い時間をかけてひとつの「型」を作り上げていて、それがひじょうに完成形に近いものになっている。
モータウン、アメリカを代表するナンバー・ワン・ソウル・ヴォーカル・グループ、テンプテーションズ。そのデニス・エドワーズ版。このところ毎年やってきて、毎回同じものを見るのだが、それでも飽きないというのは、山下達郎さんが口癖のように言う「いいものは何度見てもいいんです」という完成度の高い「作品」への思慕ではないかと思う。
バックバンド編成も同じ、テンプスの5人のメンバーも昨年と同じ。そして曲の流れもほぼ同じ。青のスーツに斜めに虹がデザインされているおそろいの衣装で、曲ごとに決まった振り付けをこなしながら、ショーを進める。この振り付けがいちいち決まっているところが、古くからのソウル・ヴォーカル・グループ・ファンにはたまらない。冒頭からアップテンポで曲をたたみかけ、ちょっとバラード「レイニー・ナイト・イン・ジョージア」などで箸休め。
今年の最大のハイライトは、その「レイニー…」の後に、デニス・エドワーズが、「今年、悲劇的なことに、アリ・オリ・ウッドソンが亡くなりました。ここで、彼が好きだった曲を歌って彼に捧げたいと思います」と神妙な面持ちで語り、アリの作った「サム・エンチャンテッド・イヴニング」というバラードを歌ったこと。
ショーの間は、何度か観客席に降り、観客とのやりとりもうまくこなす。客がうまく歌えれば拍手をし、いまひとつだと顔をしかめて、それはそれで笑いを取る。
マイクから離れてノー・マイクの生歌で熱唱するデイヴィッドの「アイ・ウィッシュ・イット・ウド・レイン」の一部。いつでもその振り付けがかわいい「ビューティー・イズ・オンリー・スキン・ディープ」。どんなにライヴ本数を重ねようとも、波があったとしても、ある程度、最低限のクオリティーは絶対に保つ。それが、結局一流ということなのだろう。
初代リードのデイヴィッド・ラッフィンを引き継いだデニス・エドワーズがグループに入ってからもその歴史は40年以上になる。歌唱、振り付け、観客とのコール&レスポンス、ほとんどトークなしの、間延びしない、無駄のない構成。観客に時が経つのを忘れさせる究極のエンタテインメント。この形式美は、まさに40年以上の歳月という時の試練を経て確立しているものだ。とても表面だけのものではない。Beauty of form isn’t only skin deep.
■ テンプテーションズ・レヴューは、12月31日のカウントダウンまで丸の内コットンクラブで
http://www.cottonclubjapan.co.jp/jp/
■ ベスト
DVD テンプテーションズのメンバーの1人オーティス・ウィリアムズが執筆した自伝『テンプテーションズ』(1989発売)をテレビ映画化した作品
■ 過去関連記事~テンプテーションズ、アリ・オリ・ウッドソン
2010年06月01日(火)
アリ・オリ・ウッドソン58歳で死去
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10550564987.html
2009年11月07日(土)
テンプテーションズ~ポール・ウィリアムス・ジュニアをフィーチャー
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20091107.html
December 25, 2008
テンプテーションズ&G.C.キャメロン
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20081225.html
December 27, 2008
テンプテーションズ・レヴュー・フィーチャリング・デニス・エドワーズ
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20081227.html
November 26, 2007
歴史
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20071126.html
November 27, 2007
【デニスとアリ・オリ、『ソウル・ブレンズ』にやってきた】
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20071127.html
November 28, 2007
【レジェンドとしてのテンプス】
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20071128.html
November 29, 2007
【アリ・オリ・アリ・オリに登場】
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20071129.html
■メンバー
ザ・テンプテーションズ・レヴュー・フィーチャリング・デニス・エドワーズ
Dennis Edwards(vo)
David Sea(vo)
Chris Arnold(vo)
Mike Pattillo(vo)
Paul Williams Jr.(vo)
Raymond Harris(tb)
David Camon(key)
Greg Dokes(key)
Luis Valle(tp)
川村裕司(sax)
Ric Archer(g)
James McKay(b)
Llewellyn Dunn(ds)
Thomas Finley(valet)
■セットリスト
Setlist : The Temptations Review Featuring Dennis Edwards @ Cotton Club, December 29, 2010
[ ] indicates first lead vocalist
Show started 20:01
01. Intro
02. Standing On The Top [Dennis]
03. Get Ready [Chris]
04. Ain’t Too Proud To Beg [David]
05. Lady Soul [David]
06. Don't Look Back [Paul]
07. Papa Was A Rolling Stone [David - Chris]
08. Rainy Night In Georgia [Mike]
09. Some Enchanted Evening [David]
10. Beauty Is Only Skin Deep [David]
11. The Way You Do The Things You Do [Chris]
12. I Wish It Would Rain [David]
13. Treat Her Like A Lady [Dennis]
Enc. My Girl [Dennis &David] ~ Just My Imagination [Chris] ~ Stay Till The Morning[Paul] ~My Girl [Dennis &David]
Show ended 21:13
(2010年12月29日水曜、丸の内コットンクラブ=テンプテーションズ・レヴュー・フィーチャリング・デニス・エドワーズ・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Temptations Review Featuring Dennis Edwards
2010-213
【Beauty Of Form Isn’t Only Skin Deep: Temptation’s Review】
形式美。
アル・マッケイにせよ、このデニス・エドワーズのテンプテーションズにせよ、長くひとつのことをやり続けているアーティストというのは、長い時間をかけてひとつの「型」を作り上げていて、それがひじょうに完成形に近いものになっている。
モータウン、アメリカを代表するナンバー・ワン・ソウル・ヴォーカル・グループ、テンプテーションズ。そのデニス・エドワーズ版。このところ毎年やってきて、毎回同じものを見るのだが、それでも飽きないというのは、山下達郎さんが口癖のように言う「いいものは何度見てもいいんです」という完成度の高い「作品」への思慕ではないかと思う。
バックバンド編成も同じ、テンプスの5人のメンバーも昨年と同じ。そして曲の流れもほぼ同じ。青のスーツに斜めに虹がデザインされているおそろいの衣装で、曲ごとに決まった振り付けをこなしながら、ショーを進める。この振り付けがいちいち決まっているところが、古くからのソウル・ヴォーカル・グループ・ファンにはたまらない。冒頭からアップテンポで曲をたたみかけ、ちょっとバラード「レイニー・ナイト・イン・ジョージア」などで箸休め。
今年の最大のハイライトは、その「レイニー…」の後に、デニス・エドワーズが、「今年、悲劇的なことに、アリ・オリ・ウッドソンが亡くなりました。ここで、彼が好きだった曲を歌って彼に捧げたいと思います」と神妙な面持ちで語り、アリの作った「サム・エンチャンテッド・イヴニング」というバラードを歌ったこと。
ショーの間は、何度か観客席に降り、観客とのやりとりもうまくこなす。客がうまく歌えれば拍手をし、いまひとつだと顔をしかめて、それはそれで笑いを取る。
マイクから離れてノー・マイクの生歌で熱唱するデイヴィッドの「アイ・ウィッシュ・イット・ウド・レイン」の一部。いつでもその振り付けがかわいい「ビューティー・イズ・オンリー・スキン・ディープ」。どんなにライヴ本数を重ねようとも、波があったとしても、ある程度、最低限のクオリティーは絶対に保つ。それが、結局一流ということなのだろう。
初代リードのデイヴィッド・ラッフィンを引き継いだデニス・エドワーズがグループに入ってからもその歴史は40年以上になる。歌唱、振り付け、観客とのコール&レスポンス、ほとんどトークなしの、間延びしない、無駄のない構成。観客に時が経つのを忘れさせる究極のエンタテインメント。この形式美は、まさに40年以上の歳月という時の試練を経て確立しているものだ。とても表面だけのものではない。Beauty of form isn’t only skin deep.
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■ ベスト
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■ 過去関連記事~テンプテーションズ、アリ・オリ・ウッドソン
2010年06月01日(火)
アリ・オリ・ウッドソン58歳で死去
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10550564987.html
2009年11月07日(土)
テンプテーションズ~ポール・ウィリアムス・ジュニアをフィーチャー
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20091107.html
December 25, 2008
テンプテーションズ&G.C.キャメロン
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20081225.html
December 27, 2008
テンプテーションズ・レヴュー・フィーチャリング・デニス・エドワーズ
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20081227.html
November 26, 2007
歴史
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20071126.html
November 27, 2007
【デニスとアリ・オリ、『ソウル・ブレンズ』にやってきた】
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20071127.html
November 28, 2007
【レジェンドとしてのテンプス】
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20071128.html
November 29, 2007
【アリ・オリ・アリ・オリに登場】
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20071129.html
■メンバー
ザ・テンプテーションズ・レヴュー・フィーチャリング・デニス・エドワーズ
Dennis Edwards(vo)
David Sea(vo)
Chris Arnold(vo)
Mike Pattillo(vo)
Paul Williams Jr.(vo)
Raymond Harris(tb)
David Camon(key)
Greg Dokes(key)
Luis Valle(tp)
川村裕司(sax)
Ric Archer(g)
James McKay(b)
Llewellyn Dunn(ds)
Thomas Finley(valet)
■セットリスト
Setlist : The Temptations Review Featuring Dennis Edwards @ Cotton Club, December 29, 2010
[ ] indicates first lead vocalist
Show started 20:01
01. Intro
02. Standing On The Top [Dennis]
03. Get Ready [Chris]
04. Ain’t Too Proud To Beg [David]
05. Lady Soul [David]
06. Don't Look Back [Paul]
07. Papa Was A Rolling Stone [David - Chris]
08. Rainy Night In Georgia [Mike]
09. Some Enchanted Evening [David]
10. Beauty Is Only Skin Deep [David]
11. The Way You Do The Things You Do [Chris]
12. I Wish It Would Rain [David]
13. Treat Her Like A Lady [Dennis]
Enc. My Girl [Dennis &David] ~ Just My Imagination [Chris] ~ Stay Till The Morning[Paul] ~My Girl [Dennis &David]
Show ended 21:13
(2010年12月29日水曜、丸の内コットンクラブ=テンプテーションズ・レヴュー・フィーチャリング・デニス・エドワーズ・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Temptations Review Featuring Dennis Edwards
2010-213