2010年09月10日(金) 00時01分00秒
soulsearchinの投稿
◎ラリー・グラハム&グラハム・セントラル・ステーション:爆音ファンク
テーマ:ライヴ評・レポート
◎ラリー・グラハム&グラハム・セントラル・ステーション:爆音ファンク
【Larry Graham & Graham Central Station: Explosion Of Funk】
爆音。
昨年(2009年)も来日していたラリー・グラハム、昨年はスケジュールの関係で見られなかったが、今年は満を持しての参戦。この前に、3日間、人気ベース奏者マーカス・ミラーとの共演というプログラムもあり、こちらはソールド・アウトの超人気。こちらは、ラリー自身のバンド、グラハム・セントラル・ステーションのライヴだ。ラリーは十数年前、五反田ユーポートで見た記憶があるが、かなり久しぶり。
ドラムス、ギター、キーボード2人、パーカッションにラリー・グラハムのベース&ヴォーカルという編成。
さて、MCがちょっと煽ってから、メンバーがなんと2階(4階)から、マーチング・バンドよろしく白いスーツ姿で登場した。まさに「アントロー」のようだった。そして、全員ステージに揃うと、いきなり大爆音が会場にこだました。ここまで大きな音は、ビルボードでもかなり珍しいような気がする。なにしろ、ドラムの音よりラリー・グラハムのベースの音が大きく、まるでフルセットのドラムが軽いパーカッションのようにさえ思えてしまうほど。(笑) ラリーのベース音って一体どれだけのもの?
ベース自体にヴォーカル・マイクをつけ、それに向かいラリーも歌うが、そのファンキーでエンタテインに徹したところなどお見事。現役のファンク・バンドそのままだ。
もちろん、マーカス・ミラーも素晴らしいベース奏者であり大好きだが、マーカスがお行儀よく都会的に洗練され、しかもジャズを元にした感じなのに比べ、ラリーのベースは思い切りぶっとんで、ストリートで、泥臭く、エンタテインメントに徹している。日本ではマーカスのほうが一般的人気があるが、ラリーはその大先輩。チョッパーの元祖である。ラリー先生の前ではマーカスもひれ伏す、そんな偉大な存在だ。
全編ファンク一色で、ラリーの得意なバラードは一切なし。この徹底したところも素晴らしい。途中で「自分は、かつてあるバンドにいた。みんなわかるか?」と言うと、観客から「スライ&ザ・ファミリー・ストーン」の掛け声。そして、観客からリクエストをつのり、それを演奏し始めた。途中、「イフ・ユー・ウォント・ミー・トゥ・ステイ」では、観客から歌自慢の一般の人を集め、ステージにあげた。このときは、14歳だという黒人女性シャニータとスタン・ファンカファイドという白人男性がステージに立った。シャニータは実に堂々とした歌いっぷりで、驚いた。度胸たっぷりで、ヴォーカル・トレーニングしたらプロにもなれるだろう。スタンは白人だが、ラップを披露、その後、この歌を歌った。これも、なかなか素人離れしていた。
次から次々へとノンストップで繰り広げられるファンク絵図。ベース・ソロなんて、ベース・ソロだけで10分近くやって、しかも、それで決して観客を飽きさせない。どれだけ、エンタテイナーなんだ。
音楽の基本、リズムの基本は普通ドラムスだという。それは正解だが、このラリー・グラハムに限って、リズムの基本はラリーのはじけるベースだ。これがすべてのリズムのファンデーション(土台)だ。
後半スライ&ファミリー・メドレーになってからは、来日したスライよりもパワーあふれるスライ・ファンクを見せたような気がした。これくらいになると、オリジナルがいる派生バンドとして、堂々とした存在になるからすごい。同じカヴァー・バンドでも、シュガーフットがいるオハイオ・プレイヤーズはそこに精神的支柱があるだけで、よりオハイオっぽくなる。それと同じで、ラリー1人がいるだけで、よりスライ色が濃くなるのだ。
最後は、またアカペラになり、バンド隊になって、客席から楽屋にはけていった。そして、その後は、強烈なファンクの残り香が漂った。
(ビルボードで土曜日まで)
■ ベスト・アルバム
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005HG61/soulsearchiho-22/ref=nosim/
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000002KF6/soulsearchiho-22/ref=nosim/
■ メンバー
ラリー・グラハム / Larry Graham(Bass/Vocals)
ウィルトン・ザイノマイト・ラブ / Wilton "Zynomite" Rabb(Guitar)
アシュリング・ビスケット・コール / Ashling "Biscuit" Cole(Vocals)
デイヴィッド・シティ・カウンシル / David "City" Council(Keyboards)
ジミ・ジョイ・マッキニー・ジュニア / Jimi "Joy" McKinney Jr.(Keyboards)
ブライアン・リオ・ブラジエル / Brian "Rio" Braziel(Drums)
■ セットリスト
show started 21:30
01. Intro (Entrow)
02. GCS (Acapella)
03. We’ve Been Waiting
04. Ain’t No Fun To Me
05. It’s Alright
06. Feel The Need In Me
07. I Can’t Stand The Rain
08. (Instrumental- Bass Solo)
09. Sly & Family Stone Medley: Family Affair
10. If You Want Me To Stay (including audience singing. Shanita & Stan Funkafied)
11. Dance To The Music
12. The Jam
13. Thank You ~ Dance To The Music ~ Thank You
Enc. (No Title: temporary titled Funky Jam)
Enc. Now D-U-Wanta Dance ~ Fired Up ~ I Wanna Take You Higher
Show ended 22:58
(2010年9月9日木曜、ビルボードライブ東京=ラリー・グラハム&グラハム・セントラル・ステーション・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Graham, Larry & Graham Central Station
2010-
【Larry Graham & Graham Central Station: Explosion Of Funk】
爆音。
昨年(2009年)も来日していたラリー・グラハム、昨年はスケジュールの関係で見られなかったが、今年は満を持しての参戦。この前に、3日間、人気ベース奏者マーカス・ミラーとの共演というプログラムもあり、こちらはソールド・アウトの超人気。こちらは、ラリー自身のバンド、グラハム・セントラル・ステーションのライヴだ。ラリーは十数年前、五反田ユーポートで見た記憶があるが、かなり久しぶり。
ドラムス、ギター、キーボード2人、パーカッションにラリー・グラハムのベース&ヴォーカルという編成。
さて、MCがちょっと煽ってから、メンバーがなんと2階(4階)から、マーチング・バンドよろしく白いスーツ姿で登場した。まさに「アントロー」のようだった。そして、全員ステージに揃うと、いきなり大爆音が会場にこだました。ここまで大きな音は、ビルボードでもかなり珍しいような気がする。なにしろ、ドラムの音よりラリー・グラハムのベースの音が大きく、まるでフルセットのドラムが軽いパーカッションのようにさえ思えてしまうほど。(笑) ラリーのベース音って一体どれだけのもの?
ベース自体にヴォーカル・マイクをつけ、それに向かいラリーも歌うが、そのファンキーでエンタテインに徹したところなどお見事。現役のファンク・バンドそのままだ。
もちろん、マーカス・ミラーも素晴らしいベース奏者であり大好きだが、マーカスがお行儀よく都会的に洗練され、しかもジャズを元にした感じなのに比べ、ラリーのベースは思い切りぶっとんで、ストリートで、泥臭く、エンタテインメントに徹している。日本ではマーカスのほうが一般的人気があるが、ラリーはその大先輩。チョッパーの元祖である。ラリー先生の前ではマーカスもひれ伏す、そんな偉大な存在だ。
全編ファンク一色で、ラリーの得意なバラードは一切なし。この徹底したところも素晴らしい。途中で「自分は、かつてあるバンドにいた。みんなわかるか?」と言うと、観客から「スライ&ザ・ファミリー・ストーン」の掛け声。そして、観客からリクエストをつのり、それを演奏し始めた。途中、「イフ・ユー・ウォント・ミー・トゥ・ステイ」では、観客から歌自慢の一般の人を集め、ステージにあげた。このときは、14歳だという黒人女性シャニータとスタン・ファンカファイドという白人男性がステージに立った。シャニータは実に堂々とした歌いっぷりで、驚いた。度胸たっぷりで、ヴォーカル・トレーニングしたらプロにもなれるだろう。スタンは白人だが、ラップを披露、その後、この歌を歌った。これも、なかなか素人離れしていた。
次から次々へとノンストップで繰り広げられるファンク絵図。ベース・ソロなんて、ベース・ソロだけで10分近くやって、しかも、それで決して観客を飽きさせない。どれだけ、エンタテイナーなんだ。
音楽の基本、リズムの基本は普通ドラムスだという。それは正解だが、このラリー・グラハムに限って、リズムの基本はラリーのはじけるベースだ。これがすべてのリズムのファンデーション(土台)だ。
後半スライ&ファミリー・メドレーになってからは、来日したスライよりもパワーあふれるスライ・ファンクを見せたような気がした。これくらいになると、オリジナルがいる派生バンドとして、堂々とした存在になるからすごい。同じカヴァー・バンドでも、シュガーフットがいるオハイオ・プレイヤーズはそこに精神的支柱があるだけで、よりオハイオっぽくなる。それと同じで、ラリー1人がいるだけで、よりスライ色が濃くなるのだ。
最後は、またアカペラになり、バンド隊になって、客席から楽屋にはけていった。そして、その後は、強烈なファンクの残り香が漂った。
(ビルボードで土曜日まで)
■ ベスト・アルバム
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005HG61/soulsearchiho-22/ref=nosim/
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000002KF6/soulsearchiho-22/ref=nosim/
■ メンバー
ラリー・グラハム / Larry Graham(Bass/Vocals)
ウィルトン・ザイノマイト・ラブ / Wilton "Zynomite" Rabb(Guitar)
アシュリング・ビスケット・コール / Ashling "Biscuit" Cole(Vocals)
デイヴィッド・シティ・カウンシル / David "City" Council(Keyboards)
ジミ・ジョイ・マッキニー・ジュニア / Jimi "Joy" McKinney Jr.(Keyboards)
ブライアン・リオ・ブラジエル / Brian "Rio" Braziel(Drums)
■ セットリスト
show started 21:30
01. Intro (Entrow)
02. GCS (Acapella)
03. We’ve Been Waiting
04. Ain’t No Fun To Me
05. It’s Alright
06. Feel The Need In Me
07. I Can’t Stand The Rain
08. (Instrumental- Bass Solo)
09. Sly & Family Stone Medley: Family Affair
10. If You Want Me To Stay (including audience singing. Shanita & Stan Funkafied)
11. Dance To The Music
12. The Jam
13. Thank You ~ Dance To The Music ~ Thank You
Enc. (No Title: temporary titled Funky Jam)
Enc. Now D-U-Wanta Dance ~ Fired Up ~ I Wanna Take You Higher
Show ended 22:58
(2010年9月9日木曜、ビルボードライブ東京=ラリー・グラハム&グラハム・セントラル・ステーション・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Graham, Larry & Graham Central Station
2010-
1 ■悔しい
はじめましてmamboと申します。
ずーとROMばかりでしたが、
ラリーグラハム! 登場で書かせていただきました。(でも来日を知らないなんてFanじゃないですね)
GCSはもちろんFunk大好きなのです。
公演は土曜までとは、、、、がっかり。
田舎(岐阜)に住んでいるのでなかなか東京のLiveには行けません。
昔は中野サンプラザでJBにラッシュ('72)をしたことがありましたが、、、、、ずーとブルーノートしか見ていませんでしたので、ビルボードも見るようにします。
Funky Boseさんとは、ソウルエンゲル係数の会(ご存じないかも)でQJでお会いしたことがある程度で、、、、
今後とも宜しくお願い致します。