2010年05月30日(日) 00時01分00秒
soulsearchinの投稿
▲ナタリー・コール(パート3):そのステージを裏側から見ると~
テーマ:ライヴ評・レポート
▲ナタリー・コール(パート3):そのステージを裏側から見ると~
【Behind The Scene Of Natalie Cole Stage】
裏。
完全復活したナタリー・コール。今回1日だけ丸の内コットンクラブでのライヴがあった。コットンは超満員。さすがに年齢層は高く、往年のファンがつめかけた感じだ。たまたま、席がステージ向かって右側の真横だったので、音楽ディレクター、ゲイルの後ろになり、彼女の音楽ディレクターぶりがよく見えた。ちょっとした舞台裏から見たナタリー・コール・ライヴ・ステージをおとどけしよう。
この日は東京最後ということもあって、ナタリーもかなりのりのりだった様子。通常3曲程度インストゥルメンタルで客を暖めてから本人の登場となるが、なんと1曲、ジョッシュ・ネルソン作「アンティドート」が終わると、もうステージに登場した。4曲ほど歌うと、なにやら、ナタリーが音楽ディレクターのゲイルのところに近づき、耳元で何かをしゃべっている。そのおしゃべりの表情はけっこう厳しいものだったが、曲の間奏が終わった瞬間、もう曲の歌詞に戻って、しかも観客席に向けて満面の笑みを湛える。音楽監督に指示を出す厳しいボスの顔と、観客を楽しませるエンタテイナーの顔。いい意味での二面性を垣間見た。
そして観客に向けて「今日は、何か違った曲をやってみたい。あそこのジェントルマンが『スティル・アンフォゲッタブル』のCDをお持ちみたいですね。なにか、そのアルバムの中で聴きたい曲はありますか?」と尋ねると、その紳士、CDを掲げながら、「ホワット…」と言う。ナタリーは聞き取れず(実は僕も聞き取れず)、「ほかにある?」と聞くと、「コーヒー・タイム」の答え。すると、「You got it(やりましょう)」。これは実は予定されたセットリストの中に入っていたので、ナタリーやMDにとっては、「ビンゴ!」という感じだった。ただ予定より早めにこれをやることになったのだが、その紳士にすれば、きっと「ナタリーにコーヒー・タイムをリクエストして、歌ってもらったんだ」ということが一生の思い出になるだろう。
あらかじめ各ミュージシャンは歌われる曲をセットリスト順に楽譜台においてある。一曲終わるごとにそれを下に置き、次の曲に取り掛かる。そして途中で曲が変わると、ゲイルが楽譜番号をメンバーに指で知らせる。ナタリーがセットリストと違う曲をやりたいとゲイルに言うと、ゲイルは下に置かれている大きな楽譜ボックスから当該曲の楽譜を探している。彼女はまた、楽曲のポイントのところで、指揮者のごとくミュージシャンに腕を振る。それをピアノ、キーボード、ギター、ベース、ドラマーなども凝視し、その腕の動きに対応してプレイする。
この日おもしろいと思ったのが、ミュージシャンが「ラヴ」をプレイし始めたが、そのイントロでナタリーが探してもらった歌詞カードを出し、「これから歌う曲は、ルイ・アームストロングや、エラ・フィッツジェラルドが歌い、そして、ボビー・ダーリンが大ヒットさせた曲です」と言い、「ラヴ」のベースラインにあわせて、「マック・ザ・ナイフ」を歌いだしたのだ。そうか、これは同じコード進行だったんだ。そして、また途中から「ラヴ」へ。とてもおもしろいアレンジだった。
「ラヴ」だけをストレートに歌って終わるときもあり、ミュージシャンたちは、その場でナタリーがどっちに進むかは、その瞬間までわからない。どちらの楽曲にもその場で対応できているのだ。
この日はアンコールが2曲。そして、ひじょうに珍しいことに、ほとんどジャズ・スタンダード・セットでは歌われないR&Bヒット「ディス・ウィル・ビー」が歌われた。最後だから、増量大サーヴィスだったのかもしれない。
■ 過去関連記事
ナタリー・コール(パート1)奇跡の完全復活~
2010年5月20日付けブログ↓
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20100520.html
2010年05月24日(月)
ナタリー・コール(パート2):レパートリーは800曲以上
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20100524.html
2008年06月28日(土)
ナタリー・コール満身創痍のステージ(part 1)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10110678041.html
(前回来日時ライヴ評)
2008年07月19日(土)
ナタリー・コール(part 2) C型肝炎を明かす
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10117732847.html#main
2003/06/17 (Tue)
Bittersweet Voice That Turned Blue Note A Desert
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200306/diary20030617.html
2003年来日時のライヴ評。
【2002年5月28日火曜・ブルーノート東京】
http://www.soulsearchin.com/entertainment/music/live/natalie20020528.html
2002年来日時ライヴ評。
『ソウル・サーチン』(吉岡正晴・著)第7話 ナタリー・コール NATALIE COLE ~二度のグラミーのはざまで~
http://www.soulsearchin.com/soulsearchin/7.html
ナタリー・コール紆余曲折のソウル・サーチン・ストーリー。
■スティル・アンフォゲッタブル
■アンフォゲッタブル
■ セットリスト
Setlist : Natalie Cole @ Cotton Club, May 27 2010
show started 21:33
01. Antidote (instrumental)
02. My Favorite Things
03. This Can’t Be Love
04. Better Than Anything
05. Almost Like Being A Lover
06. Summer Sun
07. Coffee Time
08. Love Is Here To Stay
09. Smile
10. Somewhere Along The Way
11. Unforgettable (with Nat King Cole on the screen)
12. Root 66
13. Love – Mack The Knife – Love
Enc1. Orange Corner Sky
Enc2. This Will Be
Show ended 22:41
(2010年5月27日木曜、丸の内コットンクラブ=ナタリー・コール・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Cole, Natalie
【Behind The Scene Of Natalie Cole Stage】
裏。
完全復活したナタリー・コール。今回1日だけ丸の内コットンクラブでのライヴがあった。コットンは超満員。さすがに年齢層は高く、往年のファンがつめかけた感じだ。たまたま、席がステージ向かって右側の真横だったので、音楽ディレクター、ゲイルの後ろになり、彼女の音楽ディレクターぶりがよく見えた。ちょっとした舞台裏から見たナタリー・コール・ライヴ・ステージをおとどけしよう。
この日は東京最後ということもあって、ナタリーもかなりのりのりだった様子。通常3曲程度インストゥルメンタルで客を暖めてから本人の登場となるが、なんと1曲、ジョッシュ・ネルソン作「アンティドート」が終わると、もうステージに登場した。4曲ほど歌うと、なにやら、ナタリーが音楽ディレクターのゲイルのところに近づき、耳元で何かをしゃべっている。そのおしゃべりの表情はけっこう厳しいものだったが、曲の間奏が終わった瞬間、もう曲の歌詞に戻って、しかも観客席に向けて満面の笑みを湛える。音楽監督に指示を出す厳しいボスの顔と、観客を楽しませるエンタテイナーの顔。いい意味での二面性を垣間見た。
そして観客に向けて「今日は、何か違った曲をやってみたい。あそこのジェントルマンが『スティル・アンフォゲッタブル』のCDをお持ちみたいですね。なにか、そのアルバムの中で聴きたい曲はありますか?」と尋ねると、その紳士、CDを掲げながら、「ホワット…」と言う。ナタリーは聞き取れず(実は僕も聞き取れず)、「ほかにある?」と聞くと、「コーヒー・タイム」の答え。すると、「You got it(やりましょう)」。これは実は予定されたセットリストの中に入っていたので、ナタリーやMDにとっては、「ビンゴ!」という感じだった。ただ予定より早めにこれをやることになったのだが、その紳士にすれば、きっと「ナタリーにコーヒー・タイムをリクエストして、歌ってもらったんだ」ということが一生の思い出になるだろう。
あらかじめ各ミュージシャンは歌われる曲をセットリスト順に楽譜台においてある。一曲終わるごとにそれを下に置き、次の曲に取り掛かる。そして途中で曲が変わると、ゲイルが楽譜番号をメンバーに指で知らせる。ナタリーがセットリストと違う曲をやりたいとゲイルに言うと、ゲイルは下に置かれている大きな楽譜ボックスから当該曲の楽譜を探している。彼女はまた、楽曲のポイントのところで、指揮者のごとくミュージシャンに腕を振る。それをピアノ、キーボード、ギター、ベース、ドラマーなども凝視し、その腕の動きに対応してプレイする。
この日おもしろいと思ったのが、ミュージシャンが「ラヴ」をプレイし始めたが、そのイントロでナタリーが探してもらった歌詞カードを出し、「これから歌う曲は、ルイ・アームストロングや、エラ・フィッツジェラルドが歌い、そして、ボビー・ダーリンが大ヒットさせた曲です」と言い、「ラヴ」のベースラインにあわせて、「マック・ザ・ナイフ」を歌いだしたのだ。そうか、これは同じコード進行だったんだ。そして、また途中から「ラヴ」へ。とてもおもしろいアレンジだった。
「ラヴ」だけをストレートに歌って終わるときもあり、ミュージシャンたちは、その場でナタリーがどっちに進むかは、その瞬間までわからない。どちらの楽曲にもその場で対応できているのだ。
この日はアンコールが2曲。そして、ひじょうに珍しいことに、ほとんどジャズ・スタンダード・セットでは歌われないR&Bヒット「ディス・ウィル・ビー」が歌われた。最後だから、増量大サーヴィスだったのかもしれない。
■ 過去関連記事
ナタリー・コール(パート1)奇跡の完全復活~
2010年5月20日付けブログ↓
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20100520.html
2010年05月24日(月)
ナタリー・コール(パート2):レパートリーは800曲以上
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20100524.html
2008年06月28日(土)
ナタリー・コール満身創痍のステージ(part 1)
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10110678041.html
(前回来日時ライヴ評)
2008年07月19日(土)
ナタリー・コール(part 2) C型肝炎を明かす
http://ameblo.jp/soulsearchin/entry-10117732847.html#main
2003/06/17 (Tue)
Bittersweet Voice That Turned Blue Note A Desert
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200306/diary20030617.html
2003年来日時のライヴ評。
【2002年5月28日火曜・ブルーノート東京】
http://www.soulsearchin.com/entertainment/music/live/natalie20020528.html
2002年来日時ライヴ評。
『ソウル・サーチン』(吉岡正晴・著)第7話 ナタリー・コール NATALIE COLE ~二度のグラミーのはざまで~
http://www.soulsearchin.com/soulsearchin/7.html
ナタリー・コール紆余曲折のソウル・サーチン・ストーリー。
■スティル・アンフォゲッタブル
スティル・アンフォゲッタブル
posted with amazlet at 10.05.29
ナタリー・コール ナット・キング・コール
Warner Music Japan =music= (2008-09-24)
売り上げランキング: 42497
Warner Music Japan =music= (2008-09-24)
売り上げランキング: 42497
■アンフォゲッタブル
ナタリー・コール ナット・キング・コール
イーストウエスト・ジャパン (1997-11-25)
売り上げランキング: 1604
イーストウエスト・ジャパン (1997-11-25)
売り上げランキング: 1604
■ セットリスト
Setlist : Natalie Cole @ Cotton Club, May 27 2010
show started 21:33
01. Antidote (instrumental)
02. My Favorite Things
03. This Can’t Be Love
04. Better Than Anything
05. Almost Like Being A Lover
06. Summer Sun
07. Coffee Time
08. Love Is Here To Stay
09. Smile
10. Somewhere Along The Way
11. Unforgettable (with Nat King Cole on the screen)
12. Root 66
13. Love – Mack The Knife – Love
Enc1. Orange Corner Sky
Enc2. This Will Be
Show ended 22:41
(2010年5月27日木曜、丸の内コットンクラブ=ナタリー・コール・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Cole, Natalie