●NTTのウェッブから削除されたイチローのエコCM
テーマ:エッセイ>ブログ関連【Ichiro’s CM Was Deleted From NTT Web】
削除。
たまたま、今週(2010年5月18日くらい)から放映が始まったのか、NTTグループのイチローのテレビCMを一度だけ見かけた。最初に流れるのを見た、というか、聴いたとき、「なんだ、これ、最悪」と思った。
見てない方のために一言で説明すると「CDを買いに行くのをやめて、携帯でダウンロードしよう、それがエコ」とイチローがいうのである。こんなでたらめな論理があるだろうか。この論理が通るなら、なんだって、物を買いに行くのはエコじゃなくて、携帯で取り寄せるのがエコってことになる。ましてや野球場に野球を見に行くよりテレビ観戦がエコ、ナイターはダメで全面デイゲームがエコってなことになりそうだ。(笑)
で、このCMの数々をホームページで見た。NTTグループはお金があるから、ずいぶんと予算をかけたイメージCMを作っている。「実際に会うより、電話会議」、「週に1回会社に行かず、自宅で仕事」。要は人が移動することがエコじゃない、という論理だ。じゃあ、みんな家に引きこもれ、というのだろうか。
ネット(ツイッター)でも、この件は相当音楽ファンの逆鱗に触れたようで、怒りの声があがった。で、なんと、当初、NTTのホームページにアップされていたそのCMが、5月21日の夕方6時くらいまでに、当該ページから削除されたのだ。それだけ反発されたのだろう。
当初アップされていたページ。現在も古いCMは残っている。
http://www.ntt.co.jp/cm/index01.html
しかし、蛇(じゃ)の道は蛇(へび)。ユーチューブにあがってました。(5月20日アップ)(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=A0rIE5WEx60
僕も、このCMについては苦言を呈そうと思っていたが、それよりはやくFPM(ファンタスティック・プラスティック・マシン)の田中知之さんが5月20日夜8時すぎにちょっとツイッターに書いていたので、それに返事の形で「あれはほんと、ひどいCMです。イチローは選手としてはすばらしいが、このCMで大マイナス」と書いた。すると、これにも反応をいただいた。そこでこのCMの問題点に近い過去のブログがあったので、それをご紹介した。
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200310/diary20031013.html
7年前の記事だが、一言でいえば、まだ仮説だが、音楽を消費財にしてはいけない、コンビニ化してはいけない、ということだった。
僕も、別にダウンロードという新技術で音楽が広まっていくことは、致し方ない、それも時代の流れでしょうがない、という考えだ。僕が感じるこのCMの問題点は、そもそもCD買わずにダウンロードしろ、みたいな安易な発想が音楽や文化に対して愛がない点だ。アナログ、カセット、CD、ダウンロードとどんどん、音楽が手軽になり、それによって消費財になっている時代に、音楽を消費することを必要以上に煽っている点も由々しき問題。ダウンロードはそもそも0か1のデータ、そんなものを大事に扱おうなんて考える人はほとんどいないだろう。音楽をデータとして粗末に扱うことを奨励しているところがよくない。そもそもこのコピーを考えた作家とか、CMプランナーが消費者のことなどおかまいなしで、いかにNTTのご機嫌をとれるか、目線はしっかりNTTの方だけに向いていることが腹立たしい。金がある方だけに尻尾振るみたいな。
こうなったら、音楽業界がまとまって、イチローを起用した音楽奨励CMを作ってもバチは当たらないだろう。たとえば「もっと音楽を聴こう、もっとCDを買おう。それがあなたの心を豊かにする」のような。もっといいキャッチが必要だが。(苦笑) もちろん、イチローは罪滅ぼしのためにノー・ギャラだ。そもそも野球だって、音楽だって、人間の衣食住にはなくてもいいもの。エンタテインメントというぜいたく品。
とは言っても、NTTグループはそれだけで年1兆円超の巨人、音楽業界は全部合わせても5000億円以下の産業なんですか。巨大グループにあんなCMをやられたんじゃ、音楽業界なんてひとたまりもない。(笑) あ、でもJASRACの余剰金で、そういう音楽振興キャンペーンCMなんていいかもしれない。JASRACはそういうことにどんどんお金を使うともっと尊敬されると思う。
ESSAY>Ichiro’s CM
1 ■無題
私も疑問に思ってました。
タワレコ買収しておいてちょっとそれはないだろう、と思ったりです。