2010年04月08日(木) 02時07分44秒
soulsearchinの投稿
○父と子の共演、日野皓正と日野賢二ライヴ~「ただのギグ」が「ザ・ギグ」になる瞬間
テーマ:ライヴ評・レポート
○父と子の共演、日野皓正と日野賢二ライヴ~「ただのギグ」が「ザ・ギグ」になる瞬間
【Just Another Gig Turns To The Gig : Father & Son's Live】
ザ・ギグ。
ジーノのレギュラー・ライヴ、「ジーノ・ジャム」。そのスペシャルで、フィーチャリング日野皓正(ひの・てるまさ)。つまり父子共演だ。何よりも、このバンド、男くさい。男っぽい、そして、ファンキーでのりがいい。何よりも、日野皓正のバンド内での実質的ボスとしての存在感がすごい。Man's Dandyという感じ。そして、何よりも、ミュージシャンたちの自由度が大きい。
ジーノと父とのMCも、なんか妙な感じでおもしろい。ジーノが子供の頃、ライヴハウス(今はなきピットイン)に連れて行ってもらい、そこで見たお父さんがかっこよくて、自分もそうなりたい、といったことを言ったりして、それを聞いて照れる皓正。いい光景だ。
バックのミュージシャンもいつになく、難しい曲にチャレンジし、真剣だ。ちなみに、ケイリブ(キーボード)も斉藤ノブさん(パーカッション)も、日野皓正とプレイするのは初めてという。前日まで、楽譜と音源で相当「宿題」をやってきたらしい。
プレイする曲を少し解説しながらプレイするが、4曲目の「インナー・モーション」は、日野皓正がここモーション・ブルーで書下ろした作品だそうだ。ジェイのドラムスがいつになくタイト。
個人的には、このライヴを見て、ずいぶんとインスピレーションを得た。次のようなことを感じ、ひたすらメモをした。
仮に、僕らがそのミュージシャンを「知っている」とする。だが、「知っている」としても、何を知っているというのだろうか。そのパフォーマンスの癖か、うまさか、力量か。実際、僕らも「知っている」アーティストでさえ、たぶん、そのアーティストが持つ才能の半分も知らないのだ。つまり、ある程度優れたミュージシャンには、本当はもっともっと知られざる才能があるのだ。だが、普段はそれが出てこない、あるいは出せないでいる。しかし、様々な要素によって、その普段は出ない才能がマグマの如く噴火してくることがある。それは、そのギグ(ライヴ)のボスの存在感かもしれないし、共演者かもしれないし、あるいは、その日そこにいる観客のヴァイヴかもしれない。
プロデューサー、あるいは、イヴェント・プロデューサー/オルガナイザーが、ミュージシャンたちのそうした普段出せない才能を引っ張り出して、表に出せる瞬間があれば、幸運であり、素晴らしいことだ。
この日のライヴは、ミュージシャン全員が日野皓正というヴェテラン・アーティストをリスペクトし、彼と同じステージに立てて光栄で、誇りに思っていて、だから、彼の前では下手なことができないとどこかで感じている。それゆえにいつも以上の力を出すのだろう。素晴らしきミュージシャンシップというべきだ。まさにケミストリー(化学反応)が生まれる瞬間であり、これぞ、ライヴを見る醍醐味のひとつだ。
これは、just another gig(ただのいつものライヴ)が、the gig(このライヴ)になる瞬間だ。僕は、ミュージシャンではないのだが、ときどき、そういうミュージシャンの気持ちがわかることがある。(勝手にそう感じているだけかもしれないが…)
とはいうものの、ケイリブあたりは、ここ一週間が大変ハードで忙しく、若干体力的に疲れているので、満足はいっていないようなのだが。(笑)「曲は、難しい。フュージョンの曲だが、なかなか難しくて、フュージョンがコンフュージョンになっちゃってるよ(笑)(fusion turns to confusion)」
「おお、それいいフレーズだな」と僕が返すと、「おおっ、ラジオでそれをしゃべるかい? キャッチフレーズにいいよな(笑)」とケイリブ。
古い曲(ジーノが生まれた1967年に父が書いた曲)という「ヒップ・シーガル」。そのチョッパーから始まるファンキーな曲を演じる日野皓正は、まさにDandy The Funkyだ。
そして、このライヴ・ショー自体、時間が止まっているのか、流れているのか、ときどきわからなくなる不思議な感覚に陥った。
■ 日野皓正 『シティ・コネクション』(1979年作品)
■メンバー
JINO JAM featuring TERUMASA HINO“URBAN CONNECTION”
JINO JAM フィーチャリング 日野皓正「アーバン・コネクション」
日野皓正(tp)、日野 "JINO" 賢二(b)、Kaleb James(p)、PENNY-K(key)、マサ小浜(g)、斎藤ノブ(per)、Jay Stixx(ds)
■ セットリスト
Setlist : Jino Jam featuring Terumasa Hino
show started 21:30
00. (CD) Urban Connection
01. Think About It
02. Still Be-Bop
03. Hino's Reggae
a riff of Rocket Man
04. Inner Motion
05. Alone, Alone & Alone
06. Hip Seagull
Enc. City Connection
show ended 22:58
(2010年4月2日金曜、横浜モーション・ブルー=ジーノ・ジャム・フィーチャリング・日野皓正)
ENT>MUSIC>LIVE>Jino Jam featuring Terumasa Hino
2010-53
【Just Another Gig Turns To The Gig : Father & Son's Live】
ザ・ギグ。
ジーノのレギュラー・ライヴ、「ジーノ・ジャム」。そのスペシャルで、フィーチャリング日野皓正(ひの・てるまさ)。つまり父子共演だ。何よりも、このバンド、男くさい。男っぽい、そして、ファンキーでのりがいい。何よりも、日野皓正のバンド内での実質的ボスとしての存在感がすごい。Man's Dandyという感じ。そして、何よりも、ミュージシャンたちの自由度が大きい。
ジーノと父とのMCも、なんか妙な感じでおもしろい。ジーノが子供の頃、ライヴハウス(今はなきピットイン)に連れて行ってもらい、そこで見たお父さんがかっこよくて、自分もそうなりたい、といったことを言ったりして、それを聞いて照れる皓正。いい光景だ。
バックのミュージシャンもいつになく、難しい曲にチャレンジし、真剣だ。ちなみに、ケイリブ(キーボード)も斉藤ノブさん(パーカッション)も、日野皓正とプレイするのは初めてという。前日まで、楽譜と音源で相当「宿題」をやってきたらしい。
プレイする曲を少し解説しながらプレイするが、4曲目の「インナー・モーション」は、日野皓正がここモーション・ブルーで書下ろした作品だそうだ。ジェイのドラムスがいつになくタイト。
個人的には、このライヴを見て、ずいぶんとインスピレーションを得た。次のようなことを感じ、ひたすらメモをした。
仮に、僕らがそのミュージシャンを「知っている」とする。だが、「知っている」としても、何を知っているというのだろうか。そのパフォーマンスの癖か、うまさか、力量か。実際、僕らも「知っている」アーティストでさえ、たぶん、そのアーティストが持つ才能の半分も知らないのだ。つまり、ある程度優れたミュージシャンには、本当はもっともっと知られざる才能があるのだ。だが、普段はそれが出てこない、あるいは出せないでいる。しかし、様々な要素によって、その普段は出ない才能がマグマの如く噴火してくることがある。それは、そのギグ(ライヴ)のボスの存在感かもしれないし、共演者かもしれないし、あるいは、その日そこにいる観客のヴァイヴかもしれない。
プロデューサー、あるいは、イヴェント・プロデューサー/オルガナイザーが、ミュージシャンたちのそうした普段出せない才能を引っ張り出して、表に出せる瞬間があれば、幸運であり、素晴らしいことだ。
この日のライヴは、ミュージシャン全員が日野皓正というヴェテラン・アーティストをリスペクトし、彼と同じステージに立てて光栄で、誇りに思っていて、だから、彼の前では下手なことができないとどこかで感じている。それゆえにいつも以上の力を出すのだろう。素晴らしきミュージシャンシップというべきだ。まさにケミストリー(化学反応)が生まれる瞬間であり、これぞ、ライヴを見る醍醐味のひとつだ。
これは、just another gig(ただのいつものライヴ)が、the gig(このライヴ)になる瞬間だ。僕は、ミュージシャンではないのだが、ときどき、そういうミュージシャンの気持ちがわかることがある。(勝手にそう感じているだけかもしれないが…)
とはいうものの、ケイリブあたりは、ここ一週間が大変ハードで忙しく、若干体力的に疲れているので、満足はいっていないようなのだが。(笑)「曲は、難しい。フュージョンの曲だが、なかなか難しくて、フュージョンがコンフュージョンになっちゃってるよ(笑)(fusion turns to confusion)」
「おお、それいいフレーズだな」と僕が返すと、「おおっ、ラジオでそれをしゃべるかい? キャッチフレーズにいいよな(笑)」とケイリブ。
古い曲(ジーノが生まれた1967年に父が書いた曲)という「ヒップ・シーガル」。そのチョッパーから始まるファンキーな曲を演じる日野皓正は、まさにDandy The Funkyだ。
そして、このライヴ・ショー自体、時間が止まっているのか、流れているのか、ときどきわからなくなる不思議な感覚に陥った。
■ 日野皓正 『シティ・コネクション』(1979年作品)
シティ・コネクション
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■メンバー
JINO JAM featuring TERUMASA HINO“URBAN CONNECTION”
JINO JAM フィーチャリング 日野皓正「アーバン・コネクション」
日野皓正(tp)、日野 "JINO" 賢二(b)、Kaleb James(p)、PENNY-K(key)、マサ小浜(g)、斎藤ノブ(per)、Jay Stixx(ds)
■ セットリスト
Setlist : Jino Jam featuring Terumasa Hino
show started 21:30
00. (CD) Urban Connection
01. Think About It
02. Still Be-Bop
03. Hino's Reggae
a riff of Rocket Man
04. Inner Motion
05. Alone, Alone & Alone
06. Hip Seagull
Enc. City Connection
show ended 22:58
(2010年4月2日金曜、横浜モーション・ブルー=ジーノ・ジャム・フィーチャリング・日野皓正)
ENT>MUSIC>LIVE>Jino Jam featuring Terumasa Hino
2010-53