2010年03月14日(日) 03時09分56秒
soulsearchinの投稿
■映画『ソウル・パワー』6月に日本公開決定 (パート1)
テーマ:ブログ
【"Soul Power" Movie Will Be Released June】
大祭典。
1974年、アフリカ大陸のザイール共和国(現在・コンゴ共和国)のキンシャサで、モハメド・アリ対ジョージ・フォアマンの世紀の対決が行われることになった。モハメド・アリは徴兵拒否でリングから追放されていたが、それが解けて再復活の夢をかけこの試合に臨み、一方のフォアマンは無敵の40連勝中。誰の目にもフォアマン有利だった。しかし、アリは奇跡的にこの試合に勝ち、これは、後に「キンシャサの奇跡」「ランブル・イン・ザ・ジャングル」などと呼ばれ、後世まで語り継がれるものとなった。(拙著『ソウル・サーチン』の第3章マイケル・マッサーの部でも、その模様に少し触れている) そのときにイヴェントを主催したプロモーター、ドン・キングらは、試合を盛り上げ煽るために、同時にアメリカのブラック・ミュージシャンと現地のブラック・ミュージシャンを集めた一大音楽イヴェントを開催しようと考えた。
彼らは音楽イヴェントから試合まで膨大な記録映像を収録していた。そのうちの試合部分の記録映像は、『モハメド・アリ かけがえのない日々』として公開され、アカデミー賞まで受賞するに至った。ところが、同時に撮影されていた音楽部分の映像は今まで倉庫に眠ったままで、これらを見た『かけがえのない日々』の関係者が、未公開映像にスポットを当て編集、当初は音楽DVDにしようと考えたが、そのあまりの内容の素晴らしさゆえに1本の長編映画にしたのが、この2008年製作の『ソウル・パワー』と題された作品だ。
ここに集結していたアーティストは、「キング・オブ・ソウル」ことジェームス・ブラウン、当時大ヒットを次々と飛ばしていたスピナーズ、ブルーズのキング、BBキング、サルサの女王セリア・クルーズ&ファニア・オールスターズ、南アフリカの闘志ミリアム・マケバ、ジャズ・ファンクの王者クルセイダーズ、ブラック界の吟遊詩人ビル・ウィザース、元祖アフリカン・マン、マヌー・ディバンゴ、そして、アフリカのミュージシャンたちなどだ。
この作品は、2010年6月12日から渋谷シネセゾン、吉祥寺バウスシアター、新宿Kズ・シネマで公開され、その後順次全国で公開される。ブラック系、ラテン、アフリカなどのワールド・ミュージック系好きのファンにとっては、必見の作品となりそうだ。
+++
興奮。
この映画の初号試写を3月10日に見た。初号試写とは、字幕を確認したり極うちわの関係者向け(これを買い付ける映画館関係者など)にするもので、修正があれば最終修正をして、一般試写(媒体向け)に進む。字幕の監修をオーサカ=モノレールの中田亮さんが担当した。
3日間にわたって繰り広げられた大祭典の模様は、熱く、圧倒的だ。まず驚いたのが、映像がきれいで、しかも音もよく録れているということ。おそらくマルチの16チャンネルで録音されているようだ。カメラも数台使われている。大きな画面で見ると、次第にライヴ会場にいるような錯覚に陥ってくる。ちょうどマイケル・ジャクソンの映画『ディス・イズ・イット』と同じように、画面に向かって立ち上がり、拍手をしたくなるような感じだ。しかも、どれもがブラック・アーティストばかりで、抜群なリズムとグルーヴでこれでもかこれでもかとやってくる。これはたまらない。興奮した。本編は93分ほどなのだが、もっともっと2時間でも見たいと思ったほど。
大きな発見がいくつもあるのだが、ビル・ウィザースの動く姿(ファースト・アルバムからの「ホープ・シール・ビー・ハピアー」)、クルセイダーズの一番充実したメンバーを擁した「プット・イット・ホエア・ユー・ワント・イット」(ジョー・サンプル、スティックス・フーパー、ウェイン・ヘンダーソン、ウィルトン・フェルダー、そして、若き日のラリー・カールトンまで!)、そして、ジェームス・ブラウン(「ペイバック」、「コールド・スウェット」など)。司会者のダニー・レイのめちゃくちゃクールなMCぶりにも感銘した。そして、ここにはメイシオも、フレッド・ウェスリーもいる! スピナーズもリード、フィリップ・ウェインは故人だ。ロイド・プライス(「パーソナリティー」のヒット)やヒュー・マサケラ(南アフリカのトランペット奏者)が、主催者側の裏方で仕事をしていたのも印象的だった。もちろん、これは僕がブラック・ミュージック、ソウル系が好きだからこのあたりに目が行くのだが、ラテン、アフリカ系に詳しい方たちは、セリア・クルーズ、ファニア・オールスターズ、マヌ・ディバンゴなどに目が奪われる。
本当に、何でも記録しておくというのは、大事なことだなあ、とつくづく思う。(笑) こんな歴史的な映像が36年間も眠っていたなんて信じられない。
この試写の後、字幕監修をした中田亮さん、ラテン、アフリカ、ワールド・ミュージック全般に詳しい藤川理一さん、BMRの林剛さんらと映画についてのあれこれを熱い話し(マニアックとも、偏狭的とも言う)をしながらランチをした。これが実におもしろい話で、思わず、「これ、そのままトーク・ショーにしましょうよ」と提案してしまった。(笑)
(ということで、そのあたりについての『ソウル・パワー』の話はパート2へ続く)
■ DVD輸入盤『ソウル・パワー』(リージョン1ですので、ご注意ください)
ENT>MOVIE>Soul Power
大祭典。
1974年、アフリカ大陸のザイール共和国(現在・コンゴ共和国)のキンシャサで、モハメド・アリ対ジョージ・フォアマンの世紀の対決が行われることになった。モハメド・アリは徴兵拒否でリングから追放されていたが、それが解けて再復活の夢をかけこの試合に臨み、一方のフォアマンは無敵の40連勝中。誰の目にもフォアマン有利だった。しかし、アリは奇跡的にこの試合に勝ち、これは、後に「キンシャサの奇跡」「ランブル・イン・ザ・ジャングル」などと呼ばれ、後世まで語り継がれるものとなった。(拙著『ソウル・サーチン』の第3章マイケル・マッサーの部でも、その模様に少し触れている) そのときにイヴェントを主催したプロモーター、ドン・キングらは、試合を盛り上げ煽るために、同時にアメリカのブラック・ミュージシャンと現地のブラック・ミュージシャンを集めた一大音楽イヴェントを開催しようと考えた。
彼らは音楽イヴェントから試合まで膨大な記録映像を収録していた。そのうちの試合部分の記録映像は、『モハメド・アリ かけがえのない日々』として公開され、アカデミー賞まで受賞するに至った。ところが、同時に撮影されていた音楽部分の映像は今まで倉庫に眠ったままで、これらを見た『かけがえのない日々』の関係者が、未公開映像にスポットを当て編集、当初は音楽DVDにしようと考えたが、そのあまりの内容の素晴らしさゆえに1本の長編映画にしたのが、この2008年製作の『ソウル・パワー』と題された作品だ。
ここに集結していたアーティストは、「キング・オブ・ソウル」ことジェームス・ブラウン、当時大ヒットを次々と飛ばしていたスピナーズ、ブルーズのキング、BBキング、サルサの女王セリア・クルーズ&ファニア・オールスターズ、南アフリカの闘志ミリアム・マケバ、ジャズ・ファンクの王者クルセイダーズ、ブラック界の吟遊詩人ビル・ウィザース、元祖アフリカン・マン、マヌー・ディバンゴ、そして、アフリカのミュージシャンたちなどだ。
この作品は、2010年6月12日から渋谷シネセゾン、吉祥寺バウスシアター、新宿Kズ・シネマで公開され、その後順次全国で公開される。ブラック系、ラテン、アフリカなどのワールド・ミュージック系好きのファンにとっては、必見の作品となりそうだ。
+++
興奮。
この映画の初号試写を3月10日に見た。初号試写とは、字幕を確認したり極うちわの関係者向け(これを買い付ける映画館関係者など)にするもので、修正があれば最終修正をして、一般試写(媒体向け)に進む。字幕の監修をオーサカ=モノレールの中田亮さんが担当した。
3日間にわたって繰り広げられた大祭典の模様は、熱く、圧倒的だ。まず驚いたのが、映像がきれいで、しかも音もよく録れているということ。おそらくマルチの16チャンネルで録音されているようだ。カメラも数台使われている。大きな画面で見ると、次第にライヴ会場にいるような錯覚に陥ってくる。ちょうどマイケル・ジャクソンの映画『ディス・イズ・イット』と同じように、画面に向かって立ち上がり、拍手をしたくなるような感じだ。しかも、どれもがブラック・アーティストばかりで、抜群なリズムとグルーヴでこれでもかこれでもかとやってくる。これはたまらない。興奮した。本編は93分ほどなのだが、もっともっと2時間でも見たいと思ったほど。
大きな発見がいくつもあるのだが、ビル・ウィザースの動く姿(ファースト・アルバムからの「ホープ・シール・ビー・ハピアー」)、クルセイダーズの一番充実したメンバーを擁した「プット・イット・ホエア・ユー・ワント・イット」(ジョー・サンプル、スティックス・フーパー、ウェイン・ヘンダーソン、ウィルトン・フェルダー、そして、若き日のラリー・カールトンまで!)、そして、ジェームス・ブラウン(「ペイバック」、「コールド・スウェット」など)。司会者のダニー・レイのめちゃくちゃクールなMCぶりにも感銘した。そして、ここにはメイシオも、フレッド・ウェスリーもいる! スピナーズもリード、フィリップ・ウェインは故人だ。ロイド・プライス(「パーソナリティー」のヒット)やヒュー・マサケラ(南アフリカのトランペット奏者)が、主催者側の裏方で仕事をしていたのも印象的だった。もちろん、これは僕がブラック・ミュージック、ソウル系が好きだからこのあたりに目が行くのだが、ラテン、アフリカ系に詳しい方たちは、セリア・クルーズ、ファニア・オールスターズ、マヌ・ディバンゴなどに目が奪われる。
本当に、何でも記録しておくというのは、大事なことだなあ、とつくづく思う。(笑) こんな歴史的な映像が36年間も眠っていたなんて信じられない。
この試写の後、字幕監修をした中田亮さん、ラテン、アフリカ、ワールド・ミュージック全般に詳しい藤川理一さん、BMRの林剛さんらと映画についてのあれこれを熱い話し(マニアックとも、偏狭的とも言う)をしながらランチをした。これが実におもしろい話で、思わず、「これ、そのままトーク・ショーにしましょうよ」と提案してしまった。(笑)
(ということで、そのあたりについての『ソウル・パワー』の話はパート2へ続く)
■ DVD輸入盤『ソウル・パワー』(リージョン1ですので、ご注意ください)
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ENT>MOVIE>Soul Power
1 ■Soul Power
初コメントです。この映画、凄く興味あります。映画で見れるのは嬉しい限りですが、先にDVDを購入して見てしまいそう。JB好きなので、(女性でFunk好きは変わってるでしょうか?)JB始め関連アーティスト好きなので、絶対に見ます。