2010年01月31日(日) 02時57分40秒
soulsearchinの投稿
■ピーボ・ブライソン&レジーナ・ベル・ライヴ(パート1)
テーマ:ライヴ評・レポート
■ピーボ・ブライソン&レジーナ・ベル・ライヴ(パート1)
【Peabo Bryson & Regina Belle Live (Part 1)】
感動。
毎年初頭恒例ピーボ・ブライソンのライヴ。昨年(2009年)は2月に、当初はレジーナ・ベルを迎える予定だったが、急遽レジーナがだめになり(腫瘍除去手術だったらしい)、デニース・ウィリアムスとの2人のショーになった。とはいえ、僕個人は昨年はマーヴィン・ゲイの翻訳にかかりきりだったので行けなかった。なので、ピーボに会うのは2年ぶりということになる。
やっぱり彼の歌やレジーナの歌を聴くと、僕は本当に歌がうまいシンガーが好きなんだな、ということを再確認する。両者とも、文句などありません。ただその歌のうまさにひれ伏します。しかも、ピーボは徹底した営業路線。毎回おなじみ冒頭全員握手の儀式から始まる。僕が見た日はだいたい10分近くかけて全員と握手した。これを1日2ステージ、10回ほどやるんだから、並大抵のサーヴィス精神ではない。
この日感動の波は2度訪れた。「ミッシング・ユー」が始まる前、キーボードの音がゆるく静かに流れる中、彼はこんなことを話し始めた。
「僕は若かった頃、ハイチを訪ねる機会がありました。6ヶ月ほど滞在したんですが、そこでの経験はそれまでの人生にまったくなかった新鮮なものでした。そして、今CNNをつける度に、僕の心はとても痛みます。未だにハイチには友達がいるんです。今こそ、もっともつらい厳しい時期を過ごしているハイチの人々のために祈りを捧げたいと思います。多くの人に生き延びて欲しいと神に祈ろうと思います。そして不幸にも亡くなってしまった人たちにも神の祈りを捧げたい。
将来、僕も、そしてあなたたちも、この2010年という年を思い出すことでしょう。ある人々、ある場所、ある関係…。僕にはもちろん家族がいます。そして逝ってしまった友達…。僕は亡くなってしまったマイケル・ジャクソンを偲びたい。(I will miss Michael Jackson) 彼とは毎日電話をする仲ではありませんでした。でも、彼に会ったことが、つい昨日のように思われます。そして、とてもよい友達だったテディー・ペンダーグラスを偲びたいと思います。彼とは、何かの本について、イデオロギーについて、哲学について、何についてもさかんに議論したものです。そんなことが懐かしい。彼らの音楽、彼らとの友情、すべて思いだします。…そして、東京ブルーノートのみなさんにはそうしたお話をしておきたいと思いました。東京のみなさん、愛してます。(拍手)
僕は月曜日には日本を発ちますが、その瞬間からみなさんのことを恋しく思います。(I will miss you.) 僕は、みなさんと一緒にシェアできる時間に感謝したい。そして今日こうして僕があなたたちに歌うことが、将来、みなさんの語り草になればいいと思っています。僕は、顔をあわせface to face、あなたの目にeye to eye、あなたのソウルにsoul to soul、歌いたいと思います」(大意)
こういう前説があってから歌われる「ミッシング・ユー」。感動しないわけがない。途中からピーボは再び、ステージを降り、観客席を回った。目の前に来たピーボの目は、涙こそ溢れてなかったが、赤くなっていた。しかし、自分があれだけ感情移入して、涙が溢れそうなほどになっているのに、なんであんなにしっかり堂々と歌えるのだろうか。まさにプロ中のプロではないか。この曲の良さもあるが、僕はそんなところにも感動した。日本人のアイドル歌手だったら、涙で歌にならなくなる。
そして、ピーボの紹介でレジーナ・ベル、登場。アイズレーの「フォー・ザ・ラヴ・オブ・ユー」で暖めて、「みなさんの両親、子供たちの親であるみなさんへ捧げます」と言って歌い始めた「イフ・アイ・クド」。レジーナはほとんど顔を天井に向けて超熱唱だ。体すべてを使ったゴスペルをベースにした熱い厚い歌唱は、その声力でブルーノートを圧倒した。素晴らしい。以前、渋谷公会堂で見た記憶があるが、ずいぶん昔のこと。こんなに熱唱したかはっきりとした記憶がない。
「イフ・アイ・クド」は、僕の大好きな1曲だ。それは、このカールから聞いた話ゆえだ。何度か紹介しているが、こんなストーリーだ。
カール・アンダーソンの「イフ・アイ・クド」物語~「人生で一番高い買い物」
http://www.soulsearchin.com/entertainment/music/story/anderson199501.html
そのカールも2004年に亡くなっている。
2004/02/27 (Sat)
Carl Anderson Dies At 58: The Most Memorable Interview I've Ever Done
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200402/diary20040227.html
「イフ・アイ・クド」のレジーナの熱唱は、本当にショーストッパーでエンディングのところで、もうすでに客は立ち上がり、長くスタンディング・オヴェーションが続いた。これで、大感動だ。先週のマダム・ディーもすごい迫力だったが、レジーナもとんでもなく大迫力だった。
そして、レジーナとピーボでおなじみの「ホール・ニュー・ワールド」。いつもより長い1時間41分、観客は完全に2人の歌の世界にはまった。歌ものでは今年1番のショーだった。
(ピーボについては、続く予定。また「イフ・アイ・クド」も訳詞を紹介したい)
(ピーボ、レジーナは今日1月31日までブルーノート東京で)
■ ピーボ・ブライソン『ミッシング・ユー』(「ミッシング・ユー」は、ピーボのショーストッパー、歌詞もじっくり読んでください)
■レジーナ・ベル・ベスト 「イフ・アイ・クド」はいってます。
■ピーボ・ブライソン過去関連記事
2008年01月21日(月)
ピーボ・ブライソン来日,新作も
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20080121.html
2008年01月26日(土)
ピーボ、母と姉のために歌う
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20080126.html
2008年01月27日(日)
ピーボ・ブライソン(パート2)
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20080127.html
February 11, 2006
Norman Brown & Peabo Bryson Live
http://blog.soulsearchin.com/archives/000823.html
ギタリスト、ノーマン・ブラウンとのショウ。
September 14, 2005
Peabo Threw Roses For Ladies Only
http://blog.soulsearchin.com/archives/000516.html
バラを配るピーボ。
2003/10/01 (Wed)
"I’m Your Servant" Peabo Bryson Shook Hands With Every Audiences
http://www.soulsearchin.com/entertainment/music/live/diary20031001.html
私はあなたの僕(しもべ)です、とピーボは言う。
2002/10/08 (Tue)
If I Could
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200210/diary20021008.html
■メンバー
ピーボ・ブライソン(ヴォーカル)Peabo Bryson(vo)
レジーナ・ベル(ヴォーカル)Regina Belle(vo)
クリスティ・ホワイト(バック・ヴォーカル)Kristie White(back vo)
キム・ケイジ・ライリー(バック・ヴォーカル)Kim Cage Riley(back vo)
マイケル・ホスキン(サックス、パーカッション)Michael Hoskin(sax,per)
ダイアナ・デンティーノ(キーボード)Diana Dentino(key)
デイヴ・イワタキ(キーボード)Dave Iwataki(key)
ピーター・グラハム(ギター)Peter Graham(g)
ドゥワイト・ワトキンス(ベース、ヴォーカル)Dwight Watkins(b, vo)
ドゥワイト・スミス(ドラム)Dwight Smith(ds)
■ セットリスト
Setlist : Peabo Bryson & Regina Belle @ Bluenote Tokyo, January 28, 2010
show started 21:50
01. Intro
02. Heavenly
03. If Ever You're In My Arms Again
04. Tonight I Celebrate My Love (with Kristie)
05. If You Love Somebody Set Me Free [Sting]
06. King Of Sorrow [Sade]
07. Missing You
>Regina appeared on the stage
08. For The Love Of You [Isley Brothers, Whitney Houston]
09. If I Could [Carl Anderson, Ray Charles, Barbra Streisand]
10. Baby Come To Me (A riff of Freddie's Dead)
11. A Whole New World (+Peabo)
>Regina & Peabo left, Peabo came back
Enc. Ain't Nobody [Rufus]
show ended 23:31
(2010年1月28日木曜、東京ブルーノート=ピーボ・ブライソン、レジーナ・ベル・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Bryson, Peabo & Belle, Regina
2010-16
【Peabo Bryson & Regina Belle Live (Part 1)】
感動。
毎年初頭恒例ピーボ・ブライソンのライヴ。昨年(2009年)は2月に、当初はレジーナ・ベルを迎える予定だったが、急遽レジーナがだめになり(腫瘍除去手術だったらしい)、デニース・ウィリアムスとの2人のショーになった。とはいえ、僕個人は昨年はマーヴィン・ゲイの翻訳にかかりきりだったので行けなかった。なので、ピーボに会うのは2年ぶりということになる。
やっぱり彼の歌やレジーナの歌を聴くと、僕は本当に歌がうまいシンガーが好きなんだな、ということを再確認する。両者とも、文句などありません。ただその歌のうまさにひれ伏します。しかも、ピーボは徹底した営業路線。毎回おなじみ冒頭全員握手の儀式から始まる。僕が見た日はだいたい10分近くかけて全員と握手した。これを1日2ステージ、10回ほどやるんだから、並大抵のサーヴィス精神ではない。
この日感動の波は2度訪れた。「ミッシング・ユー」が始まる前、キーボードの音がゆるく静かに流れる中、彼はこんなことを話し始めた。
「僕は若かった頃、ハイチを訪ねる機会がありました。6ヶ月ほど滞在したんですが、そこでの経験はそれまでの人生にまったくなかった新鮮なものでした。そして、今CNNをつける度に、僕の心はとても痛みます。未だにハイチには友達がいるんです。今こそ、もっともつらい厳しい時期を過ごしているハイチの人々のために祈りを捧げたいと思います。多くの人に生き延びて欲しいと神に祈ろうと思います。そして不幸にも亡くなってしまった人たちにも神の祈りを捧げたい。
将来、僕も、そしてあなたたちも、この2010年という年を思い出すことでしょう。ある人々、ある場所、ある関係…。僕にはもちろん家族がいます。そして逝ってしまった友達…。僕は亡くなってしまったマイケル・ジャクソンを偲びたい。(I will miss Michael Jackson) 彼とは毎日電話をする仲ではありませんでした。でも、彼に会ったことが、つい昨日のように思われます。そして、とてもよい友達だったテディー・ペンダーグラスを偲びたいと思います。彼とは、何かの本について、イデオロギーについて、哲学について、何についてもさかんに議論したものです。そんなことが懐かしい。彼らの音楽、彼らとの友情、すべて思いだします。…そして、東京ブルーノートのみなさんにはそうしたお話をしておきたいと思いました。東京のみなさん、愛してます。(拍手)
僕は月曜日には日本を発ちますが、その瞬間からみなさんのことを恋しく思います。(I will miss you.) 僕は、みなさんと一緒にシェアできる時間に感謝したい。そして今日こうして僕があなたたちに歌うことが、将来、みなさんの語り草になればいいと思っています。僕は、顔をあわせface to face、あなたの目にeye to eye、あなたのソウルにsoul to soul、歌いたいと思います」(大意)
こういう前説があってから歌われる「ミッシング・ユー」。感動しないわけがない。途中からピーボは再び、ステージを降り、観客席を回った。目の前に来たピーボの目は、涙こそ溢れてなかったが、赤くなっていた。しかし、自分があれだけ感情移入して、涙が溢れそうなほどになっているのに、なんであんなにしっかり堂々と歌えるのだろうか。まさにプロ中のプロではないか。この曲の良さもあるが、僕はそんなところにも感動した。日本人のアイドル歌手だったら、涙で歌にならなくなる。
そして、ピーボの紹介でレジーナ・ベル、登場。アイズレーの「フォー・ザ・ラヴ・オブ・ユー」で暖めて、「みなさんの両親、子供たちの親であるみなさんへ捧げます」と言って歌い始めた「イフ・アイ・クド」。レジーナはほとんど顔を天井に向けて超熱唱だ。体すべてを使ったゴスペルをベースにした熱い厚い歌唱は、その声力でブルーノートを圧倒した。素晴らしい。以前、渋谷公会堂で見た記憶があるが、ずいぶん昔のこと。こんなに熱唱したかはっきりとした記憶がない。
「イフ・アイ・クド」は、僕の大好きな1曲だ。それは、このカールから聞いた話ゆえだ。何度か紹介しているが、こんなストーリーだ。
カール・アンダーソンの「イフ・アイ・クド」物語~「人生で一番高い買い物」
http://www.soulsearchin.com/entertainment/music/story/anderson199501.html
そのカールも2004年に亡くなっている。
2004/02/27 (Sat)
Carl Anderson Dies At 58: The Most Memorable Interview I've Ever Done
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200402/diary20040227.html
「イフ・アイ・クド」のレジーナの熱唱は、本当にショーストッパーでエンディングのところで、もうすでに客は立ち上がり、長くスタンディング・オヴェーションが続いた。これで、大感動だ。先週のマダム・ディーもすごい迫力だったが、レジーナもとんでもなく大迫力だった。
そして、レジーナとピーボでおなじみの「ホール・ニュー・ワールド」。いつもより長い1時間41分、観客は完全に2人の歌の世界にはまった。歌ものでは今年1番のショーだった。
(ピーボについては、続く予定。また「イフ・アイ・クド」も訳詞を紹介したい)
(ピーボ、レジーナは今日1月31日までブルーノート東京で)
■ ピーボ・ブライソン『ミッシング・ユー』(「ミッシング・ユー」は、ピーボのショーストッパー、歌詞もじっくり読んでください)
ピーボ・ブライソン
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売り上げランキング: 89460
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■レジーナ・ベル・ベスト 「イフ・アイ・クド」はいってます。
ザ・ベスト・オブ・レジーナ・ベル
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レジーナ・ベル ジェームス・JT・テイラー ピーボ・ブライソン
ソニーレコード (1998-04-22)
売り上げランキング: 24055
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■ピーボ・ブライソン過去関連記事
2008年01月21日(月)
ピーボ・ブライソン来日,新作も
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20080121.html
2008年01月26日(土)
ピーボ、母と姉のために歌う
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20080126.html
2008年01月27日(日)
ピーボ・ブライソン(パート2)
http://ameblo.jp/soulsearchin/day-20080127.html
February 11, 2006
Norman Brown & Peabo Bryson Live
http://blog.soulsearchin.com/archives/000823.html
ギタリスト、ノーマン・ブラウンとのショウ。
September 14, 2005
Peabo Threw Roses For Ladies Only
http://blog.soulsearchin.com/archives/000516.html
バラを配るピーボ。
2003/10/01 (Wed)
"I’m Your Servant" Peabo Bryson Shook Hands With Every Audiences
http://www.soulsearchin.com/entertainment/music/live/diary20031001.html
私はあなたの僕(しもべ)です、とピーボは言う。
2002/10/08 (Tue)
If I Could
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200210/diary20021008.html
■メンバー
ピーボ・ブライソン(ヴォーカル)Peabo Bryson(vo)
レジーナ・ベル(ヴォーカル)Regina Belle(vo)
クリスティ・ホワイト(バック・ヴォーカル)Kristie White(back vo)
キム・ケイジ・ライリー(バック・ヴォーカル)Kim Cage Riley(back vo)
マイケル・ホスキン(サックス、パーカッション)Michael Hoskin(sax,per)
ダイアナ・デンティーノ(キーボード)Diana Dentino(key)
デイヴ・イワタキ(キーボード)Dave Iwataki(key)
ピーター・グラハム(ギター)Peter Graham(g)
ドゥワイト・ワトキンス(ベース、ヴォーカル)Dwight Watkins(b, vo)
ドゥワイト・スミス(ドラム)Dwight Smith(ds)
■ セットリスト
Setlist : Peabo Bryson & Regina Belle @ Bluenote Tokyo, January 28, 2010
show started 21:50
01. Intro
02. Heavenly
03. If Ever You're In My Arms Again
04. Tonight I Celebrate My Love (with Kristie)
05. If You Love Somebody Set Me Free [Sting]
06. King Of Sorrow [Sade]
07. Missing You
>Regina appeared on the stage
08. For The Love Of You [Isley Brothers, Whitney Houston]
09. If I Could [Carl Anderson, Ray Charles, Barbra Streisand]
10. Baby Come To Me (A riff of Freddie's Dead)
11. A Whole New World (+Peabo)
>Regina & Peabo left, Peabo came back
Enc. Ain't Nobody [Rufus]
show ended 23:31
(2010年1月28日木曜、東京ブルーノート=ピーボ・ブライソン、レジーナ・ベル・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Bryson, Peabo & Belle, Regina
2010-16