◆『マイケル・ジャクソン全記録 1958-2009』~緊急発売決定 (パート3)
テーマ:マイケル・ジャクソン関連【Michael Jackson Visual Documentary】
新バイブル。
初版の『マイケル・ジャクソン観察日誌』が、マイケル・ファンのバイブルになって、ヤフオクなどで高い値段がついていたことは知っていた。なので、早く、この新版を出したいと思っていた。実は7月に、これを出した当時の編集者に、新版は出さないのですか、と打診したところ、ちょうど、この新版の売り込みがあって、小学館でも検討していた。しかし、編集会議で、正式に小学館では出せないという結論が出た、ということだった。ひじょうに残念に思ったが、いずれどこからか出るだろうとは思っていた。たぶん、その後いくつかの出版社に打診が行き、今回のユーメイド社がいくつかの競争から勝ち抜いて出版権を獲得したのだろう。結局、ユーメイド社からお声がけいただき、幸運だった。
この新版の見所はいくつもあるが、特にリサ・マリーがマイケル逝去に関して彼女のブログに書いた文章は、感動的だ。日本版でも2ページにわたる長文になった。リサとマイケルがかつてじっくりと話をしたときにマイケルはこう言ったという。「僕(マイケル)は彼(エルヴィス・プレスリー)のように死ぬんだと思う。彼がそうだったようにね」 もちろん、リサはそんなことはないと、その考えを止めさせようとする。
そして、途中にさまざまなストーリーがあり、リサはこう締めくくる。「~~ここに座って、今までの私の最大の失敗となるものに対しての悲しみ、反省、混乱に圧倒され、ニュースを観ていますが、それはほとんど1977年8月16日(エルヴィスの命日)に起こるのを見ていたまさにそのシナリオが一幕ごとそのまま、今再びマイケルに起こっている(私が2度と見たくなかった光景だ)。彼が予言した通りに。~~」
リサとマイケルがそんな話をしたのはおよそ15年くらい前だという。
もうひとつ、今回翻訳していて、ひじょうに印象に残った言葉があった。それは2005年3月30日付けの事項のところで、ボクシング界のスーパースター、モハメド・アリがノルウェイの新聞に語ったというコメントだ。「どこから(モハメド・アリの)力が沸いてくるのかと尋ねられた時、私(アリ)はこう答えている。私はマイケル・ジャクソンが見ている男と同じ男を見ている。その男とは、マイケルの鏡に映る男(マン・イン・ザ・ミラー)なのだ。(そこから力を得ている)」
モハメド・アリなりのマイケルへの支持とも受け取れる一方、アリ自身への応援歌としてマイケルを見ているとも受け取れる。マイケルが受けている様々な困難、苦難を、アリ自身が経験してきた困難、苦難とかぶらせて見たのかもしれない。アリ自身も、アメリカの白人メディアにはさんざんやられてきた。マイケルを見て、我がことのように思ったとしても不思議ではない。アリはマイケルが果敢にそうしたバッシングに向かって、強く立ち向かっていたと見ていたのだろう。
この言葉を読んだとき、マイケルが鏡の中で見ていた男(マン・イン・ザ・ミラー)に、マイケルはどのような気持ちを持っていたのだろうか、という思いを馳せた。アリが感じたほど、マイケルは強かったのか、と今になっては思う。
事実の積み重ねだけが、真実への唯一の道。郷太氏のキャッチコピーはこれだ。「圧倒的な事実の積み重ねの向こうにしか、『本当のマイケル』は見えてこない」
『マイケル・ジャクソン全記録 1958-2009』が、マイケル・ファンの新たなるバイブルになって欲しいと思う。
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