2009年08月03日(月) 03時08分38秒 soulsearchinの投稿

△マリーナ・ショウとドリーム・チームによるドリーミーな夜

テーマ:ライヴ評・レポート
(ライヴの内容がでます。これからごらんになる方はご注意ください)

【マリーナ・ショウとドリーム・チームによるドリーミーな夜~1974年産ワインを2009年に開栓】

熟成。

しかし、こんなことができるんだ。35年前にレコーディングされ、今では名盤の誉れ高いアルバムの作品を、ほぼそのメンバーによってライヴで再現する。みんな長生きをすればいいことがある。

1974年12月に録音されたマリーナ・ショウのアルバム『フー・イズ・ディス・ビッチ、エニウェイ?』を、再現するライヴ。アルバムに参加したギターのデイヴィッド・T・ウォーカー、ドラムスのハーヴィー・メイソン、ベースのチャック・レイニー、ピアノのラリー・ナッシュがマリーナのバックを支えて、この通称『ビッチ』アルバムをほぼ全曲、目の前でやった。レコードではセカンド・ギターにラリー・カールトンだが、もし彼も来れば完璧だ。

この日はビルボードも、まさにこの『ビッチ』を聴き込んだと思われるファンが詰め掛け、超満員。年齢層が高く、観客の音楽熱中度も高い。

暗転してドリーム・チームがステージに上がるとそれに続いて、杖をついたマリーナがステージへの段を少しよろよろしながら上がる。しかし、中央に進みマイクを握り、一声発っするや、そんなよろよろが嘘のようにしゃきっとする。ミュージシャンにしろ、シンガーにしろ、この年代の人たちは、ステージに上がるまではよろよろしてても、その楽器やマイクの前に来た瞬間、神のエネルギーでも補充されるのか、ぴーんとするからすごい。

『ビッチ』からのアルバムを全曲歌うが、レコードよりソロ・パートがふんだんにプレイされる。たとえば「ローズ・マリー」などではデイヴィッド・Tのソロが披露されるが、彼はそのとき立ち上がってプレイする。「フィール・ライク・メイキン・ラヴ」のソロでもそうだ。それにしても、デイヴィッド・Tを始めミュージシャンたちは、よくシンガー(マリーナ)の歌を聴いている。まさに完璧な歌伴(歌の伴奏)だ。

マリーナが曲間でしゃべるとき、ラリー・ナッシュがぽろぽろと、BGMを弾くのもいい雰囲気だ。「ストリート・ウォーキング・ウーマン」でのイントロの男女の会話は、ここではマリーナとドラムスのハーヴィー・メイソンがやった。これもなかなか雰囲気をだしたナレーション。

「ユー・トート・ミー・ハウ・トゥ・スピーク・イン・ラヴ」を歌うとき、思い切って「いとしのエリー」とマッシュアップしてもおもしろかったかもしれない。日本なら受ける。

セットが終わった後の拍手が細かく、熱く、そして長い。まさにこれぞスタンディング・オヴェーションだ。こうなったら、曲順までアルバムそっくりそのままやるセットがあってもいいかもしれない。これは、彼らドリーム・チームのミュージシャンを揃えたビルボードの企画の勝利だ。

マリーナは1942年9月22日生まれの66歳、デイヴィッド・T・ウォーカー、1941年6月25日生まれの68歳。ハーヴィー・メイソン、1947年2月22日生まれの62歳、チャック・レイニー、1940年6月17日生まれの69歳、(ラリー・ナッシュだけ誕生日不明)、みんな35年前は30歳代だった。

デイヴィッド、ハーヴィー、チャック、ラリー、彼らとマリーナの間に横たわる35年。それはワインを十分に熟成させる期間だった。1974年カリフォルニア産マリーナ・ワインのボトルを2009年に開けて、今夜たっぷりと味わった。

サイン会には、デイヴィッド、チャック、マリーナも登場。長蛇の列が連なっていた。みな、その手には『ビッチ』のアルバムが。

吉岡正晴のソウル・サーチン

吉岡正晴のソウル・サーチン

(ライヴは今日2009年8月2日最終。)

■ 『フー・イズ・ジス・ビッチ、エニウェイ』マリーナ・ショウ名盤

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マリーナ・ショウ
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■マリーナ・ショウ過去記事

2003/12/08 (Mon)
Marlena Shaw: Storyteller Tells Her Own Story
ストーリーテラー。
http://soulsearchin.com/soul-diary/archive/200312/diary20031208.html
ちょっとしたインタヴュー記事。

2003/12/05 (Fri)
Marlena Shaw: What A Wonderful Her World
自由自在。
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200312/diary20031205.html
ライヴ評。

■ メンバー

マリーナ・ショウ
featuring チャック・レイニー / デイヴィッド・ T ・ウォーカー
ハーヴィー・メイソン / ラリー・ナッシュ
Marlena Shaw
featuring Chuck Rainey(Bass) / David T. Walker(Guitar) / Harvey Mason(Drums) / Larry Nash (Keyboards)

■セットリスト
Setlist: Marlena Shaw @ Billboard Live Tokyo, August 2, 2009

show started 21:07
01. You Been Away Too Long
02. Street Walking Woman
03. Davy
04. Rose Marie (Mon Cherie)
05. Feel Like Makin' Love
06. You
07. You Taught Me How To Speak In Love
08. Let It Shine
Enc. Loving You Was Like A Party
show ended 22:23

(2009年8月2日日曜、ビルボード・ライヴ東京=マリーナ・ショウ・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Shaw, Marlena

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