○オマー、マイケル・ジャクソン、マーヴィン・ゲイを語る~ ハーレム・ナイツ(パート2)
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キリスト。
「オオッ~~、ソウル・サーチャーッ!」といってオマーがハグしてきた。2009年3月の映画『メトロポリス』とのジョイント・イヴェント(ランドマーク・ホール)以来だから、4ヶ月ぶりのことだ。昨年7月から彼は4回も日本に来ている。すっかり日本通だ。
ちょうどファースト・セットが終わったところで楽屋を訪ね、彼に挨拶した。オマーがオープニングでマイケル・ジャクソンの「ハートブレイク・ホテル」(レコードではジャクソンズ)をやったのを受け、マイケルの話しに。
「いやあ、右、左って紙を破いて、正面のを破って出てきたのには、とても興奮したよ」 「おお、そうか、それは嬉しいな」
「ちょっとお願いが」「なんだ?」「実はマーヴィン・ゲイの自伝を翻訳したんだけど、この本を持ってブログ用に写真撮らせてもらいたいんだけど」 「いいよ」
最初、普通に立って撮影したところ、それを見て、「だめだ、やり直そう」と言って、椅子に座り、本を読んでる風にしてくれた。「ちゃんと、マーヴィンの写真が映るように撮れよ」 なんでも、徹底している。
そのときの写真↓
http://ameblo.jp/divided-soul/day-20090729.html
一緒に行った岡さんが、オマーのスニーカーを見せてもらって感心している。「ほんとに、普通のスニーカーなんですね」 底に金具が付いているのが違いだ。
オマーがマーヴィンとマイケルについて語りだした。「マーヴィンも、マイケルも僕にいわせると、どちらも『Beautiful tragedy』(美しき悲劇)だ。彼らのような存在のアーティストは、活動がのこぎりでパッと切ったみたいに、突然切られてしまうんだ。そして、誰にでも、何でも起こってしまうということだ。ある日、若くして君は死んでしまうかもしれない。大きなスケールの中で、すべてが起こる。ビッグに生きてきた人間は、死ぬ時もビッグ(衝撃的)なんだよ。これは、ある意味で『Perfect balance』(完璧なバランス)なんだ。いいか、マーヴィンもマイケルも、そしてキリストも苦しみを経験してきた」
マーヴィンとマイケルの死をキリストと同列に語った男は初めてだった。僕にとっても衝撃のコメントだ。
どうやってそんな人生の哲学を学んだのか、と尋ねた。何か本でも読んだのかと思った。答えはシンプルだった。「I studied life(僕は人生を勉強してるんだ)」
さらにオマーは続けた。「僕には母がいない。いや、生んでくれた母はいるが、育ててくれたのは実際の母ではない。でも、いろいろな母がいるんだ。祖母が実際に僕を育ててくれた。父もいなかったが、伯父さんが父だった。それから、僕にはたくさんのメンター(よき師、先輩)がいた。僕は人生を学び、女性を学び、人間のネイチャー(性質)を学んだ。女性を学ぶといってもセックスのことじゃない。女性の直感、洞察力はすごい。そうしたものが、僕が洋服を着るとき、音楽を作るとき、踊るとき、影響を与える。僕も直感で音楽を作り、踊りをクリエイトする。人生とは、男が常に学び続けなければならないことだ。そこに何人かの人間を集めて、人生について語り合う。僕はそれを世界中のあらゆるところでやってきたんだよ。人生についての自然な話しだ。年老いた男と、若い男と、あらゆる国の男と語り合う。そうやっているうちに、『nature of life(人生の特性、人生の本質)』を学ぶことができる」
なんでたかが立ち話で、こんな話しになるんだろう。(笑)オマーは、ディープな男だ。
(下記の過去記事を読み返すと、彼が実にいろいろと考え、話をすることがよくわかります)
■オマー・エドワーズ過去関連記事 (オマーの人となりがよくわかります)
October 23, 2008
Omar Is Rhythm, Omar Is Music, Omar Is Singer: We Hear Omar’s Songs
【オマーのタップからオマーの歌が聴こえてくる】
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200810/2008_10_23.html
October 25, 2008
Omar Edwards Talks (Part 2) : After The Dance
【オマー、電撃的タップ・ダンスの後に語る】
http://blog.soulsearchin.com/archives/2008_10_25.html
October 26, 2008
Omar Edwards (Part 3) : Talks About His Life: I Am Soul Dancer
【オマー(パート3)、人生を語る】
http://blog.soulsearchin.com/archives/2008_10_26.html
October 27, 2008
Omar (Part 4): I Am Singing, Space Is Most Important Thing
【オマー・エドワーズ(パート4)~足と体で歌うオマー】
http://blog.soulsearchin.com/archives/2008_10_27.html
ENT>ARTIST>Omar, Edwards
ENT>LIVE>Harlem Nights
1 ■得心
「美しき悲劇」と「完璧なバランス」、それで得心がいきました。先日録画したマイケルデビュー30周年のライブ映像を観るたび、たまらない気持ちになりましたが、そういうことだったのかとすごく納得することができました。
それにしても、この二言で全てを明らかにするとは、オマーさんとはどんな方なんでしょう。
納得させられるだけではなく、この二つの言葉はとても美しいと感じました。