2009年07月29日(水) 05時52分41秒
soulsearchinの投稿
■ロバータ・フラック・ライヴ~マイケル・ジャクソンに捧げる
テーマ:ブログ
■ロバータ・フラック~マイケル・ジャクソンに捧げる
【ロバータ・フラック~マイケル・ジャクソンに捧げる】
追悼。
マイケル・ジャクソンのショート・フィルム「バッド(Bad)」(1987年)の曲に入る前のシーン。マイケルは東部の学校での優秀な生徒ダリルを演じている。学期が終わり家に戻ると、そこは母子家庭なのか、母親がタイプライターに手書きの手紙を挟んでいる。文字がアップに映し出され、それを女性の声が読み上げる。「ダリル、お帰りなさい。私は仕事にでているわ。サンドウィッチが冷蔵庫にあります。7時に戻ります。ラヴ、ママ」 母性豊かなやさしい温かなナレーションだ。この声の主こそ、ロバータ・フラックだ。
ロバータの2007年4月、2008年3月に続くライヴ。ドラムス、ベース、キーボード、サックス、バック・ヴォーカルの5人にロバータ・フラックというバンド編成。冒頭いきなりマイケル・ジャクソンの作品3曲をメドレーで歌った。最初の2曲はバンドメンバーが、そして、「ユー・アー・ノット・アローン」から、ロバータがステージに上がってきた。最近の海外アーティストは誰もが必ずなにかしらのマイケル・トリビュートを行う。この日の観客は若干静か目だったが、ロバータはかなりノリノリの様子。
ロバータがステージに上がるとそれだけで、存在感のオーラが一挙に漂う。おそらく、ロバータ・クラスになると、その日のパフォーマンスの出来不出来などはほとんど関係なく、過去30年なり40年の音楽家としての積み重ねがオーラとして毎晩ステージから客席に向かって飛び出していくのだろう。つまり存在感だ。彼女がステージに出て、声をだしただけで、涙が溢れるというファンの声も聞く。母性あふれる声、息子にサンドウィッチを作り置きして仕事にでかける母親のやさしさといったものが、声そのものに宿っているのだろう。だからそこに感動する。
ロバータは事前にセットリストを決めない。だから、ほぼその場の雰囲気で次に歌われる曲が決まる。そして観客とのコール&レスポンスを楽しむ。ミュージシャンも次の曲は、ロバータが歌いだし、あるいはピアノを弾き出してからわかる。サックスのアルチューロに「ワインライト」を吹かせている間、ロバータはピアノの上の楽譜をパラパラとめくり、次に何を歌おうか考えていた。そのライヴのスポンテニアス(自発的、即興的)度合いは、まさにジェームス・ブラウン以上のものかもしれない。
この日このセットで驚いたのは、「フィール・ライク・メイキング・ラヴ」が御終わるか終わらないかのところでいきなり、「ノー・ウーマン、ノー・クライ」をやりだしたところ。また、本編最後の「ラヴ・ミー・イン・ア・スペシャル・ウェイ」で、客席をぐるりと一周まわったかと思うとステージに戻り、「さあ、(アンコールを)選んで。『バック・トゥゲザー・アゲイン』か、『ザ・ファースト・タイム…』か、『クローサー・アイ・ゲット・トゥ・ユー』か…」 はっきりした返事が観客から来なかったので、ロバータは、スローの名曲「アイル・スタンド・バイ・ユー」を歌った。途中で彼女は言った。「世界は、本当に混乱してます。でも、音楽だけは人々をひとつにできるものです。他にそんなものはないでしょう!」(観客から拍手)
この日のパフォーマンスは彼女にとっては普通の標準的なライヴだろう。しかし、多くの客にこの日のパフォーマンスはワン&オンリーのものだったと感じさせてしまう。ロバータにはそんなマジックがある。70歳を超えて、この声、このパフォーマンス。それもマジックだ。
■ ロバータのベスト。(大体のヒットは入ってます)
■ 名盤『やさしく歌って』(ネスカフェのCMでもおなじみ曲)
■ 過去関連記事
March 08, 2008
Roberta Flack Live: Audience Set Her Soul On Fire
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200803/2008_03_08.html
前回ライヴ評。
April 18, 2007
Roberta Flack; The Night Marvin Gaye Comes Down
http://blog.soulsearchin.com/archives/001719.html
April 19, 2007
Roberta Flack: Very Spontaneous Live Performance
http://blog.soulsearchin.com/archives/001720.html
前々回ライヴ評。
■ メンバー
ロバータ・フラック(ヴォーカル、ピアノ)Roberta Flack(vo,p)
アルチューロ・タッピン(サックス、フルート)Arturo Tappin(sax,flute)
シェルトン・ベクトン(キーボード、ミュージカル・ディレクター)Shelton Becton(key,musical director)
ニコラス・ブランカー(ベース)Nicholas Brancker(b)
チェ・マーシャル(ドラムス)Che Marshall(ds)
デリック・ヒューズ(バック・ヴォーカル)Derick Hughes(back vo)
■セットリスト ロバータ・フラック
Setlist : Roberta Flack @ Bluenote Tokyo, July 28, 2009
show started 21:34
01. I Can't Help It [Michael Jackson] (Derick Hughes)
02. Got To Be There [Michael Jackson] (Shelton Becton)
03. You Are Not Alone [Michael Jackson] (Roberta Flack)
04. Killing Me Softly With His Song
05. Do What You Gotta Do(?)
06. Marvin Gaye Medley: Inner City Blues (Make Me Wanna Holler) / Save The Children / Mercy Mercy Me
07. Winelight [Grover Washington Jr.](Instrumental)
08. Feel Like Makin' Love
09. No Woman, No Cry [Bob Marley]
10. Tonight I Celebrate My Love
11. (Things You Should Know)(??)
12. Soft And Gentle Rain
13. (End Theme) Love Me In A Special Way [Debarge]
14. (Encore) I'll Stand By You
show ended 22:45
(2009年7月28日火曜、東京ブルーノート=ロバータ・フラック・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Flack, Roberta
2009-81
【ロバータ・フラック~マイケル・ジャクソンに捧げる】
追悼。
マイケル・ジャクソンのショート・フィルム「バッド(Bad)」(1987年)の曲に入る前のシーン。マイケルは東部の学校での優秀な生徒ダリルを演じている。学期が終わり家に戻ると、そこは母子家庭なのか、母親がタイプライターに手書きの手紙を挟んでいる。文字がアップに映し出され、それを女性の声が読み上げる。「ダリル、お帰りなさい。私は仕事にでているわ。サンドウィッチが冷蔵庫にあります。7時に戻ります。ラヴ、ママ」 母性豊かなやさしい温かなナレーションだ。この声の主こそ、ロバータ・フラックだ。
ロバータの2007年4月、2008年3月に続くライヴ。ドラムス、ベース、キーボード、サックス、バック・ヴォーカルの5人にロバータ・フラックというバンド編成。冒頭いきなりマイケル・ジャクソンの作品3曲をメドレーで歌った。最初の2曲はバンドメンバーが、そして、「ユー・アー・ノット・アローン」から、ロバータがステージに上がってきた。最近の海外アーティストは誰もが必ずなにかしらのマイケル・トリビュートを行う。この日の観客は若干静か目だったが、ロバータはかなりノリノリの様子。
ロバータがステージに上がるとそれだけで、存在感のオーラが一挙に漂う。おそらく、ロバータ・クラスになると、その日のパフォーマンスの出来不出来などはほとんど関係なく、過去30年なり40年の音楽家としての積み重ねがオーラとして毎晩ステージから客席に向かって飛び出していくのだろう。つまり存在感だ。彼女がステージに出て、声をだしただけで、涙が溢れるというファンの声も聞く。母性あふれる声、息子にサンドウィッチを作り置きして仕事にでかける母親のやさしさといったものが、声そのものに宿っているのだろう。だからそこに感動する。
ロバータは事前にセットリストを決めない。だから、ほぼその場の雰囲気で次に歌われる曲が決まる。そして観客とのコール&レスポンスを楽しむ。ミュージシャンも次の曲は、ロバータが歌いだし、あるいはピアノを弾き出してからわかる。サックスのアルチューロに「ワインライト」を吹かせている間、ロバータはピアノの上の楽譜をパラパラとめくり、次に何を歌おうか考えていた。そのライヴのスポンテニアス(自発的、即興的)度合いは、まさにジェームス・ブラウン以上のものかもしれない。
この日このセットで驚いたのは、「フィール・ライク・メイキング・ラヴ」が御終わるか終わらないかのところでいきなり、「ノー・ウーマン、ノー・クライ」をやりだしたところ。また、本編最後の「ラヴ・ミー・イン・ア・スペシャル・ウェイ」で、客席をぐるりと一周まわったかと思うとステージに戻り、「さあ、(アンコールを)選んで。『バック・トゥゲザー・アゲイン』か、『ザ・ファースト・タイム…』か、『クローサー・アイ・ゲット・トゥ・ユー』か…」 はっきりした返事が観客から来なかったので、ロバータは、スローの名曲「アイル・スタンド・バイ・ユー」を歌った。途中で彼女は言った。「世界は、本当に混乱してます。でも、音楽だけは人々をひとつにできるものです。他にそんなものはないでしょう!」(観客から拍手)
この日のパフォーマンスは彼女にとっては普通の標準的なライヴだろう。しかし、多くの客にこの日のパフォーマンスはワン&オンリーのものだったと感じさせてしまう。ロバータにはそんなマジックがある。70歳を超えて、この声、このパフォーマンス。それもマジックだ。
■ ロバータのベスト。(大体のヒットは入ってます)
ザ・ヴェリー・ベスト・オブ・ロバータ・フラック
posted with amazlet at 09.07.29
ロバータ・フラック ロバータ・フラック&マキシ・プリースト ロバータ・フラック&ダニー・ハサウェイ ピーボー・ブライソン&ロバータ・フラック ダニー・ハサウェイ
ワーナーミュージック・ジャパン (2006-06-21)
売り上げランキング: 64136
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■ 名盤『やさしく歌って』(ネスカフェのCMでもおなじみ曲)
ロバータ・フラック
Warner Music Japan =music= (2008-09-24)
売り上げランキング: 19060
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売り上げランキング: 19060
■ 過去関連記事
March 08, 2008
Roberta Flack Live: Audience Set Her Soul On Fire
http://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200803/2008_03_08.html
前回ライヴ評。
April 18, 2007
Roberta Flack; The Night Marvin Gaye Comes Down
http://blog.soulsearchin.com/archives/001719.html
April 19, 2007
Roberta Flack: Very Spontaneous Live Performance
http://blog.soulsearchin.com/archives/001720.html
前々回ライヴ評。
■ メンバー
ロバータ・フラック(ヴォーカル、ピアノ)Roberta Flack(vo,p)
アルチューロ・タッピン(サックス、フルート)Arturo Tappin(sax,flute)
シェルトン・ベクトン(キーボード、ミュージカル・ディレクター)Shelton Becton(key,musical director)
ニコラス・ブランカー(ベース)Nicholas Brancker(b)
チェ・マーシャル(ドラムス)Che Marshall(ds)
デリック・ヒューズ(バック・ヴォーカル)Derick Hughes(back vo)
■セットリスト ロバータ・フラック
Setlist : Roberta Flack @ Bluenote Tokyo, July 28, 2009
show started 21:34
01. I Can't Help It [Michael Jackson] (Derick Hughes)
02. Got To Be There [Michael Jackson] (Shelton Becton)
03. You Are Not Alone [Michael Jackson] (Roberta Flack)
04. Killing Me Softly With His Song
05. Do What You Gotta Do(?)
06. Marvin Gaye Medley: Inner City Blues (Make Me Wanna Holler) / Save The Children / Mercy Mercy Me
07. Winelight [Grover Washington Jr.](Instrumental)
08. Feel Like Makin' Love
09. No Woman, No Cry [Bob Marley]
10. Tonight I Celebrate My Love
11. (Things You Should Know)(??)
12. Soft And Gentle Rain
13. (End Theme) Love Me In A Special Way [Debarge]
14. (Encore) I'll Stand By You
show ended 22:45
(2009年7月28日火曜、東京ブルーノート=ロバータ・フラック・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Flack, Roberta
2009-81