2009年05月02日(土) 05時17分34秒 soulsearchinの投稿

◆フィリップ・ウー・ライヴ(パート1)~東京1ソウルなバンド

テーマ:ブログ

◆【フィリップ・ウー・ライヴ(パート1)】

ファミリー。

定期的にこのブルース・アレイなどで行われている日本一ファンキーなキーボード奏者、フィリップ・ウーとそのファミリーのソウルフルなライヴ。今回のタイトルは、「ゴールデン・ウイーク・オブ・ソウル」。そのまんま。(笑)

一言で言うと、今回のはセットリストもすごくよく、ライヴも適度の緊張があり、観客のリアクションもよかったので、全員のパフォーマンスがものすごく集中していた。今まで見た数多くのフィリップのライヴの中でひょっとして一番よかったくらいに思えた。

今回も、ほとんどの曲でリード・ヴォーカルを取るブレンダ・ヴォーンが歌で圧倒する部分もあったが、途中入るキーボード・ソロがいつになく熱く盛り上がった。特に「ユー・センド・ミー」などのピアノでの、チャーチ・フィーリングとグルーヴ感はすごい。なんでここまでグルーヴ感が出るのだろう。圧巻だ。続くファースト・セット最後の「僕たちは、ポップもソウルも、ジャズもファンクもゴスペルもやるけど少しブルーズをやろう」と言って始まった「ドクター・フィールグッド」は10分近くのブレンダの熱唱が観客を一気に掴んで会場をひとつにした。フィリップもこの日のプレイはいつになく熱かった。この曲のハモンド・オルガンも最高だ。そしてハンコ屋さんのギタープレイも、ソロのところで思い切りファンキーになる。才能ある演奏家は、やる楽曲、周りのミュージシャンたちとのヴァイヴでいくらでも変幻自在なのだ。

見所はいくつもあるが、そのひとつはドラムス。今回のドラマーは当初のジェイ・スティックスから新進気鋭のフェイクーに変更。最近日本にやってきて、音楽シーンに衝撃を与え始めている強力なニューヨーク出身のドラマーだ。音源は聴いていたが、初めてライヴを見た。軸がぶれずかなりいい。日本に正式に本拠を置いたら、かなりの売れっ子になることはまちがいない。すでにあちこちで遊びでジャム・セッションに参加し、業界内で急速に名前を広めている。そのプレイを見て、デニス・チェンバースを思い出したが、なんと後でスティックを見せてもらったら、デニスのロゴが入ったものだった。譜面も読んで書け、スタジオでもライヴでもどちらもOKとのことだ。

今回のゲストは、ゲイリー・アドキンスと木下航志。ゲイリーは、まずスタイリスティックスなどで有名な「ベチャ・バイ・ゴーリー・ワウ」を。これをブレンダとデュエット。スタイリスティックスのファルセット、ラッセル・トンプキンスを彷彿とさせる美しい声が印象的だ。また、セカンドではステファニー・ミルズで有名なプリンスの「ハウ・カム・ユー…」をゲイリーとデュエットしたが、これがセリフのやりとりも最高でおもしろかった。女性目線で、ブレンダが「なんであなた最近、私に電話してくれないの?」 すると、ゲイリーが「君のところに電話しても、他の男がでるじゃないか」。ブレンダ「あれは、アシスタントで、弟の子供の兄弟で…、親戚なのよ…」 2人の歌のかけあいも聴き応え十分。彼らにもっともっとデュエットをしてもらいたいと思った。ありきたりだが、マーヴィン&タミーの作品から何か合うものを歌ってほしい。Ain’t Nothing Like The Real Thing, You’re All I Need To Get Byなどなど。他のデュエットからでもいい。いくらでもある。


吉岡正晴のソウル・サーチン


そしてもうひとりが、「僕の生徒です」とフィリップが言って紹介する木下航志。フィリップ。「航志、僕は先生として、どうですか?」 航志くん。「えーと、厳しい」(笑) この日はファーストでスティーヴィーの「ユー・アンド・アイ」をフィリップと2人だけで演奏。後半のフェイクするあたりがすごい。ワン・ワードで彼は客を掴むことができる。この声。最後の「ユー・・・・アンド・・・ア~~イ」というところなど恐れ入る。この曲は彼の力が存分に出るので、初めて彼を見る人をみな圧倒する。

この夜は、イギリスからヴァケーションでやってきているブラン・ニュー・ヘヴィーズのリード・シンガー、エンディア・ダヴェンポートがブルース・アレイに来て、一緒にライヴを鑑賞。彼女も航志君には驚いた様子。エンディアにセットリストを見せて、「歌える曲はどれ?」と聞くと、「ノー、ノー、歌わないわ、今日は。(笑)ただ見て楽しむの」との返事。しかし、歌われる曲、すべて知っている様子で、ライヴが始まる前にブレンダやメンバーに紹介したところ、本編最後の「アンティル・ユー・カンバック・トゥ・ミー」で、ブレンダから呼び出され結局ステージにあがった。

しかし、ステージに上がってひとたびマイクを握ってしまえば、一挙に客を掴む術を知ってる。ブレンダとのかけあいも、まるで旧知の仲のよう。観客から、「彼女は誰、誰?」とたちまち声があがった。フィリップは、音楽を媒介に誰とでも友達になれる。フィリップとフェイクーはおとといリハーサルで初めて顔を会わせたが、まったく問題なし。音楽はユニヴァーサル・ランゲージ…。ほんと、こういうソウル・ショーはもっともっと宣伝して応援してあげないと。


吉岡正晴のソウル・サーチン


(この項、続く)

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■ 告知

ゲイリー・アドキンス、ブルース・アレイで単独ライヴ敢行、6月29日。
木下航志、誕生日ライヴ、5月9日、ブルース・アレイ。

■メンバー

Philip Woo Band presents “Golden Week Soul”

(NY.STEINWAY/FenderRhodes1970/Hammond A-100/Leslie147)Philip Woo
(Vo)Brenda Vaughn (B)Cliff Archer (G)西山Hank史翁 (Ds)Phekoo
★Guest (Vo)木下航志、Gary Adkins, +N’Dea Davenport (Walk-In)

■セットリスト フィリップ・ウー・バンド 2009年5月1日
Setlist : Philip Woo & Friends @ Blues Alley
[ ]-original artists, ( )=singers this show

first
show started 19:41
01. Fikisha (Instrumental) [Roy Ayers]
02. Love Changes [Mothers Finest] (Brenda)
03. Ffun [Con Funk Shun] (Brenda)
04. Betcha By Golly, Wow [Stylistics, Norman Conners/Phyllis Hyman] (Brenda + Gary Adkins)
05. You And I [Stevie Wonder] (Kishita Kohshi)
06. Everlasting Love [Chaka Khan] (Brenda)
07. You Send Me [Sam Cook] (Brenda)
08. Doctor Feel Good [Aretha Franklin] (Brenda)
show ended 20:57

second
show started 21:23
01. Brown Bread (Instrumental) [Jimmy McGriff]
02. One Day I’ll Fly Away [Joe Sample/Randy Crawford, Lalah Hathaway] (Brenda)
03. Holding Back The Years [Simply Red] (Brenda)
04. How Come You Don’t Call Me Anymore? [Stephanie Mills, Prince] (Brenda + Gary)
05. Don’t You Worry ’bout A Thing [Stevie Wonder] (Kishita)
06. Until You Come Back To Me [Stevie Wonder, Aretha Franklin] (Brenda + N’Dea Davenport)
Enc. Work To Do [Isley Brothers] (All)
show ended 22:44

(2009年5月1日金曜、目黒ブルース・アレイ=フィリップ・ウー&フレンズ・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Woo, Philip

2009-35

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