2009年04月27日(月) 02時41分49秒 soulsearchinの投稿

△深町純キーボード・ライヴ月例定例会第100回~日本の音楽を探し求めて~

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△【深町純キーボード・ライヴ月例定例会第100回~日本の音楽を探し求めて~】

100回。

毎月最終土曜日に行われているキーボード奏者深町純の即興演奏だけでおくる定例キーボード・パーティーがついに100回目を迎えた。2001年1月に恵比寿のアートカフェでスタートし、8年4ヶ月。恵比寿で2007年5月(第77回)まで行い、店がクローズした後は、深町さんが祐天寺に自分で出した「FJ’s」に場所を移し、2年弱。いやあ、よく続いています。これもまた、継続は力なり。

雨にもかかわらず、さすがに100回記念ということもあってか超満員。特に100回目だからという趣向はなく、いつもどおりの深町節と、深町タッチが休憩をはさんで約2時間半。

深町さん熱弁。「僕は、何度も言っていますが、日本の音楽というのを作りたくて、(100回まで)ずっとやってきました。たとえば、アメリカにはアメリカの音楽がたくさんあります。ブルーズもあれば、カントリーも、ジャズもある。フランスにもシャンソンもあり、ドイツにも多くのクラシック・アーティストがいい作品を作っています。では日本の音楽ってなんですか。多くの人が演歌だという。でも、僕に言わせるとこれはお隣の韓国からやってきていて、日本のものではない。そういう理由のひとつが、かつて日本にあった『佐渡おけさ』のような民謡と、演歌はまったく違うということがあります。むしろ、そうした日本民謡が日本の音楽かもしれない。でも、今日日常生活の中で僕たちは普通に日本民謡は聴かない。

では日常生活の中で聴く音楽で、日本の音楽は何か。雅楽というのも、日本の音楽でしょう。でも、これも日常生活の中では聴かない。いわゆるJポップというのが日本の音楽というのであれば、それはちょっと寂しい。たとえば、ロンドンやパリやアメリカなんかに行けば、ホンダやトヨタや日産の車が日常で走っている。ではそういった都市で、日本の音楽が流れているだろうか。流れていない。どうしてなんだろう。それは多分、(日本で作られている音楽が)真似されたものだからだと思う。だから今は日本の音楽はないと思う。ひょっとしてたぶん、江戸時代にはあったのかもしれない。でも、明治維新を経て、そういうものがなくなった。そして、恐ろしいことに、日本人の誰もが、日本の音楽を欲しいと思っていない。

僕の世代(50代から60代)は多くはみんな洋楽ファンでした。アメリカのロックやジャズ、あるいはクラシックを聴いたりしていた。そんな中で僕は日本の音楽をずっとやりたいと思っている。(日本人で)著名なピアニストというと、みんなジャズのピアニストか、クラシックのピアニストです。それから(日本人で)ハワイアンやジャズをやる人たちもいます。もちろん、それはいけないということではないんですが、日本人としてのアイデンティティーはどこにあるんだろう。何か日本の音楽があったほうがいい。そう思ったわけです。

そんな中で、僕が(日本の音楽を作るために)唯一やろうとした方法が即興演奏だったんです。ジャズもクラシックも弾きたくない、そこから始まった。でも、(ジャーンと適当に弾いて)こういう即興みたいのも嫌いだったんです。そこで、最初に恵比寿のアートカフェでこの即興演奏会を始めたときに、僕が心に誓ったことがあって、それはいつでもちゃんとメロディーがあって、和音(コード)があるものをやろう、ということでした。

僕のバックグラウンドにはクラシックがあり、ジャズもあるでしょう、僕が即興で演奏するものの中には、クラシックのフレーズもジャズの要素、フレーズもあるでしょう。でもそこで演奏したものは、日本のものだろうと思う。なぜなら、僕が日本人だからだと思う。そういう音楽を多くの人がやってくれれば、日本の音楽ができると思う。多くの人がそういう音楽を欲しいと思って欲しい。

日本は工業国家です。その製品は世界各地に行っている。でも日本の音楽という文化は世界に広まっていない。日本の音楽が世界のヒットチャートで1位にならないのは寂しい。どうしてならないの。

僕の友人に松山千春という人がいて、これは彼と意見が一致しているんですが、僕は喜多郎の音楽にはそれほど感銘を受けていないが、喜多郎というミュージシャンがグラミーにノミネートされたことは、すごいこと、偉いことだと思う。そのとき、日本のメディアはなぜ大々的に取り上げないんだろう。絶対にもっと取り上げるべきことだと思う。WBCでイチロー君が活躍したのと同じくらい、すごいことなのに。もちろん、僕が言っていることがすべて正しいというつもりもありません。

そして、日本の音楽を作るということはそんな簡単なものではありません。音楽というのは、作る人と聴く人で作るものなんです。みんなと一緒に作るんです。ぜひともみんなも日本のミュージシャンを応援してあげて欲しい。日本の音楽を作って欲しい、聴きたいと願って欲しい。それができるのは、来年かもしれない、5年後かも、10年後かもしれない。世界中の人々が、『わああ、この日本の音楽は素晴らしい』と思うような音楽です。日本のミュージシャンが少しでもそういうことを思ってくれると嬉しい」

そういうと、超常連のトーマスが声を出す。「なんで、ジュン(深町純のこと)の音楽(というだけ)ではだめなの~。それでいいじゃない」 このテーマは深く、そしておもしろい。

最後、「今回で100回ですが、またこれから200回を目指してがんばります」と挨拶。また8年4ヶ月後かな。第200回は、計算すると、2017年8月26日となります! 

■ 過去関連記事

July 28, 2008
Fukamachi Jun #91: Dream And Memento
http://blog.soulsearchin.com/archives/002622.html

August 31, 2008
Fukamachi Jun #92: Metaphysical Philosophy
http://blog.soulsearchin.com/archives/002657.html

September 30, 2008
Fukamachi Jun #93: Piano Live : Nothing But Improvisation
http://blog.soulsearchin.com/archives/002688.html

■FJ’ズ オフィシャル・ウェッブ
http://fjs.fukamachi-jun.com/

■メンバー
Fukamachi Jun (Keyboard, Yamaha CP80)

■セットリスト 深町純 100回 
Setlist : Fukamachi Jun #100@FJ’s, April 25, 2009

1st set
show started 20:02
01. 2009年4月25日20時04分の作品(15:52)
02. 2009年4月25日20時36分の作品(15:03)
03. 2009年4月25日お題拝借作品1(3:31)
04. 2009年4月25日お題拝借作品2(4:03)
Show ended 21:04

2 nd set
show started 21:30
01. 2009年4月25日21時43分の作品(16:01)
02. 2009年4月25日21時59分の作品(10:35)
03. 2009年4月25日22時10分の作品(13:22)
04. 2009年4月25日22時29分の作品(03:50)
show ended 22:33

(2009年04月25日土曜、祐天寺FJズ=深町純ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Fukamachi, Jun
2009-31

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