2009年03月19日(木) 03時37分42秒
soulsearchinの投稿
☆カーティス・メイフィールド『ピープル・ネヴァー・ギヴ・アップ』
テーマ:ブログ
☆【カーティス・メイフィールド『ピープル・ネヴァー・ギヴ・アップ』】
中毒。
昨日カーティスの紙ジャケの話を軽く書いた。そのとき思ったのだが、ライナーノーツがだいたい昔出たものの二次使用で、10年くらい前に書かれたのがそのまま使われているのが残念。カーティス自身は亡くなっているので彼の言葉は新しくでてこないかもしれないのだが、やはり10年もあると、新事実が意外とでてくるもの。一番大きかったのが、2003年に出版された『カーティス・メイフィールド~ピープル・ネヴァー・ギヴ・アップ』(ピーター・バーンズ著=サンクチュアリー出版・イギリス)という自伝。予算がなくて書き下ろしライナーが使えないという事情もわからなくはないのだが、やはりファンとして新しく、より正確な情報は知りたいところ。
そこで、この『カーティス・メイフィールド~ピープル・ネヴァー・ギヴ・アップ』と題された本を軽くご紹介。これは日本語版はなく、このイギリス版だけ。著者のピーター・バーンズは1960年代後期からイギリスで「イアーショット(Earshot)」というソウル・ミュージックのファンジン(マニア向けの同人誌)を出し始めた人物。で、その取材過程でカーティスにも1971年から1996年まで4回ほどインタヴューしている。この96年のインタヴューは、カーティスが『ニュー・ワールド・オーダー』を出したときのもの。
それだけでなく、30年以上にわたってカーティス周辺、シカゴ・ソウル周辺のアーティスト、プロデューサーに多数インタヴューし、それらをまとめて一冊にした。そこで本編は270ページほどなのだが、そうした関連アーティスト関係者をABC順に簡単に紹介するページが50ページもある。ジョン・アビー、ギル・アスキー、ケニー・バーク、ダニー・ハザウェイなどなど、その取材ぶりはかなりのもの。
ただし、全体的なトーンは徹底してレコード・レヴューを中心にしたもので、カーティスの生き様、プライヴェート、どのようにしてこの社会派シンガー・ソングライターが生まれ、成長したかはそれほど詳しくない。たぶん、カーティスにもさまざまな心の暗部、葛藤があったはずなのだが、そのあたりをじっくりと読んでみたい。たとえば、カーティスは70年代後期、1979年からカートム・レコードの配給を、ワーナーからRSOに変更する。RSOはもちろん、『サタデイ・ナイト・フィーヴァー』で当てたレーベルだ。そして、カーティス作品も徐々にディスコに軸足を置くようになる。あれだけ社会派のカーティスがなぜディスコに。そのあたりの真相は聞いてみたかった。今年はカーティスが1999年12月26日に亡くなってはや10周年。時が流れるのは早い。
ところで、著者ピーター・バーンズは、この書籍で書ききれなかったものをウェッブサイトに公開している。
http://www.soulmusichq.com/index.htm
そして、このサイトを見に行ったら、バーンズはヴォーカル・グループ、ドリフターズの本も書いていた。これも読みたし、時間は足りなし。あ~~悲し。しかし、カーティス作品を聴きながら、こうやって原稿を書いていると、カーティスの声っていうのは、本当に中毒になりますねえ…。そか、ジョン・アビーに一度カーティスの話をじっくり聞く手があるな…。
■ カーティス・メイフィールド『ピープル・ネヴァー・ギヴ・アップ』~ピーター・バーンズ著
■ カーティス・メイフィールド 『ゼアズ・ノー・プレイス・ライク・アメリカ・トゥデイ』(紙ジャケ)
(やはり、この中では「ソー・イン・ラヴ」でしょうか。カーティスの「ムーヴ・オン・アップ」(上昇志向)から「ハング・オン」(現状にしがみつけ、がんばれ)がコンセプトのアルバム)
ENT>MUSIC>ARTIST>Mayfield, Curtis
中毒。
昨日カーティスの紙ジャケの話を軽く書いた。そのとき思ったのだが、ライナーノーツがだいたい昔出たものの二次使用で、10年くらい前に書かれたのがそのまま使われているのが残念。カーティス自身は亡くなっているので彼の言葉は新しくでてこないかもしれないのだが、やはり10年もあると、新事実が意外とでてくるもの。一番大きかったのが、2003年に出版された『カーティス・メイフィールド~ピープル・ネヴァー・ギヴ・アップ』(ピーター・バーンズ著=サンクチュアリー出版・イギリス)という自伝。予算がなくて書き下ろしライナーが使えないという事情もわからなくはないのだが、やはりファンとして新しく、より正確な情報は知りたいところ。
そこで、この『カーティス・メイフィールド~ピープル・ネヴァー・ギヴ・アップ』と題された本を軽くご紹介。これは日本語版はなく、このイギリス版だけ。著者のピーター・バーンズは1960年代後期からイギリスで「イアーショット(Earshot)」というソウル・ミュージックのファンジン(マニア向けの同人誌)を出し始めた人物。で、その取材過程でカーティスにも1971年から1996年まで4回ほどインタヴューしている。この96年のインタヴューは、カーティスが『ニュー・ワールド・オーダー』を出したときのもの。
それだけでなく、30年以上にわたってカーティス周辺、シカゴ・ソウル周辺のアーティスト、プロデューサーに多数インタヴューし、それらをまとめて一冊にした。そこで本編は270ページほどなのだが、そうした関連アーティスト関係者をABC順に簡単に紹介するページが50ページもある。ジョン・アビー、ギル・アスキー、ケニー・バーク、ダニー・ハザウェイなどなど、その取材ぶりはかなりのもの。
ただし、全体的なトーンは徹底してレコード・レヴューを中心にしたもので、カーティスの生き様、プライヴェート、どのようにしてこの社会派シンガー・ソングライターが生まれ、成長したかはそれほど詳しくない。たぶん、カーティスにもさまざまな心の暗部、葛藤があったはずなのだが、そのあたりをじっくりと読んでみたい。たとえば、カーティスは70年代後期、1979年からカートム・レコードの配給を、ワーナーからRSOに変更する。RSOはもちろん、『サタデイ・ナイト・フィーヴァー』で当てたレーベルだ。そして、カーティス作品も徐々にディスコに軸足を置くようになる。あれだけ社会派のカーティスがなぜディスコに。そのあたりの真相は聞いてみたかった。今年はカーティスが1999年12月26日に亡くなってはや10周年。時が流れるのは早い。
ところで、著者ピーター・バーンズは、この書籍で書ききれなかったものをウェッブサイトに公開している。
http://www.soulmusichq.com/index.htm
そして、このサイトを見に行ったら、バーンズはヴォーカル・グループ、ドリフターズの本も書いていた。これも読みたし、時間は足りなし。あ~~悲し。しかし、カーティス作品を聴きながら、こうやって原稿を書いていると、カーティスの声っていうのは、本当に中毒になりますねえ…。そか、ジョン・アビーに一度カーティスの話をじっくり聞く手があるな…。
■ カーティス・メイフィールド『ピープル・ネヴァー・ギヴ・アップ』~ピーター・バーンズ著
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■ カーティス・メイフィールド 『ゼアズ・ノー・プレイス・ライク・アメリカ・トゥデイ』(紙ジャケ)
(やはり、この中では「ソー・イン・ラヴ」でしょうか。カーティスの「ムーヴ・オン・アップ」(上昇志向)から「ハング・オン」(現状にしがみつけ、がんばれ)がコンセプトのアルバム)
ゼアズ・ノー・プレイス・ライク・アメリカ・トゥデイ+1(紙ジャケット仕様)
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カーティス・メイフィールド
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ENT>MUSIC>ARTIST>Mayfield, Curtis