NO.968
2005/03/19 (Sat)
Charlie Haden & Gonzalo Rubalcaba: Quietness For Sale
静寂。

こんなに静かなライヴは初めてだった。若手ピアニスト毎度おなじみのゴンサロ・ルバルカバとヴェテラン・ベースのチャーリー・ヘイデンの二人だけのステージ。チャーリーがマイクをとってひとこと挨拶して、始まった音は、完璧なピアノシモのライヴ。耳をそばだてないと聴こえない。ベースの音など蚊が鳴いているのかと思えるほどの小音だった。

いつものパワーあふれるピアノとは180度違ったピアニシモのゴンサロには驚いた。鍵盤をなめるように、やさしく愛撫して醸し出される音は、一音一音に指先の温かみが感じられるかのようだ。

観客の座る席も動かせず、テーブルのお皿やグラス、フォークなどを動かすのもはばかられる、ちょっとした音でも出そうものなら、顰蹙(ひんしゅく)を買いそうなほどだ。いつになく、会場のエアコンの音が聞こえてきた。それほどまでに音の小さなライヴだった。これは、ジャズという名前を借りたクラシックのコンサートかと思った。

ミュージシャンというのは、一緒にやる相手とともに、これほどまでに変化するのかということを見せつけられた。そして、静寂を売り物にすることもできるのだな、とも感じた。

ランド・オブ・ザ・サン
最新アルバム:
チャーリー・ヘイデン with ゴンサロ・ルバルカバ
『ランド・オブ・ザ・サン』
(ユニバーサル ミュージック)

ブルーノートのウェッブ
http://www.bluenote.co.jp/art/20050314.html

(2005年3月17日木曜、ブルーノート東京・セカンド=チャーリー・ヘイデン&ゴンサロ・ルバルカバ・ライヴ)

ENT>MUSIC>LIVE>Haden Charlie & Rubalcaba Gonzalo
"
Diary Archives by MASAHARU YOSHIOKA
|Return|