NO.856 |
2004/12/03 (Fri) |
Diz Takes Me Back To The 50s |
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「おはよ〜(笑) みなさん、こんばんは。音楽のお話をちょっとだけしながら、今夜は音楽自体にすべてを語らせることにしましょう。まず一曲目は『エマノン(emanon)』。これは、ノーネームを引っくり返した言葉です」 バンドリーダー、スライド・ハンプトンが解説しながら、始まった。この日の出し物は、ディジー・ガレスピー・ビッグバンド。 ちょうど、今レイ・チャールズの本が、50年代初期で、彼がスイング・ジャズやビッグバンド・ジャズに傾注している時期でもあり、そうした話が頻繁にでてきていて、自分のモードも50ズになっていた。そこにこうしたまさに50年代を思わせるビッグバンドが登場したのだから、なかなかいいタイミングである。しかもこの日の一曲目の「エマノン」は、レイもやっていた曲だったから、感慨深い。 当時の人々は、ディジー・ガレスピーのことをディズと呼んでいた。音楽、あるいはジャズをやり始めた連中のあこがれの人だった。その彼の魂を引き継いでいるバンドがこのディジー・ガレスピー・バンドだ。13人のホーンセクションが奏でるビッグバンド・サウンドは、見事だ。4−5人編成のバンドでやっていたレイ・チャールズがこうしたビッグサウンドにあこがれ、いつしか、ホーンセクションを大胆に取り入れたビッグバンドのアレンジを書き、自分が書いたアレンジでホーンが音をだした瞬間に感激するというのもうなずける。 60年代に入ってレイが売れてきて自分のショーを編成する時、まさにビッグバンド・オーケストラを従えてツアーするようになったのも、こうした下地があってのことだ。 「次の曲は、マイケルジャクソンが書いた・・・。違う、マイケル・ジャクソンのプロデューサーの、誰だっけ、あ、クインシー・ジョーンズが書いて編曲した曲です。『ジェシカ・デイ』」 軽妙な司会とともにショーは進む。 ヴェテランのジェームス・ムーディーやフランク・ウェスは、79歳、82歳。とてもそんなには見えない。ミュージシャンは本当に若い。一体このバンドの平均年齢はいくつなのだろう。30代から80代まで、ジャズの元に6世代以上が同じステージに上る。まさにOne Nation Under The Jazz といったところか。例えば、ゲスト扱いのチャールズ・マクファーソンなどが演奏している時、若手のミュージシャンたちが尊敬の念をもって見つめている姿は、世代を越えてのミュージシャンシップを感じた。 途中、女性シンガー(ロベルタ・ガンバリーニ)が登場して「スターダスト」を歌った。最近ではすっかりロッド・スチュワート・ヴァージョンで耳タコの名曲。 彼女のヴァージョンは表面的。うーん、まあ、ロッドの方がいいかな。(笑) 他にも「アイ・リメンバー・クリフォード」「サニーサイド・オブ・ザ・ストリート」などどれもおなじみの曲ばかりで楽しめた。 Setlist (2nd) show started 21:39 1. Emanon 2. Jessica's Day 3. Algo Buenos 4. Stardust 5. Manha De Carnival 6. I Remember Clifford 7. Manteca Enc. On The Sunny Side Of The Street show ended 22:59 ブルーノート・ウェッブ http://www.bluenote.co.jp/art/20041129.html 俯瞰して知ることができるボックスセット The Dizzy Gillespie Story (2004年12月1日水曜、ブルーノート東京セカンド=ディジー・ガレスピー・オールスター・ビッグバンド) ENT>MUSIC>LIVE>Gillespie Dizzy Band |
Diary Archives by MASAHARU YOSHIOKA |