NO.800
2004/10/08 (Fri)
Mount Fuji On The Sunset: "Star Dust Story" Will Be 2 Hour Special Programme
夕焼け。

昨日また東神奈川のバー「スターダスト」に行った。実は、今月末FM横浜でこの「スターダスト」にスポットをあてる番組をやることになったため、打ち合わせに行った。前回マーチンさんの『ミッドナイト・ラヴ』のコーナー取材のためにお邪魔したとき、いろいろな話を聞かされ、これはその話だけで2時間充分行けるのではということになり、今回、実現するもの。

放送日は、10月30日(土曜日ー深夜1時半から3時半、FM横浜84.7)。構成や選曲などはまだまだなのだが、この50年の歴史を誇る素晴らしく素敵なバー「スターダスト」に起こったエピソード、歴史をドキュメントしてみようと思う。

街で一番古いバーには、必ずおもしろい話がある。それを掘り起してみたい。そして、その街で一番古いバーが今でも続いているというところに素晴らしさがある。マスターの林さんは、言った。「今じゃ、もうここだけだからね」 

80枚のシングルが入っている名物ジュークボックス。ここに収録されている作品が番組ではかかる。それは50年代から70年代までのヒット曲ばかりで、そのラインアップはまるで映画『アメリカン・グラフィティー』さながらだ。

昨日は、なぜかものすごく空気が澄み切ったきれいな一日だった。「スターダスト」から遠くに山が見えた。ひょっとして富士山かと思って、林さんに尋ねると、そうだ、という。ちょうど5時くらいから、夕焼けに映える富士山がめちゃくちゃ綺麗だった。そして、その夕焼けの富士山に、ジュークボックスから流れるシックスティーズ(60s)のヒット曲が妙にフィットしていた。

ちょうど5時過ぎ、店にひとりのアメリカ人が入ってきた。「まだかな」と彼が尋ねると、マスターが「ああ、もういいですよ」と言って、彼を招き入れた。マスターは、ネオンにライトをつけ、扉を開け、店がオープンした。せっかくなので、そのアメリカ人の彼に話を聞いた。

「ちょうど、基地のほうで仕事をし終えて、ホテルに帰る途中で一杯、ビールでも飲もうと思って寄ったんだ。この店に来るのは、何度目かな、ずいぶん来てるよ。10年くらい前に話を聞いた。この店は(米軍関係者の間では)有名だよ。橋を渡ってすぐのところにあるからすぐわかる、と言われてやってきた。こんな雰囲気の店は、アメリカにもほとんどないだろうな」

その彼は、日本円のお札と小銭をそのままテーブルに置いて、ビールを飲んでいた。キャッシュオンの店で皆がやるスタイルだ。そして、その横ではこの「スターダスト」名物のネコ、みなとちゃんがだら〜んと寝ていた。

太陽はすでに落ち、真っ赤に染まった空に富士山のシルエットだけが浮かび、そこにジュークボックスからパーシー・スレッジの「男が女を愛する時」が流れてきた。


Diary Archives by MASAHARU YOSHIOKA
|Return|