NO.676 |
2004/06/12 (Sat) |
Soul Legend Ray Charles Died At 73 |
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「ソウルのオリジネイター」「ソウルの創始者」など様々な異名を持ち、アメリカの黒人音楽シーンに最大級の影響を与えたヴェテラン・ソウル・シンガー、レイ・チャールズが6月10日(木曜)午前11時35分、カリフォルニア州ビヴァリーヒルズの自宅で家族、親しい友人らに看取られながら肝疾患のため死去した。73歳だった。レイ・チャールズは、2003年7月、過去53年のエンタテイナーとしての歴史の中で体調不良を理由に初めてコンサートをキャンセル。以後、入退院を繰り返していた。同年5月には、10000回目のコンサートを行っていた。 レイ・チャールズが最後に表舞台に出たのは去る4月30日、チャールズが40年前に建てたスタジオが、ロスアンジェルスの記念建築物になった式典でのこと。このときは、映画俳優クリント・イーストウッドとともに車椅子で登場した。また、チャールズは、イーストウッドが監督したテレビ・ドキュメンタリー『ピアノ・ブルーズ』に、イーストウッドと並んで登場している。 現在、レイ・チャールズの生涯を描いた映画『レイ』が製作されており、これは10月頃に公開が予定されている。この主演はジェイミー・フォックス。 レイ・チャールズは今年までレコーディングを続けていた。最新作は8月にリリースされる 『ジニアス・ラヴズ・カンパニー(天才は仲間が大好き)』 で、ここにはウィリー・ネルソン、ノラ・ジョーンズ、BBキングなどがデュエットで参加している。ネルソンは先月チャールズと、フランク・シナトラのヒットでおなじみの「イット・ウォズ・ア・ヴェリー・グッドイヤー」をレコーディング。「私は最高の親友の一人を失った。彼がしのばれる。(レコーディングの)一日、彼とは本当に楽しいひと時を過ごした」とコメントしている。 +++ レイ・チャールズは、1930年9月23日、アメリカ深南部ジョージア州アルバニー生まれ。7歳で失明、15歳で孤児となり、苦労を重ねミュージシャンとして自立。1949年、18歳のときに自身が組んだ「マキシン・トリオ」としてレコーディングした「コンフェッション・ブルーズ」が初ヒット。その後、55年、レイ・チャールズとして「アイヴ・ガット・ア・ウーマン」の大ヒットで一躍注目された。以後、「ホワッド・アイ・セイ」(59年)、「ジョージア・オン・マイ・マインド」(60年)、「ヒット・ザ・ロード・ジャック」(61年)、「アイ・キャント・ストップ・ラヴィング・ユー」(62年)など多数のヒットを放ち、世界的なスターとなった。 特に黒人教会音楽であるゴスペルと黒人の世俗的音楽であるブルーズを融合させ、新たに「ソウル・ミュージック」と呼ばれる音楽を生み出した最大の功労者でもある。さらに、ひとつのジャンルにとらわれず、ロック、ソウル、カントリー、ジャズ、ビッグバンドなどさまざまなタイプの音楽を、独自の解釈で歌い、レイ・チャールズ節を聴かせファンを魅了した。映画、テレビ出演も多数。特に映画『ブルース・ブラザース』での演奏ぶりは、大きな注目を集めた。年に300本以上のライヴを行っていた時期もあり、ライヴ、レコーディングと休むひまもなく仕事をしていた。60年代には、ドラッグ中毒になりリハビリテーションのため約1年ほど仕事を休止したこともあった。来日も多数。また、89年暮れ日本のCMのために、サザン・オールスターズの大ヒット「いとしのエリー」を英語でカヴァーし、ヒットさせている。 詳しい評伝は、次へ。 http://www.soulsearchin.com/entertainment/music/linernotes/ray19990220.html +++++ 続々と各界からメッセージが届いている。クインシー・ジョーンズ。「レイほど、音楽ジャンルを超越した人物はいない。これからもそのような人物は現れないだろう。彼は、あらゆる意味で私のブラザー(兄弟)だ」 アレサ・フランクリン。「彼の声は生涯の声(Voice Of A Lifetime)。彼はすばらしい人物であり、ユーモアたっぷりで、そしてもちろん、偉大なアーティスト。世俗的なソウルの歌を世界に広めた人物」 ジェームス・ブラウン。「彼は、やさしく、ゴージャスで、すばらしい人物。彼の音楽、人となりを知るあらゆる人にとって、ロールモデル(模範的なモデル)だった。私は天才を尊敬する」 同業のピアノマン、ビリー・ジョエル。「レイ・チャールズは、真のアメリカのオリジナルだった。彼が、リズム&ブルース、ソウル、オーセンティックなロックン・ロールを確立したのだ」 チャールズは、2度離婚、7人以上の女性との間に12人の子供がいる、という。彼は、その12人の子供、20人の孫、5人のひ孫などによって送られる。葬儀は来週、ロスアンジェルスのファーストAME教会で行われ、その後イングルウッド墓地に埋葬される。 レイ・チャールズはかつて自身の音楽についてこう答えた。「私は、人々を楽しませるために音楽をやっている。なぜなら、人々が私の音楽を愛してくれているからだ。彼らが私の音楽に反応してくれ、私もそれが気に入っている。人々が私をハッピーにさせてくれる、だから、私も人々をハッピーにさせるんだ」 (レイ・チャールズに関する個人的な原稿は明日載せます) ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++ レイ・チャールズ死去の各紙・記事。 毎日新聞記事。 レイ・チャールズ・バイオグラフィー(評伝)。DVDソフト『ジーニアス・オブ・ソウル』のライナーノーツ。 レイ・チャールズの曲が使われるショートストーリー。 ENT>OBITUARY>Charles, Ray ++++++++++++++++++++++++++++++++++ |
Diary Archives by MASAHARU YOSHIOKA |