NO.633 |
2004/05/04 (Tue) |
"American Pie" Saga Continues: |
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「アメリカン・パイ」の解釈に最初に熱心に取り組んだのは、シカゴのラジオDJボブ・ディアボーンという人でした。彼は夜の時間帯に毎日自分のショウをやっていましたが、71年暮れに届いたこのドン・マクリーンの新曲の内容にとても興味を持ち、歌詞を詳細に吟味し、72年初め、自分なりの解釈を数ページのレターヘッドに書き記したのです。 彼は自分の番組の中でこの解釈を書いた原稿に興味があれば、局に手紙を送ってくれ、郵送すると言ったのです。すると、まもなく局には全米から山のような問い合わせの手紙が届いたのです。彼の局WCFLは、当時AMで夜になると地元シカゴだけでなく、全米の広範囲で聴取が可能だったのです。 この反応に驚いた局は、あわてて、返信用切手を貼った封筒を必ず同封するようにと言いますが、この曲に対する興味は薄れることなく、何万通という手紙が発送されました。 ディアボーンは、この解釈を元に、「アメリカン・パイ」を聴いて解釈する特番を制作します。少しずつ歌をかけ、一行が終るとその解釈を解説し、また曲を続け、再び解説をつける、というスタイルです。これも大好評を博し、シカゴの局のローカル番組が全米各地のラジオ局に配給されました。それだけでなく、この解釈を書いた原稿は新聞に掲載され、さらに、テレビのニュースネタとして取材され、「アメリカン・パイ」の解釈は一大ブームにまでなりました。 そして、その彼が72年から約28年たった2000年に、その原稿をウェッブに公開したのです。それがこれです。 http://user.pa.net/~ejjeff/pie.html 昨日アドレスを紹介した研究家のウェッブも、このディアボーンの最初の解釈を参考にしているように思われます。それにしても、実にたくさんの解釈があるんですね。ブルースを歌うシンガーとして、一応ジャニス・ジョプリンだとマクリーン自身は認めているようですが、これをビリー・ホリデイではないかと考える人もいるわけです。またこの曲全体をケネディー暗殺と関連づけて捉える人もいます。 ドン・マクリーンのウェッブもあります。それでもわからない謎の部分はそのまま残っていますが。(笑) しかし、これほどまでに「語られる曲」は、そうそうありませんね。 |
Diary Archives by MASAHARU YOSHIOKA |