NO.615 |
2004/04/17 (Sat) |
Standing In The Shadows Of Donny: Frank McComb, Day Two |
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ダニー。 「誰かがリクエストしてきた曲。アルバム 『ラヴ・ストーリー』 の一曲目にはいっている作品だ」と言ってフランクは歌いだす。ゴスペルの名曲「ヒズ・アイ・イズ・オン・ザ・スパロウ(神の目はすずめにも注がれている)」をピアノ一本で歌う。これは彼のこのショウの中でもハイライトと言えそうだ。 そして、「政治の世界にはまったくうとい人のために。レコード会社から冷たくされた人のために。この曲はそんな人へ捧げよう」と言って歌い始める「キープ・プッシング・オン」。「スパロウ…」とこの曲の流れは見事。自分の不遇時代を振り返るかのように歌う。 アンコールで「キューピッドズ・アロウ」を終えた後、ミュージシャンたちは立ち上がり、帰ろうとした。するとフランクが彼らに何かを言った。おそらく「もう一曲やるか…」くらいの感じか。そして、キーボードからたたき出された音は…。 その音を聴いて、思わず「おおおっ!」となった。ぞくぞくっときた。フランクがテンポのはやい拍手をうながす。観客が答える。かつてウィリー・ウィークスがうねらせた印象的なベースラインのフレーズを繰り返しはじめる。フィル・アップチャーチが切り刻んだ鋭いカッティングを聴かせる。ドラムスはフレッド・ホワイトの姿が浮かんでくる。そうダニー・ハザウェイの「ゲットー」だ! 曲が始まってから約6分近く、4人がものすごい勢いの演奏を見せる。一言思った。「これだけできるなら、リハーサルなんていらないじゃないか」 イントロ6分で歌が約3分。途中でフランクが観客に言う。「ゲットー!」 観客が歌う。「トーキン・バウト・ア・ゲットー…」 熱狂の9分間。曲が終るとモーションブルーの観客ほぼ全員が立ち上がってスタンディング・オヴェーションをした。ここで全員が立ち上がったのを見たなんて初めてだ。 楽屋にひいた後、しばらくしてから、ミュージシャンたちがでてきて、サインなどをしている。僕も立ち上がっていると、トクさんに声をかけられた。「いやあ、すごかったね」 「『ゲットー』やってくれましたねえ!」 フランクもでてきた。彼に言った。「リハーサルなんて必要ないじゃない」 「おおっ、君のためにやったんだよ、『ゲットー』。明日は、『リトル・ゲットー・ボーイ』と『ホワッツ・ゴーイン・オン』やるからね」 「すばらしい!」 ちょうどそこにいた番組ディレクター、DJらを紹介するとフランク開口一番「いつ、インタヴューしてくれるんだい? いつ、いつ? 僕は19日までいるよ」といいながら、レコード会社の担当者を見る。 しかし、それにしても今日の「ゲットー」はすごかったな。ダニー・ハザウェイの曲ではあるが、フランクとバンドのサウンドになっていた。いっそのこと一時間半、ダニーの曲だけでやってみたらどうだろう。たった一日だけでも。 そして、このフランク・マッコム、5月に再びやってくることが決まった。(5月10日から12日まで東京ブルーノート) とある女性シンガーのキーボード奏者、ヴォーカルとして。その女性シンガーとは、誰あろうレイラ・ハザウェイだ。ダニーの影を背負った男が、その娘と同じステージに立つ。 フランクに聞いた。「レイラとのライヴは、キーボードだけ、それとも歌うの?」 「ああ、だいたいいつも歌わされるよ」 「何を?」 「さあ、まだわからないな(笑)」 「ホワッツ・ゴーイン・オン」は? 「ゲットー」は? 「リトル・ゲットー・ボーイ」は? 果たして一体何が起こるのだろうか。 second set show started 21:34 01. One Block Past (Instrumental) 02. Shine 03. Another Day 04. Future Love 05. Love Natural 06. Action Speak Louder Than Words 07. Fool 08. His Eye Is On The Sparrow (Traditional) 09. Keep Pushin' On Encore 1. Cupid's Arrow Encore 2. Ghetto (Donny Hathaway) show ended 23:24 +++++ (フランク・マッコム、ライヴは日曜まで横浜モーションブルーで) < ahref=http://www.motionblue.co.jp/ target=_blank>http://www.motionblue.co.jp/ (フランク・マッコム、18日『ソウル・ブレンズ』[インターFM]午後3時から生放送でゲスト出演) 関連記事。フランクについて。 +++++ (2004年4月16日金曜セカンド・横浜モーションブルー=フランク・マッコム・ライヴ) ENT>MUSIC>LIVE>McComb, Frank |
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