NO.602
2004/04/04 (Sun)
Ruben Studdard Reveals Secrets Of His Album Cover
出自。

I Need an Angel [FROM US] [IMPORT] 今日は、ルーベン、ちょっとこぼれ話を。本編は近いうちにまとめます。ルーベン・スタッダードに最初に会った印象は、とにかくでかい、ということでした。これほどの巨漢アーティストにあったことはありません。お相撲さんくらいの大きさです。ソファに座って話をするのですが、前のめりになれないので、ちょっとふんぞり返っているように見えます。きっと自分の靴紐は結べないのではないか、と何人かで話していたほどです。公式には300ポンド、約150キロ弱くらいだそうですが、実際はもっとあるような気がしました。でもスマイルが人懐っこい。このキャラクターがアメリカでも大受けなのでしょう。憎めないというキャラ。

30日に新聞用に30分ほどインタヴューし、2日に『フィールン・ソウル』用に黒沢さんが30分ほど話をしました。30日の時に会ったときに、ルーベンが非常にシャイな人物だな、という印象をもちました。そして、あまり質問に対して多くを答えないタイプだということもわかりました。たくさんの人たちをインタヴューしてきましたが、かなりインタヴューアー泣かせのタイプだということがインタヴューが始まって3分でわかりました。とはいうものの、僕はそんなことはおかまいなく、どんどん行くので、30分はあっという間にすぎましたけど。(笑) 通訳が間にはいると大変だろうなあ、と思いました。

こういうアーティストは、表面的なありきたりの質問をすると、想像できるような当たり前の答えしか答えてくれません。その質問なら、こういう答えだろう、という予定調和になってしまうんですね。よって、そういう時はどうするかというと、表面的、一般的な話から、どんどん具体的、現実的、固有名詞をたくさんださなければならないような話にもっていかなければならないのです。

それから、このクラスのアーティストになると、それこそアメリカでもものすごい数のインタヴューを受けているわけです。そうなると、膨大な数の同じ質問を受けています。同じ質問をされると、答えも同じ。答えるほうは、もうすっかり飽き飽きしてるんですね。サーヴィス精神がある人は、毎回同じ答えをあたかも初めて答えるかのように答えてくれますが、めんどくさいと思う人もいるわけです。同じ答えをするものだから、最初はまとまってない話も、何度も話をするうちに、すっかり上手に答えられるようになってたりもします。そうなると、けっこう話が整理整頓されていて、またたくまに答えが終ってしまうということもあるわけです。だから質問もじっくり考えないといけません。

ライヴ それはさておき、30日に僕はいろいろCDを持っていきました。ダニー・ハザウェイ、スティーヴィー・ワンダー、マーヴィン・ゲイ、ルーサー・ヴァンドロスなどなど。その中で、ダニー・ハザウェイの名盤 『ライヴ』 (「ホワッツ・ゴーイン・オン」から始まるライヴのほう)の話になりました。もちろん、彼はヴァイナル盤で持っているのですが、CDでは持っていなかったのです。「このCDはどこで手に入れたんだ?」と彼に聞かれました。「日本ですよ。ダニーの作品はみなCD化されていて、CDショップで入手できます」 「これは、ヴァイナルでは持っているんだけど、CDがアメリカにはないんだよ。ここに入ってる(マーヴィン・ゲイの)『ホワッツ・ゴーイン・オン』は、本当にすばらしいヴァージョンだよね」

「その 僕のCD のインナースリーヴの写真を見てくれ」とルーベンは言い僕が持ってきていたルーベンのCDのインナーを指差しました。僕がそれを広げると、彼は言いました。「『アップルキャップ』(というのだそうです)を被ってる写真だ。ほら、このダニーの写真と見比べてくれ」 「おおおっ、(ルーベンのインナーの写真は)これを真似たんですね! 知らなかった」 「この写真(インナーの右下の写真を指差して)は、(『ライヴ』のジャケットの)ダニーのスマイル、表情を真似してみたんだよ」 確かに、そう言われるとよく似てる。「どれほど、ダニーが好きか、わかっただろう(笑)」と彼は言いました。


3日後、ルーベンに再会したときに、その『ライヴ』をCDに焼いてプレゼントしようと思ったわけです。モノクロですがジャケットもコピーして。それで、「あなたのために焼いてきましたよ」と手渡そうとすると、彼はこう言ったのです。「ああ、ありがとう! でも、あの翌日CDショップで早速買ったんだよ。日本には君が言ったとおり、なんでもあるね(笑)」 はやい。そうでしたか。さすがだ…。ダニーが一番好きなシンガーだというだけありました。

ちょうど、その時、フランク・マッコムのCD『トゥルース』を見せました。ジャケットを見せて、「これは知ってる?」と訊くと、「もちろん、買ったよ。でも、彼のはファーストのほうが好きだよ。彼は、すごくダニーに似てるね。彼はすごくいい。(似ていても)シンガーとしてすばらしいことには変わらない。ダニーには怖いほどよく似ているね(笑)」 これにも実はびっくり。フランクはまだアメリカではそれほど大ブレイクしているわけではないので、ひょっとしたらルーベンは知らないのではないかと思ったのです。いやいや、失礼しました。











Diary Archives by MASAHARU YOSHIOKA
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