NO.564
2004/03/03 (Wed)
Isley Brothers Day Two: Rock, Soul, Funk, All Happening Here
内緒。

一日、一度ではちょっと物足りないわけでして。本日リターンマッチ。つくづく感じるのは、たとえまったく同じショウを見たとしても、2000人収容のコンサート会場と300人収容のライヴハウスでは、その感動度合いは何倍も違うということだ。やはりこの距離で、生の10人以上のバンドを見られるというところが圧倒的にすばらしい。このブルーノートはアポロシアターよりも狭いんだから。アイズレー・ブラザースのライヴ。

ドゥ・ザ・ライト・シング 曲目が1日目より2曲ほど減っていたが、「ファイト・ザ・パワー」では、ロナルドがなんと客席に降りてきた。11分に及ぶ「ファイト・ザ・パワー」は、かつてスパイク・リーの映画 『ドゥ・ザ・ライト・シング』 のテーマになった曲でもある。この「ファイト・ザ・パワー」は、直訳すると「権力と戦え」と言った意味だが、70年代中期のアイズレーは、そうした社会的メッセージも叫んでいた。メッセージの爆発と、ファンクサウンドの炸裂とが見事に融合した傑作でもある。

そして、その180度逆側のメロウネスを聴かせるのが数多くのバラードだ。「サマー・ブリーズ」、「フォー・ザ・ラヴ・オブ・ユー」、「コンテジアス」…。ライヴ会場にいてその空気の中に浸っているとすっかりそのテンションに染まってしまうが、少しだけ冷静になってこうして感想文を書いていると、ふと、この前紹介した 『バカラック』 のアルバムからの曲が一曲もないことに気がついた。あそこからも歌うでしょう、などという予想は完全にはずれた形だ。(笑) 

20年以上前から知っている友人O氏と久々に会ったら、彼はアイズレーを初めて見たそうで、「アイズレー・ブラザースがこんなにロックっぽいとは知らなかった」と言った。そこで思わず立ち話ながら説明してしまった。「あのギターのアーニー・アイズレーは、彼が子供の頃にまだ無名だったジミ・ヘンドリックスのギターの洗練を受けたんですよ。ジミがアイズレーのうちにしばらく居候(いそうろう)しててね。きっと、ジミの派手なギターを10歳くらいのアーニーはあこがれを持って見てたんでしょうね」 

アーニーは、1952年3月7日生まれ。ジミがアイズレー家に居候していた60年代初期は10歳前後ということになる。ジミは1942年11月生まれなので、ほぼ10歳年上ということになる。アーニーが小学校4年くらいの時、ジミは大学生か大学卒業したあたりの、立派な大人だ。それがかっこいいギターを弾くのだ。あこがれないわけはない。言ってみれば、アーニーはジミ直系のフォロワーということになる。

口でピックをくわえ、弦をはじき、ギター自体を首の後ろに回して弦を見ずにプレイするアーニー・アイズレー。見せるギター、魅せるギター。ファンクなギター、ロックなギター。

そしてもうひとつ。これは以前に別の原稿にも書いた話を彼にした。アイズレーのメンバーが、ビートルズがアメリカ上陸する1964年以前に、イギリスでビートルズに会っているという事実。ビートルズはすでにアイズレーにただならぬ尊敬の念を持っていた。アイズレーのヒット「トゥイスト&シャウト」をビートルズはカヴァーするほどだ。そして、海を越えたイギリスで、自分たちがそこの若者に支持されているという事実に驚き、感激したのだ。それゆえに彼らはロック、ロックンロールに対してなんら抵抗感なく、以後たくさんの白人ロックの作品を積極的にカヴァーしていくことになる。

通訳であり音楽ライターでもある村松さんが誰か友人を待っているということでレジの前にいて、しばし立ち話。するとその待ち人は、日本で活躍するR&Bシンガー、ブレンダ・ヴォーンさんだった。フィリップ・ウーのライヴで名刺交換をしていたので、「あの女性シンガー二人、キムとキャンディーは、シンガーの見地から見て、どうですか?(笑)」と尋ねた。「そうね、シンガーの見地から見ると、いいわね。クールよ。声もよくでてるし、声域もある。ただ、ああいうタイプの曲(「アイスクリーム」)は私は、歌わない。(笑) ナスティー(いやらしい)すぎる!」 

Ice Cream [FROM US] [IMPORT] そのキムとキャンディーだが、彼女たちは「JS」というグループ名で CD を出している。 プロデュースはロナルド・アイズレー、R.ケリーら。彼女たちは、最初3人で活動していたそうで、前々回の来日は3人で来ていたという。もうひとりの名前はクリスタル。なぜグループ名が「JS」かというと、ジョンソン・シスターズの略から。

さてここだけの話、このクリスタルはフィリップ・ベイリーとつきあっているそうだ。そして、もうひとつ、ここだけの話。あのキャンディー・ジョンソン(ステージでは向かって右に位置。かわいい方←失礼=(笑))は、ロナルドの新しいガールフレンドだそうで。アンジェラと別れた後ということで、そうなったらしい。このあたりの丸秘情報は、私ソウルサーチャーのディープスロートからの情報です。

ところで、前日(1日=初日)は、鈴木雅之さん、黒沢薫さん、そして、ケイ・グラントさんらと一緒に大盛り上がりになったわけですが、ケイさんのウェッブのダイアリーにその時の4人の写真が掲載されています。僕のサングラスは、ケイさんからその場で借りたものです。ははは。最初4人で写真とりましょう、という時に3人がサングラスをしていたので、では僕も真似をして、ということになりました。ケイさんはいつもサングラスを3−4つ持っています。

http://k-grant.com/index_diary.html

ケイさん、どうもありがとうございます! もちろん、ポーズは「Shh...(シー)」。今の「ここだけの話」は、「Shh...」(内緒)。

Setlist
(second set)

show started 21.48


01. Between The Sheets
02. Footsteps In The Dark
03. That Lady
04. It's Your Thing
05. Twist & Shout
06. Shake Your Body Down To The Ground (Jacksons)
07. Ice Cream (JS=Kandi & Kim)
08. You're All I Need
09. Contagious
10. For The Love Of You
11. Shout (including riff of "Doin' It To Death")
12. Atlantis
13. Summer Breeze
14. Fight The Power

show ended 22.58



(2004年3月2日火曜・東京ブルーノート=アイズレー・ブラザース・ライヴ)

ブルーノートのウェッブ


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Diary Archives by MASAHARU YOSHIOKA
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