NO.526
2004/01/29 (Thu)
As Looking For "Melancholia", But Got 40 CD Box Set, Instead:
探索。

どうしても、デューク・エリントンの「メランコリア」という曲の入ったCDが欲しかったので、渋谷のタワーに行った。次の予定との間に15分くらいしか時間がなかったがすぐに見つかるだろうと思っていた。ジャズ売り場は5階。「デューク・エリントンのCDはどこにありますか?」とお店の人に尋ねた。すると、こちらです、と案内された。うむ、楽に4-50枚は並んでいる。

片っ端から、曲目を見るがなかなか見つからない。そこで、途中で「デューク・エリントンの『メランコリア』という曲を探してるんですが、どこにありますか?」と別のお店の人に尋ねると、「あ、それはわかりませんねえ」とにべもない。「曲目を検索できる機械はありますが・・・」というので、そこを案内してもらい、デューク・エリントン、メランコリアと入力するが・・・。コンピューターのリアクションが遅くて、かったるい。1枚当該曲が入ったアルバムのタイトルがでてきて、プリントアウトしたが、もちろんそれは店頭在庫にはなかった。時間もなかったので、もうめんどうだから、棚のCDを全部見ることにした。

CDを抜いては裏ジャケットを見て、曲目をチェック。3段近くあったが、全部見た。だが、残念ながら目指す「メランコリア」はなかった。時間もなかったので、とりあえず、今日は帰ることにした。しかし、やはりこうなると、ネットで買うほうに走るよねえ。CDショップは、サーヴィスで稼ぐようにしないと。「メランコリア」を探してるんですけど、と言ったら、一緒に探すとかしないとね。デューク・エリントンのヴァージョンでなくても、あればとりあえず買うわけだし。その店に行くのは、その場でその日に欲しいからだからねえ。

さて出口に向かうと、ワゴンセールみたいのをやっていて、ちらっとみると、ジャズピアノのボックスセットがあった。でかくてすごいボックスセット。手にとってみると、オスカーピーターソンだ、アート・テイタムだ、アーマッド・ジャマルだ、とそこそこよさげ。しかも、40枚組。これはすごいわと思ったが、値段を見て、さらにびっくり。7090円なり!! 1枚200円以下じゃない! こりゃ買うしかないわ。さらに、サッチモ10枚組ボックスセット、2290円。わかりました。買います。新譜1枚と変わらぬ値段で10枚も。生CDじゃないんだからねえ。(笑) ビリー・ホリデイなどのディーヴァもの5枚組セット1390円! まじっすか。というわけで、トータル55枚お買い上げ。どうするんだ、ただでさえCD置き場ないのに…。

今、これを書きながら流れているのはアート・テイタム(1909〜1956)です。これもピアノの基本でしょうか。全然、このあたり詳しくないんですけど。(笑) ガーシュインの「サムワン・トゥ・ウォッチ・オーヴァー・ミー」が流れています。僕がアート・テイタムのことを知ったのは83年のこと。ニューヨークのカシーフが、教えてくれました。「どんなキーボード奏者が好きなのか」と聞いたら、まっさきにこのアート・テイタムの名前をあげました。僕はその頃ジャズ系の名前をほとんど知らなかったので、当時はレコードだったか1枚くらい買ったのかな。

さて、なんでデューク・エリントンの「メランコリア」という曲か。実はノラ・ジョーンズの待望の第二弾アルバム 『フィールズ・ライク・ホーム』 が2月4日に発売されますが、その中に「ドント・ミス・ユー・アット・オール」という曲があります。ピアノ一本にノラが弾き語りを聴かせるしっとりとした曲で、アルバムの中で一番気に入りました。「雪が降ってくるのが見える。でも、あなたのことを思い出したりなんかしないわ(I don't miss you at all)。子供たちが遊び、笑うのが聴こえる。でもあなたの微笑みなんか思い出さない。あなたが戻ってこないのなら、あなたは私のはるかかなたの想い出に…。窓の外、光が暗くなっていく…」という、恋人が去っていってしまって寂しいが、あなたなんか思い出さないわよ、というちょっといじらしい歌です。いい曲なんですよ、これが。

で、この曲の元歌がなんと、デューク・エリントンの「メランコリア」なんです。「メランコリア」は僕は持っておらず、聴いたこともないんですが、どうやらインストゥルメンタルの曲らしいんですね。そして、その曲がとても気に入っていたノラは、「どうしてもこの曲を『歌いたい!』と思って」自分で勝手に詞をつけて4年ほど前から歌っていたのです。今回、エリントンの遺族に了解を得て、この歌詞でレコーディングしたというわけです。

さてさて、支払いをすませ、えらく重くなった袋を持ってエレヴェーターの方に向かうと、出口のところで、ピーピーとなるではないか。係りの人が「すいません、まだ充分に消せてないようで」と言って、また袋から全部取り出して、盗難防止用のデータを消す作業をし始めた。急いでいるときに限ってこれだ。(笑) もう一度袋につめてもらい、おそるおそるゲートを通ると今度は無事に静かに、何事もなく通ることができた。ふ〜っ。しかし、「メランコリア」一曲を探しに来たのに、なんでCD55枚も買って帰るんだ。ふ〜っagain。

Diary Archives by MASAHARU YOSHIOKA
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