NO.331 |
2003/07/24 (Thu) |
Sound of Footsteps in Empty Valley |
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苛斂誅求。 まず読めないでしょうね。初めてこの四文字熟語、聞きました。読みは「かれん・ちゅうきゅう」です。gooの辞書によるとこうです。 〔「斂」は収める、「誅」は責めるの意〕 年貢・税金などをむごくきびしく取り立てること。「取り立てが—をきわめる」 重い税金、税金の取り立てが厳しいことなんですね。で、だから何? それが、今日のライヴを見せたグループ、「neo.jp(ネオ・ドット・ジェイピー)」の一曲目に演奏された曲のタイトルです。 neo.jpは、シターラという独特の楽器をプレイする石間秀機さん、キーボードの深町純さん、ドラムスの堀越彰さんの3人組。他の誰もやらないような音楽をやろうということで集まった3人です。 石間さんによってシタ−ラと名づけられたギターは、6弦ですが、ゆるくチューニングしているために、普通に弾くよりは低い音がでて、上の弦を弾くと、あたかもベースを弾いているかのような音がでます。シタールとギターをあわせたような楽器で、これは、この石間さんが考案し、完全カスタムメードで作らせたもの。一応、注文があれば、作ることは作るが、とりあえずまだ石間さんしか持っていない、というオリジナル楽器です。 また、ドラムスの堀越さんは、かなりパワフルで歯切れがよく、ずっと聴いていたら、どこかかのパワフルドラマー、デニス・チェンバースを思わせられた。相当強力です。 石間さんのコンセプトは「ア・ニュー・サウンド・フロム・ジャパン」ということで、それがグループ名にも現れています。 そして、このグループによって演奏される曲名が、どれもおもしろい。石間さんが簡単に紹介してから演奏を始めます。「カレンチュウキュウ」なんて聴いたってわかりません。そこで、電子辞書に文字を打ち込むと、じゃ〜〜〜ん! 変換! 「苛斂誅求」 と出てきます。でも、液晶暗いので読むのちょっと大変。 さらに、「優曇華(うどんげ)」(3000年に一度しか咲かない花)、「偶詠(ぐうえい)」(ふでの遊び)、「禅問答・そもさん」、「空谷(くうこく)の跫音(きょうおん)」(寂しい山中に響く足音。転じて、寂しく暮らしているときの思いがけない訪問やうれしい便りのたとえ)と続きます。 第二部のオープニングは、「懸壅垂(けんようすい)」、そして「迦陵頻伽(かりょうびんか、または、からびんか)」「テレクション・インテリ」「採蘇羅(さそら)」「起請文(きしょうもん)」と続きます。それぞれの言葉の意味を知りたい方は、ぜひ辞書などをおひきください。gooの辞書に、コピー&ペーストして国語辞典で検索すれば、さくっと意味がでます。曲名を耳で聞いて、なんのこっちゃと思い、辞書を引くと、必ずでてくるんで、びっくりです。 メンバーで集まってこういう感じ、などと言いながら、ジャムセッションをして、曲を作りあげていくそうです。3人、それぞれがほかにない音楽、日本だけの音楽を作ってみたいという共通認識を持って、試行錯誤を繰り広げているユニットということでしょうか。既存の言葉で言えば、ジャンルはまったくありませんが、ジャズというか、ファンクというか、激しいリズムに、前衛的なギターとキーボードのサウンドが絡み合って、独特の世界を生み出しています。このトリオの音がある次元から上に来ると、聞き手のそのときのスピリット・レヴェルがあがっていくような効果もあるようです。 停滞化している音楽業界にこのneo.jpは空谷の跫音となるでしょうか。 (2003年7月23日水曜・横浜サムズアップ=neo.jp(ネオ・ドット・ジェイピー)のライヴ) ENT>MUSIC>LIVE>neo.jp |
Diary Archives by MASAHARU YOSHIOKA |