NO.301
2003/06/27 (Fri)
GATS TKB SHOW Live At Shibuya Boxx
宿題。

「ソウルマン」ガッツTKBショウのライヴが渋谷のAX(アックス)であるというので、友人MとKとAX入口で待ち合わせる。7時の待ち合わせに20分くらいあったのと、ランチをまだ食べていなかったので、数年ぶりにチャーリーズハウスでラーメンを食べることにした。

なかなか車をとめるところがなかったので、一度店の前を通過。すると、店の中には客が二人しかいなかった。一時期は並んでたのにねえ、と思いつつ、なんとか車を止めて店に向かう。扉を押し中に入ると・・・。そこで、僕が見たものは! (モノクロ映像の反転) な、な、なんと、その待ち合わせのMとKが一足先に、ラーメンなどを食べているではないか。二人の客は彼らだった。しかも老酒、ビールなどの飲みかけもある。やられた。

「しかし、この渋谷に何千軒とある店で、どうして、同じ店に来るかね(笑)」とM。Kは初めてというので、Mと「チャーリーズハウスといえばねえ、一世を風靡した店だよねえ。じゃあ、これからも渋谷にお寄りの際はぜひ、こちらで食べてからライヴに」とほとんど宣伝部長みたいな言い方をするも、「一世を風靡した」などと過去形で語っているときに、店の人の視線が一瞬気になった。すいません。チャーリーズハウスは1975年オープン、28年この地でラーメンなどを出している店だ。とりいそぎ、パーコーメンみたいのを食べて、AXに向かう。

と、ところが、AXに来たがなんだか様子が違う。客層が違うのだ。改めて、案内のファクスをよ〜〜く見ると、そう、ガッツのライヴはおとなりのBOXX(ボックス)だったのである。なんとなく、AXって聞いていたような気がしたんだけど。AXから雨の中をとぼとぼBOXXまで歩く。Kも、MもAXだと思っていたので、全員、すっかり意気消沈。

だが、会場に入ると小さな音で、スピナーズの曲が流れてきた。思わず、「は〜い、75年のスピナーズのスマッシュ・ヒット、『ゲームス・ピープル・プレイ』」などとMとKに解説して失笑を買うも、徐々に意気衝天。

ライヴはほぼ時間通りにスタート。オンステージにガッツを含め8人。立派なバンドだ。感じたことはたくさんあった。なにより、彼の音楽は、ガッツの声が抜群にいいということだ。この場合バンドの仕事は、そのガッツの声の良さをいかに引き立たせるか、どうやったら彼の声の魅力が輝くかという点に集中することが大事になる。

もちろんバンドによっては、バンドサウンドを重視して、声をバンドの中の一部、楽器の一部として捉える方法もあるが、この場合はまず、なにをおいてもガッツの声ありき、ということだ。

バンドは、日本人のバンドとしては、タイトでかっこいい。おそらく、このバンドなら、CDよりもライヴ・パフォーマンスのほうが、かっこいいだろう。ガッツはCDよりも、ライヴの人ではないかと感じた。フルのライヴは2月以来とのことだったが、このバンドで毎週あるいは毎日でも箱バンド的にやっていたら、めちゃくちゃ強力無比になるだろう。ついでに、ブラスセクションかなんか入れた日には、かなりファンキーなバンドになれると思う。今はガッツの声がソウルフルなのに、バンドの音は、うまいだけにかなりクリーンだ。

アース・ウィンド&ファイアーのライヴ、ジェームス・ブラウンのライヴ、マイケル・ジャクソンのライヴなんかをもっと研究して、ショウアップしたライヴにしたら、より楽しくなること間違いない。まだ、動きがないから、次はコレオグラフィーでもつけてもらいましょう。(笑) 

一番印象に残った曲はアンコールで歌われたカーティス・メイフィールドの「ピープル・ゲット・レディー」。前回青山で聴いたときはアコースティック・ヴァージョンだったが、この日はバンド・ヴァージョン。これは、さすがに歌いこんでいるだけあって、聴き応えある。ただし、これはグッドニュースとバッドニュースでもある。バッドニュースは、これが一番ということはオリジナルはどうなんだ、ということになるからだ。ぜひ、オリジナルでこの「ピープル・ゲット・レディー」を超える曲を作って欲しい。いい楽曲が生まれ、タイアップでもつけば、ブレイクはすぐそこだ。それが最大の宿題だ。

といったようなことを、ライヴを見ながら考えていた。そしたら、渋い顔をしていたのかもしれない。ライヴ後、ガッツに言われた。「渋い顔してましたねえ。見えましたよ。楽しくないのかと思いました」 「いやいやいやいや、エンジョイしましたよ!」と強く否定した。アンコールを含めて1時間57分。このバンドでジェームス・ブラウンみたいに年間150本くらいやってみたら、どうでしょう。(笑) 

【2003年6月26日(木)渋谷BOXX】

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Diary Archives by MASAHARU YOSHIOKA
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