NO.238 |
2003/04/28 (Mon) |
About Schmitd: Another Soul Searchin Story |
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+++ 孤独。 ![]() 淡々と進む日常で、妻が急死。自らの定年、妻との別れ、娘の結婚という激動が襲う中、彼は大型トレーラーで自分を見つめ直す旅にでる。妻の死後、遺品の中からシュミットの親友だった男と妻が20年以上前のことだったが、関係を持っていたことを知り激怒、待ち伏せしてパンチを食らわす。旅の途中、公衆電話からその親友のもとに電話をかけるが、相手は留守番電話だった。 シュミットはテープに吹き込む。「いろんなことがあって、今、私はソウル・サーチンの旅にでているんだ。あの件は、もう許すよ。20年以上も昔のことだからな。じゃあ、元気でな」 字幕では「いろいろ考えているんだ」というような雰囲気だったと思うが、ニコルソンの口から「ソウル・サーチン」の言葉がでてきたときには、驚いた。それまで映画のストーリーを追っているときに、「ああー、これもソウル・サーチンだなあ、まさに」と思っていたところだったので、どんぴしゃのタイミングだった。 シュミットが、養子にした子供へ手紙を出しに行く途中、ファーストフードの店にはいるシーンがある。注文をするときに、バックで流れていたのが、ホット・チョコレートの「ユー・セクシー・シング」。ほんの数十秒で、しかも、バックにかすかだったが、聞きとれた。 娘が結婚する男の母親役にキャシー・ベイツ。これがまた、個性的。 この映画 『アバウト・シュミット』 は、66歳の定年後、妻と死別後、娘が結婚し離れていくというあらゆる点で孤独になっていく男のソウル・サーチンの物語だ。後半じわっときて、後に深い味わいが残る映画だ。エンディング・シーンも見事にうまくまとめた。 アメリカ人は、ソウル・サーチンの意味を知っている。日本ではまだなじみがない。なんとか広めたい。でも、この言葉に「自分探し」という訳がつくのは、死ぬほどいやだ。近いニュアンスなんだが、どうも、その響きがねえ。「ソウル・サーチン」は、「ソウル・サーチン」でその意味を知ってもらいたい。 (2003年5月から全国東宝洋画系にてロードショウ) |
Diary Archives by MASAHARU YOSHIOKA |