NO.119 |
2003/01/11 (Sat) |
Austere Refinement & Quiet Simplicity |
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日本語で言うところの「侘び寂び」は、英語のイディオムにありません。その状態を説明しなければなりません。講談社インターナショナルから発行されている『これを英語でいえますか?』(99年10月1日発行)によると、上記英語表題が、侘び寂びに対する英語訳となっています。 austereは質素、禁欲的、refinementは優雅・高尚。quiet simplicityは静かな単純さ、といったところでしょうか。 もちろん、この英語以外にも様々な表現ができるでしょう。 日本語の辞書を引くと、侘びは、静かに澄み切り、落ち着いた味わい、寂びは、古びて趣があることとでています。 たとえば、こうも訳せるでしょう。侘びは、Class with quiet and cleanness、そして、寂びはelegance with old fashioned。さらに説明文として、among Japanese unique mentality(日本人独特のメンタリティー内にある)の一行を加えると、外国の方々にも少しはわかってもらえるかもしれません。 そして、この侘び寂びをかもし出す世界の一つに、たとえばお三味線の世界があります。友人が年に一度程度その発表会をします。そこで、歌われる歌がまさに侘び寂びたっぷりのものです。その歌詞カードはこうです。タイトルは、「今朝の雨」。読めばほんの20秒程度のものを、お三味線にあわせてゆっくりゆっくり歌うと、なんと5分近くになるんですよねえ。侘び寂びだ〜〜。 =今朝の雨= 今朝のな 雨にしっぽりとまた居続けに 長きひを短こうくらす 床の内 髪を引き裂き まゆ毛を隠し もし こちのひとえ 私のかえ名は なんとしょうへ あれ 寝やんすか おきなんし あけぼのならで 暮れの鐘 以上。たった6行! さあ、一体この歌の状況はどんなものなのでしょう。現代的な解釈を、明日、試しにここでご紹介してみます。もしよければ、あなたもこの歌の世界を、現代語に直したらどうなるか、やってみてください。この男と女のシチュエーションはどうだと思いますか? |
Diary Archives by MASAHARU YOSHIOKA |