Life Is Carnival, Their Live Is Addictive: Wild Magnolias Live

カーニヴァル。

ライヴは生きがい、ライヴはカーニヴァル、そう、彼らのライヴを体感することは、人生をカーニヴァルにすることだ。ブルーノートで見るアーティストの中で個人的にずば抜けて大好きなワイルド・マグノリアスの3年ぶりのライヴだ。

20分弱、ドラム、ギター、ベース、キーボード、ボンゴの5人でステージをいわゆるニューオーリンズのセカンドラインのリズムで、どんどんとあおる。スタータイムへの序章をおもいきり引っ張って、いよいよ今夜のスターが登場。歌い手たちのワイルド・マグノリアスたち。もちろん、あの大きなインディアン風衣装に身を包んでの出現だ。

リードシンガー、ボー・ドリスの息子、ボー・ドリス・ジュニアが被っている白い羽根を基調にしたインディアン衣装は、他の二人よりひときわ大きい。この3人が登場するだけで、会場がぱっと明るくハッピーになる。彼らが出るだけで、ブルーノートの室温は5度はあがる。いや、見てる側の体温もが~っとあがる。ほんとに度肝を抜かれる衣装だ。

実にライヴに生きているバンドだなあ、ということをつくづく感じる。ライヴたたき上げ、生涯ライヴマンであるメンバーたち。出てくる音も、とにかくでかく、グルーヴ感あふれる。どれをやってもドンドンドドオンというセカンドラインのリズムが実に心地良い。

リードシンガー、ビッグ・チーフの喉はどうなってるのだろう。あれだけの大音量をバックにいくら歌っても、声が減らない。どういう声帯をしているのだ。それほど、強い歌声だ。そして、右に左に揺れる超特大の羽根衣装。ブルーノートは、今ニューオーリンズに、しかも、マルディグラのど真ん中だ。

ビーズを投げ、おもちゃのタンバリンを渡し、いろいろなものを観客にプレゼントし、途中からは客を立たせ、ステージにさえ乗せる。まさに、この夜、この瞬間、ライフ・イズ・カーニヴァル(人生はカーニヴァル)! このエネルギーと、リズムとグルーヴ、すべてにおいての大迫力で、完全な音のシャワーの中に溺れた。ここまで音に浸れるのは久々だ。このリズムにキーボード吉弘さんの息子さんロニー君(7歳)が、ずっと踊っていた。最初は照れていたが、一度ステージに上がると、もう降りようとはしなかった。彼もステージで踊ることに快感を覚え、きっと中毒になっているかもしれない。

そして今、目の前で堂々とこのニューオーリンズのバンドの音楽ディレクターをやっているのが、ギターを一心不乱に弾く山岸潤史だ。彼がこうしてニューオーリンズ一のバンドで、ファンキーなギターを弾いているだけで、僕は個人的に、若干感情的に、イチローがメジャーリーグで大活躍して感動するのと同じくらい感動できる。

コネもなく、知り合いもなく、ただギター一本でニューオーリンズに渡り、無名のギタリストから徐々に名前を売り、自分が大好きだったバンドのオーディションに行き、自分が大好きゆえに彼らのレパートリーをすべて空で弾けたことからバンド入り。さらにその音楽的センスを見込まれ、バンドマスターにまで出世し、今、凱旋しているのだ。そう、山岸の人生も見事なカーニヴァルだ。

ニューオーリンズ好き、のりのいい音楽好き、パーティー系ファンク好きの方には絶対お勧めだ。音の洪水の中に、時が経つのを完璧に忘れる。何度見ても気持ちいい、まさに中毒になるライヴだ。

ブルーノートのウエッブ
http://www.bluenote.co.jp/art/20041015.html

ライヴは日曜(17日)まで。

(2004年10月15日金、東京ブルーノート=ワイルド・マグノリアス・ライヴ)

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