付加価値。
ちょうど505スタジオに入っていくと、オリトが9人編成のバンドで「レッツ・ステイ・トゥゲザー」を歌っていた。NHKのソウル番組『ソウル・ミュージック』の公開生放送。オリト、上田正樹、そして、リアルブラッドのライヴとトーク。5時から、途中30分のニュース放送をはさんで10時まで5時間、実質4時間半。ものすごい長丁場だ。実は行くまで、僕は今日は収録と勘違いしていた。深い意味はなく、ただなんとなく。たしか、この時間帯、大伴さんがでる番組が生ではいっていたから。そしたら、昨日はその大伴さんの番組はなくなっていたみたいだ。しかし、ライヴバンドをいれ、ソウルのリクエストばかりをかけ、しかも、それを5時間生放送でやってしまうNHKはすごい。民放じゃあできない。
オリトのライヴが終った後、しばしトークがあってグッチ祐三さんが登場。グッチさんとトムさんを生放送で同席させてブッキングするなんて! 一度、彼らがJFN系で放送している番組の収録に見学に行ったことがあるのだが、それはそれは、はちゃめちゃで楽しい。よくこれが放送できるものだと感心した。今日はお二人とも、かなりNHKを意識されていたようだ。(笑) それにしても、この二人を生でいれるNHKの肝っ玉はすごい。
さて、個人的に印象に残ったのは、レイ・チャールズ特集のところ。ライヴを終えた上田さんがはいって、レイへの熱いトークでもりあがったシーン、よかったですねえ。本当にああいう思い入れのあるトークというのは、きっとリスナーにも伝わります。レイ・チャールズだけで30分近くやっていたのかな。
ブラザートムが言った。「僕の母が好きで、僕が好きで、僕の息子も好きな曲」 そして、紹介されたレイ・チャールズの「アイ・キャント・ストップ・ラヴィング・ユー(愛さずにはいられない)」。ひときわこの曲が輝いた瞬間だ。
きっとこの曲、どこの局でも何千回何万回ってかかっているだろう。でも、たださらっと紹介されて終ってしまえば、その曲になんにも付加価値がつかないことも多い。「ただの曲紹介」で過ぎ去っていくだけ。でも、こうしてブラザートムのこの言葉の後にかかった「愛さずにはいられない」は、いつもの何百倍ものインパクトをもってリスナーに伝わる。これぞ、曲の紹介者。僕だって何百回と聴いたこの曲が、いつもと違って聴こえてきて、じっと聴き入った。終ったときには、レコードなのにもかかわらず、拍手をしたかったほどだ。曲自体と、その紹介に対しての拍手だ。きっと、僕はこれ以後この曲を聴く時に、ブラザートムのそのコメントを思い出すだろう。
さて、トムを含むリアル・ブラッドのライヴは絶好調。「恋はJOJO(上々)」での赤いバラを持ち、観客の女性にべったりして歌うところは、何度見ても最高のエンタテインメント。思わず声をあげてしまった。アカペラの「上を向いて歩こう」は4パートにもかかわらず、かなりの迫力だ。そして、先日ゴスペラーズの村上/黒沢組が『フィールン・ソウル』でアカペラでカヴァーした「シルクの雨」! 僕はここ1-2週間彼らの「シルク・・・」が頭から離れず(笑)、久々にオリジナルを聴いたので、ますます気に入った。シルキー藤野のファルセットは、(前にも書いたが)もう絶対今やフィリップ・ベイリーを超えてる。
ところで、この番組、ブラザー・トムとDJ尾臺(おだい)さんのかみあわないトークが、このところ妙に快感になってきた。これってマニアックなリスナーだろうか。(笑)
ENT>MUSIC>RADIO PROGRAMME>The Soul Music/2004.10.02
ENT>MUSIC>LIVE>Real Blood/2004.10.02