Questions To Tao: Lessons About Wadaiko

講座。

タオのライヴが終った後、ロビーではCDやDVD、パンフレット、Tシャツなどが売られていた。また、海外の新聞にでた記事などもで展示されていて、そんなものをぶらぶら見ていると、メンバーたちがおりてきた。そこにいた人たちにちょっとした挨拶をして、「これからはおしゃべりタイムです」と言い、いろいろな人たちとの談笑が始まった。これはいい、とばかりにメンバーに声をかけた。

実はライヴを見ている最中、いろいろな疑問が浮かびあがっていて、それを紙にメモしていた。以下は疑問一覧表である。

+楽譜はあるのか。ある場合、アドリブはやるのか。アドリブ部分はあるのか。
+この太鼓を作るのは誰? どんな木を使うのか。どれくらいの期間かかるのか。大きいのはいくらくらいするのか。
+調律はどうするのだろうか。ピアノの調律師みたいのはいるのか。
+皮の張り替えは。
+新曲というか作曲はどうするのか。

近くにいた滝良平(たき・りょうへい)さんに聞いた。「楽譜はありますよ。太鼓でも音階がいくつかあるんです。五線譜ではないんですが、そこに音の高さが書いてあります。それと強さが書いてあります。だいたい十段階の強さを数字の1から10までで表しているんです」 アドリブはほとんどないという。曲を書くのは、それぞれがアイデアやテーマを持ち寄って、作り始め、そして一度メンバーに戻し、またそれぞれがやってきたことを集めて、作り上げていくという。なので、長くかかる曲は2ヶ月くらいかかるものもある。

「太鼓は、石川県にある浅野さんという太鼓作りの老舗の会社があって、そこはスポンサーにもなってくれているんですが、そこで作ってもらってます」 この会場に持ってきた一番大きな大太鼓(おおたいこ)と呼ばれる太鼓は、直径3尺8寸(約1.14メーター)。イギリスにひとまわり大きい4尺5寸(約1.35メートル)のものが行っている。ライヴが終った後、会場で近くによってじっくりと見たが、それはそれは立派なものだった。この元の木は、ブビンガというアフリカ産の木だという。本当は、昔のように日本のけやきやひのきで作るといいのだが、まずこれだけの大きさの木が見つからないこと、コストがものすごく高くなるために、日本の木で作るのは実質的にむずかしいそうだ。

直径1メートル以上の太鼓を作るためには、周りを削るので、最初はもっと太い木を探す。中をくりぬいて作る。だから樹齢も何百年という大木を探さなければならない。別の木と木をあわせたりはしない。胴が長いとやはりいい響きを生む。4尺5寸の大きいほうは、「平胴(ひらどう)」と呼んでいる。小さい太鼓は3週間くらいでできるが、大きいのは何ヶ月もかかる。3尺のほうでも500万円ちかくになるそうだ。4尺のほうはもっと高い。

調律ということはできないという。ネジで皮を締め付けているが、それを調整して音をいじるということはできない。また、太鼓は湿気が大敵。そこで湿度が高いときや、雨の時などは、皮のあたりを手やタオルなどでこすったり、時にはストーブで乾燥させて調整する。「今日はちょっと湿度があったせいか、予想以上に(音が)低くなっていましたね。あとで、調整します」と彼は言った。皮の張り替えは10年に一度くらい。太鼓自体は、半永久的に使えるという。

そこにもうひとり水藤義徳(すいとう・よしのり)さんが加わった。ふだんはどんな音楽を聴いているのですか、と尋ねると、「いろいろです。ロックも聴くし、最近では「フィール」でしたっけ、癒し系のオムニバスとかも」との返事。そこで、ひとしきり、ジャズドラマーなんかとセッションしてはどうか、という意見を言ってみた。

ところで、3尺とか4尺と言われてピンとこなかったのですね。で、帰って調べました。1尺は30.3センチ。そして、10寸が1尺ということで。

思わぬ和太鼓ミニ講座でした。ラッキ~。

(2004年8月20日金・国際フォーラム・ホールD7=タオ(TAO)ライヴ)

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