握手。
この日、成田から到着したばかりの老練な職人ミュージシャン3人が位置についている。いろいろとセッティングに時間がかかる。新宿の老舗ジャズバー、ダグ(DUG)。35席で超満員となるこの店はすでに牛詰状態だ。この夜の主人公は新人レディー・キム。しかし、僕はロイド・メイヤーズ74歳(ピアノ)、ポール・ブラウン70歳(ベース)、クラレンス・ビーン72歳(ドラムス)というこのトリオに、まずは目を奪われた。
彼らがウォームアップの一曲を演奏する。彼らにとって「音楽を演奏するとは」どういう意味を持つのだろうか。本当に朝飯前のように、それぞれがプレイしている。このトリオで演奏するようになったのは、ここ3年程度だという。ただし、それぞれはいろいろなセッションで30年以上の知り合いだ。ドラムのビーンがそう話してくれた。この70ズのトリオは、強力だ。3人の間のミュージシャンシップという絆の強さははかりしれない。
そして「ハウ・ハイ・ザ・ムーン」でレディー・K登場。意外と声は細い。かなり緊張しているのだろうか。でたばかりの新作『レフト・アローン』からの作品を中心に1部、2部に分けて歌った。笑顔がなかなか素敵だで、確かに絵になるシンガーだ。今度は、シャウト系のソウルを聴いてみたい。
終った後、店頭で売られていたアナログ30センチアルバムやCDにサインをしていた。帰り際、ちらっと話をした。「ジャズ以外も歌いますか?」 「え~、今は以前ほどジャズ以外は歌いませんが、ソウル、R&Bも歌っていました。一時期、チャールズ・ネヴィルのバンドにいたこともあるのよ」 「ええ? じゃあ、ニューオーリンズに住んでた?」 「いや、彼らは奥さんと子供たちとボストンにいるの」
別れ際に「ナイス・トゥ・ミート・ユー」と言って握手をしたときの、手の握り方が強かった。
Setlist (incomplete)
2004.7.29 Lady Kim Live At Shinjuku DUG
First set
show started 20:13
1. (Instrumental)
2. How High The Moon
3. Since I Fell For You
4. Exactly Like You
5. Left Alone
6. (Instrumental)
7. Softly As In A Morning Sunrise
8. If I Were A Bell
9. Misty
10. Summertime
show ended 21:04
Second Set
show started 21:30
1. (Instrumental)
2. Bird Alone
3. Afro Blue
4. What A Difference A Day Makes
5. Just In Time
6. Nearness Of You
7. Take The A Train (Instrumental)
8. Girl From Ipanema
9. Fine & Mellow
10. I’m Glad There Is You
ENC. Strange Fruit
show ended 22:32
(2004年7月28日木曜、新宿・ダグ=レディー・キム・ライヴ)
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