解凍。
アニタ・ベイカーがブルーノートに移籍https://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200403/diary20040307.htmlしての第一弾アルバムがいよいよ発売される。前作『リズム・オブ・ラヴ』(94年9月発売)以来ちょうど10年ぶりの新作タイトルは、『マイ・エヴリシング』。全米で9月7日発売、日本で9月29日発売。全編のプロデュースはバリー・イーストモンド(ビリー・オーシャン、フレディー・ジャクソンなど)、一曲ベイビーフェイスがてがけた。
全9曲、いずれもかつてのアニタ・ベイカーとまったく変わらないサウンド、歌声を聞かせる。ほとんどすべてのバック演奏は、リアル・ミュージシャンたちとともに同時にヴォーカルをレコーディング。生の音楽を作り出している。そして、生まれたサウンドは10年の年月を瞬時に忘れさせてくれる。それは聴く者を1986年頃に引き戻してくれる。
最初のシングル「ユーアー・マイ・エヴリシング」からいきなりアニタ節全開だ。また、将来的にシングルカットが期待されるベイビーフェイスとのデュエット「ライク・ユー・ユースト・トゥ・ドゥー」も、ベイビーフェイスとのからみが抜群だ。
86年から94年までにエレクトラ・レーベルからリリースされた4枚のアルバムは、いずれも最低プラチナム・ディスク(100万枚以上)のセールスを記録、『ラプチャー』は全米だけで500万枚以上を売った。今度の新作も最低ゴールド(50万枚)、うまくいけばプラチナムになるだろう。アルバムチャートでもベスト3内に初登場しそうだ。
次々とヒットを放った彼女が、94年で音楽活動を休止したのは、1993年に第一子(男)が生まれたため。さらに、約1年後、第二子(男)が生まれ、彼女は子育てに専念。その子供たちが、いまや11歳と10歳になり、彼女は再びキャリアに挑戦し始めた。新譜発売とともに、全米にプロモーションで出向く。さらにヨーロッパへのプロモーションも計画されている。
先週、アニタ・ベイカーに電話で話を聞いた。「今まで、これほどまでのワールドワイドな(同時)リリースはなかった。だから、とても興奮している。と同時に、ちょっと怖くもある。なにしろ、これほど大規模にいっせいにプロモーション活動がされたことはないので」
過去10年彼女は、「家のことで手一杯だった」という。両親が病気になり他界し、子育てがあった。そこから解放された今、新たな第一歩を踏み出す。10年間、音楽の冷凍庫に冷凍保存されていたアーティストが今、解凍されてフレッシュに世にでていく。