公開決定。
『永遠のモータウン』に続く強力なソウル・ミュージックのドキュメンタリー映画『オンリー・ザ・ストロング・サヴァイヴ』の公開が、いよいよ11月に決まった。映画会社はこれから本格的に宣伝活動などを行い、盛り上げていく。一度本日記(2004年2月17日付け)でもご紹介したが、メンフィス、スタックス、シカゴなどで活躍したいわゆる「ロスト・ソウル」アーティストたちのドキュメンタリーとライヴ。特にライヴのシーンはソウルファン必見だ。
映画の感想文はこちら。↓
https://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200402/diary20040217.html
これからも公開までに、個人的にも応援したいので、何度かご紹介することになると思う。
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美音。
打ち合わせのために、ちょっとソウルバーに行きましょうということになり、六本木のソウルバー「シュガーヒル」に出向いた。この「シュガーヒル」は、ご存知のかたも多いかもしれないが、以前飯倉にあった店がこの4月、新たに六本木7丁目へ引っ越したもの。以前の店は物件に水まわりの問題がでてクローズしたという。新店は、六本木ジョージの前の細い道(ガソリンスタンド横)をちょっと入ってすぐ右側のビル。六本木の交差点から来ると、青山方向に向かい、旧防衛庁前ガソリンスタンドの先を左折、すぐ右側の2階。
初めて足を踏み入れると、アースのCDが流れていた。ソファーと椅子席で約20席のいかにもソウルバーという雰囲気にJBLの4343という大きなスピーカーがど~んと置かれ、かなりすばらしい音でソウルが流れていた。ここまではぎれのいいサウンドを聴かせるソウルバーは初めてだ。ジャズバーには、相当な資金をオーディオにつぎ込んだ店があるが、ソウルバーではなかなかない。これはちょっと驚きだった。
店のオウナー、越川さんと話した。中音、高音が完璧だったが低音がそれほどこなかったので、ウーハー(低音をだすもの)は、置いてないのですかと尋ねると、「実はまだアンプがきてなくて、それにあわせてこれからウーハーも揃えるんです」とのこと。しかも、CDプレイヤーからは、ミキサーを通さずダイレクトにアンプにつないでいる、という。ちょうどその時は、ご自分で編集されたCDをプレイしていた。「ミキサーを通すと、やはり(音が)悪くなりますからね。音が落ちないミキサーですか? それは、こんな(と言って両手を広げる)大きなミキサーを買わないと。(笑) 100万じゃきかないですよ。逆に、そういうのを通すと通したほうが音がよくなったりします」
ただ週末などディスコ曲をアナログで大音量でミックスしてプレイするときは、ターンテーブル、CDプレイヤーを使いミキサーを通して音をだす。
レコードがあまり見当たらなかったので訊いた。「いやあ、実はレコード棚をここ(DJブースの上部あたり)らに作りつける予定だったんですが、オーディオのほうに資金をつぎ込んでしまって、まだそっちまで手が回らないんですよ。(笑) 店は4月に開けたんですが、まだ、スピーカーなんかもほんの一週間前くらいに揃ったばかりで」
オウナーの越川さんはちょっとユニーク。本職というか、昼間は授業数は多くないが東大で哲学を教えている先生。本も出されているという。ちなみに、この新店舗の物件は、赤坂ミラクルの川畑さんの紹介だそうで。
「シュガーヒル」の店名の由来は、ニューヨーク・ハーレムの西に位置する地名。この地は、1800年代後期には白人の中流クラスが住んでいたが、1920年代頃から、成功した黒人層が住み始めるようになった。シュガーヒルは、文字通り、「甘い丘」。ある意味で「成功の甘い丘」といったニュアンスで、この名が定着した。高級住宅地で言えば、例えば、ビヴァリーヒルズやエンシノなどと同じようなもの。もちろん、ソウル、R&Bラヴァーズにとっては、世界で初めてのラップレコード「ラッパーズ・デライト」を生み出したシュガーヒル・ギャングの名前もおなじみだろう。
この「シュガーヒル」の隣のビルには、「トウキョウ・ア・ゴーゴー」、さらに道をはさんで日本最古のソウルバー「ジョージ」がある。徒歩1分圏内に3軒のソウルバー。この一角は日本一のソウルバー密集地かもしれない。
ジェームス・イングラムの「ワンハンドレッド・ウェイズ」がかなりの音量で実に気持ちよく流れていた。美音で聴くイングラムは、やはりいい。さくっと一杯だけ飲んで、次に移動。行く先は・・・赤坂ミラクルしかない。
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シュガーヒル
Sugar Hill
東京都港区六本木7-3-14
六本木東海ホワイトビル2階
03-3408-1218
営業 20時から3-4時くらいまで。
定休 日曜
チャージ 700円
ドリンク 700円~
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