英語。
「英語はクソほど、下手なんですよ~~」 スガシカオさんは、はっきりとそういって周囲の爆笑を誘った。「英語で歌、歌うとリズムが全然だめなんですよ」 思わず「日本語であれだけ乗ってるのに?」と反応してしまいました。「日本語で歌うとリズムが出るのに、英語だとまったくでないんですよ」 へえ、不思議ですねえ。「だから英語のカヴァー曲を昔やったことがあるんですけど、日本語の歌のほうが、お客がぐあーと来るんですよねえ。英語で歌うとみんな体がとまっちゃったりするんですよ」
「じゃあ、マーヴィンが英語、スガさんに週3日教える、と」 「でも、マーヴィンの英語、オレよくわかるんだよね」とスガさん。 「あ、それはですね、マーヴィン、日本に長いから。日本語英語だから」と僕が言うとマーヴィンすかさず「ちがうよ~~っ。英語は英語だよ~~。ウィッキーで~すぅ~(爆笑)」
オフマイクになって、スガさん。「いやあ、でもマーヴィンの英語、わかりやすいですよね。僕、ヒアリングが赤点だったから(笑)」 その昔、プラターズのヒット曲「オンリー・ユー」などを英語で歌ってみたことがあるといいます。でもやはりリアクションはよくなかったと。「だからね、英語の歌、もういいんです。外国人の前でも、なんでも、日本語で歌うんです!(きっぱり)」 「ほ~~。それはすごい」 「だけどお、(外国人の前でやったら)終った後、(何かを)英語でしゃべりたいんだよ(笑)。『どうだったあ?』とか。(笑) それとか、この前、アヴリル(・ラヴィーン)に会ったんだけど、その時、(自分の)CD渡したんですよ。でも、その時に『オレ、こういうのやってんだよ』くらいは、言いたいじゃない(笑)。で、(あなたの)この曲とか好きなんだよ、くらいは言いたいんですよ(笑) まあ、そういうのが言えないもどかしさはありますよね」
「じゃあ、今、一番会いたい洋楽アーティストって誰ですか?」と僕。「う~~ん、そうだなあ、死ぬまでに一回プリンスに会いたいなあ。でも、会っても何もしゃべれないんだろうなあ・・・。前、来日した時に前から4列目で見てましたけどね・・・」とスガさん。
そして、マーヴィン自身も、スガさんの歌の中に、プリンスを感じるという。ちなみに、ニューシングル「秘密」のイントロのドラムは、何か古い音源をサンプリングし、それをさらに加工して作ったといいます。また、自分が曲を作る時は、「サウンド7、歌詞3くらいの割合」になっている、とも。僕も彼の曲は、歌詞よりもサウンドと彼の声に耳が行く。歌詞が、意味を持った日本語としてはいってくるのではなく、単なる音として耳に入ってくるという点で、山下達郎さんの作品と共通したものを感じました。
スガさんのリクエスト、ピーター・トッシュ&ベン・ハーパーが流れ、彼のパートは終りました。そして、時刻は3時半。『ソウル・ブレンズ』はまだまだ続きます。