Toku Hangover: Live At Sweet Basil

二日酔い。

雨の量はそれほどではないが、風がものすごい一日。会場のスイートベイジルにはちょうど一部の後半に着いた。休憩をはさんで第二部がスタート。なにから始まるかと思いきや、「ゴールデン・レイディー」から。おおおっ。以前番組で歌ってくれたのを聴いたが、バンドでしかも、弦のカルテットをバックに聴く「ゴールデン・レイディー」はおつなものでした。

エルヴィス・コステロの「シー」、スタンダードの「スマイル」などをはさんで、再びスティーヴィーの「ザット・ガール」。新作アルバム『30』に収録されている作品だ。オリジナルはミディアム調のものをToku(トク)は、かなりスローにして歌う。

スローの作品が多いが、Tokuは、時の流れをうまくつかんで自分の時間と空間を作り出す。やはり新作『30』に収録されている彼自身が作詞作曲をてがけた「ロバータ」は、なかなか雰囲気のある作品。ちょうど、この曲の間奏でフルーゲルホーンのところにさしかかった時、テーブルの小さなグラスにぺリエが注がれた。ぺリエの泡と彼のフルーゲルが妙にいいマッチングを見せていた。

アンコール3曲のトップで、弦4人をバックにマイクを使わずに「スターダスト」を歌った。会場の観客全員がTokuを凝視する。歩く足音さえうるさく感じられるほどの静寂の中に彼の歌声だけが響いた。男女比率2:8くらいで圧倒的に女性が多い観客は、みな彼の歌声に酔いしれ、目はハートマークになっていたかのようだった。そして、再びバンドが登場し、フランク・マッコムの作品「ガッタ・ファインド・ア・ウェイ」。これなども、すごく彼に向いた作品だ。そして、最後は新作アルバムのトップを飾る「ハロー・イッツ・ミー」。

丸い氷の入ったグラスを片手にした同行ソウルメイトM曰く「こういう曲、聴いてるとどんどん酔っちゃうので、もう水にしておきます(笑)」。Tokuが観客みんなを酔わせた夜だった。中にはその強烈なToku度数ゆえに、二日酔いになる人もいるかもしれない。それはToku Hangover.

(2004年4月27日火曜=スイートベイジル、TOKU(トク)ライヴ)

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