相性。
たくさんのメッセージ、ありがとうございます。BBSへの書き込みのほかにも直接のメールなどもいただいています。改めてありがとうございます。
先日のフランク・マッコムのインタヴューの話が途中なので、続きを少し書いておきましょう。僕が、「あなたが音楽で最後に泣いたのはいつのことですか」という質問をしたところ、フランクはしばらく考えて、こう答えたのです。
「僕が曲を聴いて最後に泣いたのは、一月ほど前のことだった。よく覚えている。その時、聴いた曲というのは「サマー・ソフト」、スティーヴィー・ワンダーだ」 よりによって、「サマー・ソフト」を選んできたので僕は超びっくりしました。
「あれは76年のこと。僕の母親が新しい兄弟を生むために入院していた。母親は姉(フランクのおばさんにあたる)に、僕たちの面倒をみるように言った。そして、僕たちをなつかせるためにレコードのかけ方をおばに教えておいたんだ。その時かかっていたのが、スティーヴィー・ワンダーのアルバム『キー・オブ・ライフ』のディスク1のサイド2だった。『アイ・ウィッシュ』から始まって、『サマー・ソフト』が4曲目にかかる。おばさんは、その面ばかり朝から晩までかけていた。で、その曲を聴くと、母親が苦労していたあの時のことが思い出されるんだ。で、この曲が流れて来た時、思わず泣いてしまった。そう、この曲は僕を76年のあの時に連れてってくれるんだ」
というわけで、僕は急遽、この話を『ソウル・サーチン・トーキン』でしようと考えたのですが、それだけでなく、何かビデオメッセージでももらおうと思ったのです。そして、収録したメッセージと、このインタヴューの部分をご紹介したわけです。
それにしても、スティーヴィーの曲が、なんらかの思い出になっている人って本当に多いですね。それだけ、彼の作品は思い出と相性がいいのでしょう。