(前日からの続き)
底力。
前日(9日)のシーラEのライヴがひじょうによかったので、急遽、今日(10日)ファーストに再度行くことにした。さすが土曜ということで前日よりさらにはいっていた。曲の並びは同じだが、観客の反応が熱いせいか、前日よりシーラたちが乗っているように見えた。
やはりやる曲をある程度知っていて、じっくり見ると、最初に気が付かなかったことがいくつかわかったりもする。これは映画の二度見と同じことだ。例えば、4曲目の「ミューティニー」はプリンスからのジェームス・ブラウンの「セックスマシーン」への回答ではないかと思った。ここでサックスを吹くエディーMは、さしずめメイシオ・パーカーだ。そこからノンストップで続く「ラヴ・ビザール」では、レイモンドのベース、リンのヴォーカル、キャットのヴォーカルとギターのハーモニー、などのソロパートが登場。実に聴き応えがあった。
また、7曲目のドラムソロとキーボードのかけあい部分では、打ち込みの(事前にプリセットされた)音を、アナログで(つまり実際の腕で)ボードを叩いて出すというデジタルの音をアナログ式で出すというなかなかおもしろい展開になっている。そしてこの時もスティックがポ~ンと割れた。その瞬間、シーラは言った。「I got another one(スティックはいくらでもあるわよ)」
さらにこの日は「グラマラス・ライフ」で、エディーたちとナッシング・バット・ザ・ファンクを組んでいる日本人ドラマー、沼澤尚さんが飛び入りで登場。シーラのパーカッションと沼澤ドラムという豪華共演がみられた。沼澤さんと終った後少し立ち話をしたが、「エディーたちはもちろん知ってるけど、シーラともロスアンジェルス時代に一緒にやっていた」という。沼澤ドラムは、しかし、かっこいいな。日本人ドラマーの中では群を抜いている。
さて、前日にアンコールの曲で涙ぐんでいたので、何か特別な意味があるのか興味を持った。セカンドが終ってしばらくしたら、ミュージシャンたちがでてきて、シーラとリンも出てきて、ファンたちにサインを書いたりしていたので、ちょっと聞いてみた。「あれは、どういう意味の曲なのでしょうか。何か特別な意味がありますか」
「あれはね、流れている川に石があるでしょう。最初はごつごつ、がさがさしている。でも、川の水で転がされたりして、だんだん石が滑らかになっていく。神がそうしたごつごつしたものも、丸くしていく、みたいなことを歌った歌なの」 「これを歌うときは毎回泣いてしまうんですか」 「いや、毎回ではないけど、けっこう泣いてしまうわね」
そこで歌詞を探してみた。すると、こんな歌詞の曲だった。(下記参照)
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River God (川の神、神の川)
たった一度でも水が流れれば、
流れ行く川に宿る神が、小さな石を滑らかにする
私は石。ごつごつ、ざらざらした石。
この川を凍らせないようにする石。
だが目を閉じ、川の流れを感じると
時がいつしか変化をもたらすことがわかる
だが、変化のためには膨大な時間がかかる
太陽が沈む時、私の祈りはこうだ
あなた(神)の手に包まれた私は、
少し丸くなっている
時にワイルドに荒れ狂い
時に水があふれるが、
この川が干上がったことなど見たことがない
あなたの奥深くこそ、わたしが身をおきたいところ
鋭い角が洗い流されていく
目を閉じ、川の流れを感じると
時がいつしか変化をもたらすことがわかる
だが、変化のためには膨大な時間がかかる
太陽が沈む時、私の祈りはこうだ
あなた(神)の手に包まれた私は、
少し丸くなっている
たった一度でも水が流れれば、
流れ行く川に宿る神が小さな石を滑らかにする
(訳詞・ソウルサーチャー)
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前回の来日から比べると、シーラのパフォーマンスはずいぶんと吹っ切れたような気がした。スローの曲の選曲もこれまでと一味違う。精神的になんらかの変化でもあったのだろうか。ショウの途中で、虐待された児童のための基金集めのアナウンスもしていた。なんとこの基金では15億円ほど集めるという。http://www.lilangelbunny.com/
立ち話の中で、沼澤氏が言うには、一時期シーラは体調が悪い時期があって調子がよくなかったらしいが、今はすごく健康になって精神的にもよくなったのではないか、ということらしい。今回のライヴパフォーマンスを見て、妙に納得してしまった。この「リヴァー・ゴッド」をライヴの一番最後に歌うということでも、シーラEのなんらかの心境変化の一端が表れているのかもしれない。
それにしても、シーラにしろ、エディーやキャットら、プリンス・キャンプで鍛えられたミュージシャンたちのミュージシャンとしての底力には改めて感嘆させられた。
River God
by Sheila E.
Album : Heaven
Rolling river God
Little stones are smooth
Only once the water passes through
So I am a stone
Rough and grainy still
Trying to reconcile this rivers chill
But when I close my eyes
And feel you rushing by
I know that time brings change
And change takes time
And when the sunset comes
My prayer would be this one
That you might pick me up and notice
that I am
Just a little smoother in your hand
Sometimes raging wild
Sometimes swollen high
Never once I’ve known this river dry
The deepest part of you,
is where I want to stay
And feel the sharpest edges,wash away
But when I close my eyes
And feel you rushing by
I know that time brings change
And change takes time
And when the sunset comes
My prayer would be this one
That you might pick me up and notice
that i am
Just a little smoother in your hand
Rolling river God
Little stones are smooth
Only once the water passes through
Setlist (first set) 2004.4.10
show started 19.10
1. Madhouse (Madhouse)
2. Whatcha Gonna Do (“Sex Cymbals”)
3. Closer (“Heaven”)
4. Mutiny (Family)
5. A Love Bizarre (“Romance 1600”)
–Riff of “One Nation Under A Groove”/”Thank You”/”Funkin For Jamaica”–
6. All In My Head (ftg. Lynn Mabley)
7. [Groove–Electric Percussion & Keyboard Interplay]
8. Glamorous Life (“Glamorous Life”)(Joined Numazawa Takashi)
Enc. River God (“Heaven”)
show ended 20.41
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