カヴァー。
前半は、ゆったりしたゆるい雰囲気でショウは進んでいきました。4人のバンドは、なかなかにシュアなバンドです。最初ベースがいいなと思ったら、ヴェテランのリック・チーダコフ、ドラムスも途中からえらくよくなったなと思ったら、ピーター・バネッタということで、もう25年以上もトップクラスで活躍している人たちではありませんか。彼らはこの日の主人公と20年以上前に多くの作品で共演していたわけです。彼らなら間違いない! これにキーボード・ピアノ、デイヴィッド・サンチェスそして、ギターにラリー・ホッペンという4人バンドは、一言で言えば、いかにもバーやラウンジでトップ40ヒットなどを演奏していそうなバンドです。そして、主人公の名前は、ロビー・デュプリー。
1980年に「スティール・アウェイ」の大ヒットが生まれたいかにもウェストコースト風のアダルト・コンテンポラリー系のアーティストです。声質、曲調からして、マイケル・マクドナルド系のシンガーということになります。
さて、その「スティール・アウェイ」、「ホット・ロッド・ハーツ」に続いて、なんと聞き覚えのあるギターリフが。何かと思えば、スピナーズの大ヒット「アイル・ビー・アラウンド」が登場。ドラムスのピーターが俄然のりだして、生き生きしてきました。ギターもおなじみの繰り返しのリフが盛り上がります。この曲で一度ステージを終えた後、アンコールで演奏しだしたのが、アイズレーの「ワーク・トゥ・ドゥ」! さらにリズムがのりのりになりました。このあたりのサウンドを聴いて、彼らはバーなどのラウンジで客を踊らせるようなバンドとしてぴったりではないかと感じました。
この日は2階は使わず1階のみで6割ぐらいでしょうか。ライヴ終了後、メンバーがすぐに客席に下りてきました。ロビーが来たのでちょっと話をしました。彼はすでに10回近く来日している、といいます。前回はマウントフジ・ジャズ・フェスに来ていたそうです。「スピナーズとアイズレーのカヴァーは、なぜまた?」 ロビー。「もちろん、それが好きだからだけどね。こういうのりがいい曲だと観客のリアクションもいいだろう。(アメリカでは)カヴァーだけのライヴをやったりすることもあるんだ。スタイリスティックス、アヴェレージ・ホワイト・バンド、アイズレーなどのヒット曲ばっかりやったりしてね。ある時は、時間を区切って前半はオリジナル、後半はこうしたクラシックをやったりね」
彼のCDは現在、キーボード担当であるデイヴィッドとともに書いた楽曲が多く収録され、自らインディで発売している。約5000枚のセールスをあげるそうだが、こうして自分たちでやっていく分には充分な数字だとロビーは言った。
ところで、ロビーは1946年12月23日ニューヨーク生まれ。ということで57歳なのだが、彼のサウンドはしばしばウェストコーストサウンドと呼ばれます。そのことを訊いてみました。「あなたはニューヨーク生まれなのに、なぜあなたのサウンドは、ウェストコーストっぽいのですか」 すると彼は答えた。「うん、それは僕が長い間ウェストコーストに住んでいたからじゃないかな。79年くらいから、20年近くね。今? ニューヨーク郊外のウッドストックに住んでるよ」
ちょっとショーン・コネリーを若くしたような感じのロビーだけでなく、みな、いい感じの人たちだ。
Setlist
show started 19.36
01. Goodbye LA
02. Miracle Mile
03. Real World
04. Right Direction
05. Mister O
06. Desperation
07. Talk To You
08. This Is Life
09. It’s Too Late To Talking Over
10. Sunny Days
11. Dance With Me (Larry on Guitar)
12. Steal Away
13. Hot Rod Hearts
14. I’ll Be Around
Enc 1. Work To Do
Enc 2. Driftin & Driftin
F# Blues Jam
show ended 21.05
(2004年3月12日金曜=渋谷DUO、ロビー・デュプリー・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Dupree, Robbie