It's Only A Piano, But There's A Biggest Luxury

贅沢。

ピアノライヴ、2日目。会場は、これも僕は初めての銀座王子ホール。収容約330。これも昨日同様、非常に綺麗な施設だ。天井は第一生命ホールほど高くなく、反響音はかなり少ない。普段はクラシックを中心にコンサートをやっているという。なによりも、銀座三越の真裏という絶好の場所。

銀座山野楽器のインストアライヴから今度は銀座王子ホールということで、「銀座を渡り歩くピアニスト」(!)になりつつある妹尾武の初のコンサートホール、フル・ライヴ。ファン層は年齢も幅広く20代から40代まで、男女比は2:8くらいでしょうか。

CDで聴かれるそのままの優しさ、暖かさ、叙情が、咳払いひとつや紙をめくる音さえ雑音になるような静かな静かな王子ホールに広がる。ラフなジーンズで登場した彼は、いきなり最新作『Seasons』の1曲目「The Season Comes」から、「春にして君を想う」、「帰郷」まで、CDの流れをそのまま再現してみせた。このCDを聴きこんできた人なら、思わず曲の流れを目をつぶってなぞることでしょう。

あいさつ、おしゃべりをはさんで僕が大好きな「材木座海岸」。歌詞もないのに、すっかりこのメロディーが僕を材木座に連れてってくれます。インストゥルメンタル曲でここまで持ってってくれる曲はそうめったにはありません。

前半は彼がひとりで、休憩をはさんで後半はゲストにチェロの古川展生、ヴォーカルのLyrico(リリコ)を迎えてのパフォーマンス。後半一曲目の「蒼茫(そうぼう)」、さらに続く「ニュー・シネマ・パラダイス」は、チェロとのコラボレーションが映画そのものを思い出させ、「エタニティー」では、リリコが登場。いきなり、歌の力を見せつけました。インストゥルメンタル曲が続く中で、ぽっと歌詞のある歌が入ると、その印象は強烈です。正統派シンガーである彼女はさらにエルヴィス・プレスリーの「好きにならずにいられない」と「キセキノハナ」を見事に歌いきりました。

妹尾メロディーは本当に聴いていると、いろんなイメージが沸いてきます。

そこで、勝手にキャッチフレーズ・シリーズ。第一弾。「恋の始まりと、恋の最中と、恋の終わりに・・・。妹尾メロディーはいつも恋するあなたの傍らに・・・」

第二弾。「ソウルではないが、魂があり、クラシックではないが、伝統があり、ピアノ以外何もないが、そこには一番の贅沢がある・・・」

ニュー・アルバムのレコーディングは完了したそうです。5月発売の予定。その中にはスティーヴィーの「オーヴァージョイド」をちょっとユニークな方法でカヴァーしているとのことです。

Setlist

01. The Season Comes
02. 春にして君を想う
03. 帰郷
04. 材木座海岸
05. 星の灯篭~太った三日月の夜
06. 新大阪
07. 冬物語
08. 浜辺の歌
09. 永遠に

休憩約12分

10. 蒼茫 (古川展生)
11. ニューシネマ・パラダイス (古川展生)
12. 爪痕 (古川展生)
13. Eternity (古川展生、リリコ)
14. Can’t Help Falling In Love(好きにならずにいられない)(リリコ)
15. 男はつらいよ
16. キセキノハナ (リリコ、古川展生)

encore

17. 街角
18. 星霜

(2004年1月30日・金=銀座王子ホール=妹尾武ライヴ)

ENT>MUSIC>LIVE>Takeshi, Senoo

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2004/01/15付けソウルサーチン・ダイアリー

□ The Beach In Winter, The Beach In The End Of Summer: That’s What Sensitive Piano Man Senoo Takeshi Portrays

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