Down To The Night Club: Tower Of Power Show What Is Hip

沸点。

「さあ、みんな、ソウルって言ってくれ(let me hear say “Soul”)(もちろん大文字のS)」 既に総立ちの観客から「ソ~~~ウル!」。 「さあ、みんな、タワーって言ってくれえ!(let me hear say “Tower”)」 「タワ~~~~!」 観客と一体となったファンク・ショウ、ファンク・フェスティヴァル。熱もヴォルテージも最高潮。デイヴィッド・ガリバルディーのドラムが飛び、ロッコのベースが弾け、ハモンドB-3がうねり、5人のホーンセクションが炸裂、そして、サウンドが大爆発。それがリアル・ミュージシャン、タワー・オブ・パワーのリアル・ミュージックだ。会場外に雪が降ろうが、会場内は熱帯夜。

2002年8月に続く来日。しかも今回は病気療養中だった伝説のベーシスト、ロッコが復帰。5日間10回公演がなんと完売というものすごい人気ぶりを見せている。ラジオでかかるわけでもなく、近年大ヒットがあるわけでもない。(こういうバンドこそ、番組で紹介しなければね!) では、このタワーたちの根強い人気は何なのか。答えはひとつ。彼らがリアルなバンドだから。ファンキーで、最高にかっこいい。だからライヴを味わいたい。そこに尽きる。

どこがかっこいいって、リズム隊がしっかりしている。そして、この切れのいいホーンセクション。何度見ても、惚れ惚れする。2003年リリースの最新作『オークランド・ゾーン』からの4曲を含め、新旧とりまぜてのファンクン・ロールな74分。今時、こういう大型バンドがいないだけに、なおさら貴重だ。ワン・アンド・オンリーな存在。

1曲目から全開で飛ばし、名曲「タイム・ウィル・テル」でしばしスローダウンし、メンバー紹介になった。一人一人が紹介され、徐々に拍手が大きくなっていったが、ベースのロッコのところでその拍手は最高潮に達した。拍手と歓声がしばし鳴り止まない。もちろん、彼のベースがすばらしかったために得た拍手ということもあるだろうが、やはり、彼が肝臓移植という大手術を経て奇跡の復活を果たしたことを観客のほとんどが知っていて、そのカンバックへの大きな喝采だったように思えた。それは、「お帰りなさい、ロッコ」を意味する熱い拍手だった。7曲目の「ディギン・オン・ジェームス・ブラウン」で観客が一斉に立ち上がると、以後最後まで観客は座ることなく、アンコール曲「ホワット・イズ・ヒップ(新しくて最高なことって何?)」で会場の熱気は沸点まで達した。2004年、今ヒップなのは、タワー・オブ・パワーか。

前回来日時に日本初お目見えとなった新人リードシンガー、ラリー・ブラッグスの声質は、グループ初期のリード、レニー・ウィリアムス系のようだ。このタワーに非常にあっているような気がする。

ライヴが終った後、楽屋からでてきた彼とちょっと話した。彼は言う。「2000年の暮れにタワーに入ったんだ。僕が地元で別のバンドで歌っているのを、エミリオが聴いて、デモテープを送ってくれって言ってきた。で、テープを送ると、今度はオーディションをしたい、って。で、オーディションを受けたら、そのままメンバーになった。(笑) 最初は彼らの曲は3~4曲くらいしか知らなかったんだよ。(笑) 『ダウン・トゥ・ザ・ナイト・クラブ』、『スティル・ア・ヤング・マン』あたりかな。でも、すぐに全部覚えたよ」

同じく楽屋からでてきたロッコの元にはファンが集まり始め、いつのまにかCDにサインをねだったり、写真を一緒に撮る者が列を作っていた。本当に元気になってよかった。まだまだ老け込むには若すぎる。なぜなら、You Are Still A Young Man!

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Complete Set List:
Tower Of Power
2004.1.19 (Monday) Second Show
At Blue Note Tokyo
Transcribed By Yoshioka Masaharu

show started 21:43

01. Can’t You See (You Doin’ Me Wrong) — “Back To Oakland” (1974)
02. Get Yo’ Feet Back On The Ground — “Tower Of Power” (1973)
03. Credit — “Power” (1987)
04. This Type Of Funk — “Oakland Zone” (2003)
05. Give Me Your Love — “Oakland Zone” (2003)
06. Time Will Tell — “Back To Oakland” (1974)
— Introducing members
07. Diggin’ On James Brown — “Souled Out” (1995)
08. Oakland Zone — “Oakland Zone” (2003)
09. Happy ‘Bout That — “Oakland Zone” (2003)
10. Only So Much Oil In The Ground — “Urban Renewal” (1974)
Funk Medley: (11-14)
11. You Got To Funkifize — “Bump City” (1972)
12. Down To The Night Club — “Bump City” (1972)
13. This Time It’s Real — “Tower Of Power” (1973)
14. Knock Yourself Out — “Easy Bay Grease” (1970)

Encore

15. What Is Hip — “Tower Of Power”(1973)

show ended 22:57

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ブルーノートのウェッブ。

http://www.bluenote.co.jp/art/20040119.html

日本のタワー・オブ・パワーの公式ファンクラブのウェッブ。音楽評論家でありタワー・オブ・パワーの日本一の研究家、櫻井隆章氏らが運営。

http://www.towerofpower.jp/

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(2004年1月19日月曜・ブルーノート東京=タワー・オブ・パワー・ライヴ)

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