Once A Year, He's On The Air

年一。

24日の深夜12時からJウェイヴでは毎年作家沢木耕太郎さんの番組をやっています。一言で言うなら彼の旅番組。彼がこれまでに行った場所の話や、メールを送ってきてくれた人と電話をつないで、その彼らが現在行っているところのを話をしてもらうという番組です。

これがねえ、けっこう、いいんですよ。年に一回だけのレギュラー。今年で何回目なんだろう。5回くらいやってるのかな。

何がいいかというと、沢木さんが世界各地に飛んでいるリスナー、といってもその人たちは番組を聴けないのですが、と話をするのがおもしろい。沢木さんの質問のもっていきかたがすばらしい。ちょうど僕が聴きたいと思うことをちゃんと聴いてくれる。かゆいところに手が届くインタヴュアーだ。すばらし。

おそらく、沢木さんは世界各地に行って、そこで出会う人、興味を持った人にいろいろとこうやって質問してるんだろうな、と思います。結局は、好奇心なんでしょうね。好奇心があるから知りたくなる。知りたくなるから、質問がでる。質問の答えからまた次の質問が引き出される。いい循環が生まれます。そしていいストーリーが掘り起こされる。そう、アーマッド・ジャマルも言うように「宝物」は掘って、掘って、掘りまくらないと見つけられないのです。

モンゴルに行った人と電話をつないで、「なぜモンゴルに行ったのか」「今、いる部屋はどんな部屋か」「どれくらい寒いのか」「寒さには耐えられるのか」とか、矢継ぎ早の質問がいい感じです。そういう質問と答えを聴いていると、そのモンゴルの彼が住んでいる状況が少しずつイメージとして浮かびあがってきます。これがラジオですよ! 言葉からイメージを広げさせる。すばらしいと思う。

テレビの旅番組は、すべてを映し出します。それはそれで有益だと思う。そこに行かなくとも、それなりの雰囲気や状況、情報などがとれるわけですから。でも、ラジオはそれ以上にイマジネーションを広げられる媒体なんですね。

タイに行った元週刊文春の記者の人とつないだ電話は、おそらく彼が携帯で街を歩いているのでしょう。その街の騒音まで入ってきて、臨場感がでています。モンゴルからタイへひとっとび。電話ひとつで何でもできるんですね。

ただね、この番組、選曲がねえ。いまいちです。もっと考えて欲しいですねえ。曲と話にまったく関連性もないようだし、選曲されている曲がつまらない曲ばかりだ。(まあ、音楽は趣味ですからねえ。僕の趣味とあわないということなんですけどね)

旅と音楽というのは、かなり密接に関連してもいいはずなんですね。例えば、旅に行く時に必ず持っていくCDとか、あるいはそれこそ現地で聴いた音楽のCDとか、現地で聴いた日本のポップスと現地の雰囲気が意外とあったとか、切り口はなんでもいいんですよ。沢木さんの話がおもしろいだけにね、残念です。曲になると局を変えちゃおうかと思うくらいだから。普通、逆ですけどね。DJがしゃべりだすと局を変えてしまうことはありますが…(笑) 来年も聴きましょう。

ENT>RADIO>Kohtaro, Sawaki

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