伝記。
明日12月10日はソウルファンにとって何の日かといいますと、ご存知オーティス・レディングの命日であります。翌12月11日はサム・クックの命日。12月8日はジョン・レノンの命日。この週は、ほんとに忙しい。(って、なにが忙しいんだか・・・)
ずいぶん前にタワーに行ったときにオーティスの伝記がでていたので買ってきましたが、いつの間にこんな本が作られていたのだろう、って驚きました。スコット・フリーマンという人が書いた『ザ・オーティス・レディング・ストーリー』(セント・マーティンズ・グリフィン刊)。全米では2002年9月にリリースされています。
本文約240ページ。生まれてから死ぬまでの短い人生を様々な人への取材を元に書いています。これを書いたフリーマン氏は、これまでにオールマン・ブラザース・バンドの伝記も書いている人です。南部の音楽に詳しいようです。ひとつこんなエピソードを読みました。一番最後ですが。
事故後ほんの2-3日で、ウィリアム・ベルたちはオフィースで「この痛みを和らげるために何かしなければならない」と考え、オーティスの妻ズレマのために、オーティスへのトリビュート・ソングを書きました。それは、元々シングルリリースする予定ではなかったそうです。ウィリアム・ベルは、まったくリリースを考えていませんでした。ところが、その曲を聴いたズレマは、ウィリアムにシングルをリリースするよう提案します。しかし、彼は「自分が友人の死をネタに金儲けをした」と思われるのを嫌い、拒絶します。それでも熱心な勧めにウィリアムも折れ、シングルのB面なら出してもいいということになり、シングルのB面としてその曲はリリースされました。それが「ア・トリビュート・トゥ・キング」という曲です。しかし、ラジオDJはみなこのB面の曲をかけ始め、結局68年4月からヒットし、ソウル・チャートで16位を記録するヒットに成りました。
本当はしっかり全部読んでから日記に書こうかと思ったのですが、いつまでたっても読めないので(失笑)、簡単にこの命日にからめて紹介することにしました。
ENT>BOOKS>REVIEW>Redding, Otis