つながり。
たとえば、ブルースのBBキングのグレイテスト・ヒッツ・アルバムを聴けば、彼のオリジナル・アルバムを聴きたくなります。あるいは、他のブルース界のジャイアントたちのアルバムも聴きたくなります。BBとジョン・リー・フッカーは、どう違うのかとか。ロバート・ジョンソンはどんなスタイルなのかとか。全体像の中でBBの位置はどこにあるのだろうか、とか興味はどんどん広がります。
同じことが、たとえばボブ・マーリーを聴くときにも言えます。ボブ・マーリーの場合、歌詞にかなりのメッセージが込められているので、中身も知りたくなります。その歌詞を理解するには、彼のことを周囲の状況も含めて知らなければならない。すると、彼の歴史に興味が沸くようになります。
BBに影響を受けたアーティストは、誰か。それこそ星の数ほどいるでしょう。BBスタイルを引き継ぐ人は誰か。それを探るのもおもしろいかもしれません。そのときに、エリック・クラプトンの名前がでてきても自然なことです。そして、そのエリック・クラプトンはボブ・マーリーの「アイ・ショット・ザ・シェリフ」をカヴァーして、オリジナルよりもヒットさせてしまいました。
BBキングとボブ・マーリーという、一見まったく接点がないような二人の音楽をつなぐエリック・クラプトンとは何者か。そこにも研究の余地が生まれます。こうやっていくと、どんどん音楽を聴くフィールドが広くなっていきます。
最近、いわゆるそのジャンルの巨匠たちの作品を聴くにつけ、音楽の世界の深さをひしひしと感じている今日この頃です。そして、今度はジャズ界の天才ベース奏者、ジャコ・パストリアスをちょっと研究してみます。