■ビル・ウィザース~大野雄二インタヴュー~ワックスポエティックス第3号

■【ビル・ウィザース~大野雄二インタヴュー~ワックスポエティックス第3号】
A&R。
マーヴィン・ゲイの自伝『マーヴィン・ゲイ物語~引き裂かれたソウル』の翻訳作業が続く中、ワックスポエティックス第3号の原稿も佳境に。今回僕が手がけるのは、先日ここでも少し書いた大野雄二さんインタヴューと、ビル・ウィザースのロング・インタヴューの翻訳。大野さんのほうは、指定は当初5800字程度だったが、削って起こしてそれでも12000字くらい。結局、7000字の枠でまとめさせてもらうことになった。まあ、とにかく5時間半ですから、それでも4分の1くらいでしょうか。(笑) これぞまさに「エディット」(編集)だ。テープを起こすのも地獄、削るのも地獄だあ。(笑)エディットする人=エディターとは、うまいことを言ったもんです。
ビル・ウィザースは、以前、デイヴィッド・リッツが書いたビルのCDのライナーノーツを翻訳したことがあったが、実に朴訥(ぼくとつ)とした自然派の素晴らしい人物。その彼らしさがよく出たインタヴューだ。原文が5500ワードくらいあるので、15000字くらいになりそう。これは全文掲載できるはず。
読みどころは満載だが、彼のインタヴューの中で、CBS時代のA&Rマン(担当ディレクター)に2年間電話をし続けたが、無視されたという話がでてくる。A&Rというのは、アーティストとレパートリーの略。アーティストとそのアーティストが歌う楽曲を選んだり、管理したり、アーティスト周辺の仕事を全部やる、日本で言うところの担当ディレクターのことだ。しかし、詩人でヴォキャブラリー豊富なビル・ウィザースはこのA&Rとは、次のような単語の略だと、こう言い放った。
antagonistic & redundant。 antagonisticとは、対立のこと。redundantとは不要なもの、必要ないもの、転じて窓際族。うまいことを言う。そのディレクターは、どうやらビルにディスコ曲を歌わせ、ディスコ・ヒットを狙ったらしい。当然、ビルはそんなことは絶対に受け入れない。二人は決裂し、二年間、話もしなくなる。このA&Rマンは、心底、馬鹿ではなかろうか。(笑) そこでビルはすっかり音楽業界に嫌気が差し、しばらく一線から身を引くのだ。
立ち読みできないほどの文章量なので(笑)、ぜひ発売されたら入手してください。第3号には、ジェームス・ブラウンのドラマー、クライド・スタブルフィールドのインタヴューやシドニー・ポワチエの記事も掲載されます。ワックスポエティックス第3号は、3月15日発売予定。
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