⊿【国本武春・大忠臣蔵@朝日ホール】
名調子。
待ってました。うなる浪曲師、日本一のエンタテインメント浪曲、三味線とうなりたっぷりの名調子国本武春さんの単独ライヴ。年末恒例『忠臣蔵』で有楽町・マリオン11階由緒正しい朝日ホール。
初めて彼のことを知ったのは2005年12月のこと。今回はフルショウを拝見させていただいた。さすがに観客の年齢層は高い。ほとんど50代より上かと思えるが、いや、40代もいるか。男女比は7:3くらいか。いや、意外と女性が多いので6:4くらいかな。落語よりもう少し若い感じはする。
第一部も第二部も『忠臣蔵』を中心にした演目。第一部は、例によって「三味線」エンタテインメントの正しい聴き方、いや、参加の仕方をレクチャーしつつ、三味線をバックに何曲か歌う。ハイヴォイスの歌になるあたりなんか、けっこううまい。三味線をギター同様に扱い、さらにリズムマシンの打ち込みも併用して、なんともいえぬ独特の世界を醸し出す。
これはお客参加型のエンタテインメントで、客はまず演者が登場すると、「待ってました」と声をかける。次に三味線が3回鳴ったら、「名調子!」と声をいれ、さらに一段落したら「日本一(にっぽんいち)!」と声をかける。まさにここらあたりは、演者と観客の「コール&レスポンス」だ。おもしろい。
浅野内匠頭(あさの・たくみのかみ)が大名吉良上野介(きら・こうずのすけ)を切りつけるシーンを、国本さんが熱演。その一部をみなさんもやってみましょう、と教える。徐々に観客も慣れてきて、いくつかの振りを覚えるのだが、まあ、これがおもしろい。浅野が吉良に切りかかろうとすると、部下が「殿中でござる、殿中でござる」と言って、止める。
日本の話芸の素晴らしいことのひとつは、首を左右に動かすだけで、登場人物を変えられるとのこと。
有名なストーリーに独自の楽曲をつけて、ロック調、バラード調で歌を聴かせる。67分で第一部終了。
約20分の休憩を挟んで、古典浪曲を三味線沢村豊子さんと国本さんのうなり。このタイトルは、「徳利(とくり)の別れ」というもの。これは、吉良に復讐を誓う赤穂四十七士のひとり赤埴重賢(あかばね・しげかた=通称・源蔵=げんぞう)が、討ち入りの前に兄のところに行き、最後の酒を交わそうとするが、たまたま兄はいなかった。そこで、その酒の入った徳利の半分を自分が飲み、半分を帰った兄に飲んでもらい交わしたことにしよう、というもの。これをよどみなく、噛むこともなく、本当に名調子で立て板に水でやる。約30分。まさに「芸」だ。すばらしい。
終わって、トイレに寄って外に出たら、もう国本さん、サイン会を始めていた。はや。「いよっっ、にっっっっっぽんいち!」
■ 過去記事
January 11, 2006
Kunimoto Takeharu (Part 1): Live At Ne Quittez Pas
http://blog.soulsearchin.com/archives/000765.html
January 12, 2006
Kunimoto Takeharu (Part 2): New Wave Of Roukyoku: Trying To Find Soul Of Shamisen
http://blog.soulsearchin.com/archives/000766.html
■ 近く今後のライヴ
2008年12/07(日)岐阜市民会館 14:00~「国本武春浪曲公演」
12/10(水)札幌・道新ホール18:30~「国本武春の大忠臣蔵」
12/14(日)東京・カメリアH14:30~「国本武春の大忠臣蔵」古典
12/14(日)東京・カメリアH18:30~「国本武春の大忠臣蔵」 弾き語り
■ オフィシャルウェッブ
http://takeharudo.music.coocan.jp/
■ メンバー
国本武春 (弾き語り)
沢村豊子 (三味線=第二部)
■ セットリスト 国本武春 @ 朝日ホール
Setlist : Kunimoto Takeharu @ Asahi Hall, December 3, 2008
1st set
show started 19:01
01. 「待ってました」「名調子」「日本一」のレクチャー
02. 堪忍ブギ
03. 殿中人情 (with track)
04. ザ・忠臣蔵 殿中、刃傷~田村邸の別れ (with track)
show ended 20:07
2nd set
show started
01. 忠臣蔵~赤垣源蔵 徳利の別れ
show ended 20:59
(2008年12月3日水曜、有楽町・朝日ホール=国本武春ライヴ)
ENT>ROUKYOKU>Kunimoto, Takeharu
2008-198
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